- tiyodadayo
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騙城作『悪い男に騙される山城』『悪い男に騙されない榛名』外伝 『悪い運命に抗う扶桑』 第3話「黄昏」 【介入制限:金剛、榛名のみ】
2014-06-29 21:00:00寮母さんの言葉に私達は思わず息を飲んだ 『鬼』を狩る事を専門とする艦娘・・・そんな物は聞いたことがないし・・・なにより・・・ 寮母さんの優しそうな外見からはとてもではないが想像は出来なかった
2014-06-29 21:01:30寮母さんはその件についてはあまり話したくないのか話題を切り替えた 「まあ昔の事はどうでもいいんだ。さて・・・本題に入ろう。あんた達二人を連れてきたのはあんた達に頼みがあってのことだ」 「頼み・・・ですか・・・?」
2014-06-29 21:03:07「今回はなんとか間に合ってあの二人を止められた ただ、あたしだっていつでも居るわけじゃない・・・ なによりもう歳だ。そこで二人には・・・あたしの跡を継いでもらいたいんだ」
2014-06-29 21:03:59「さっき見たとおり、鎮守府の連中は『鬼』を潰すことを前提でしか動かない。あたしみたいに『鬼』を封じて生かそうという思考があまりないんだ」
2014-06-29 21:04:27「艦娘がいる限り表裏一体である『鬼」は必ず発生する あんた達にはそいつらを止める為の力になって欲しいんだ 勿論強要はしないし少し考えてくれても 構わない・・・頼む」 そう言って・・・寮母さんは頭を下げた
2014-06-29 21:05:16私は思い出す・・・暴走した山城と榛名さん 止めようとして為す術もなく翻弄された私たち 戦艦の艦娘の私達でさえあの様だったのだ もし私達より耐久力の弱い・・・たとえば駆逐艦娘や軽巡艦娘にその力が振るわれたら・・・?
2014-06-29 21:06:19さらに寮母さんは続ける 「心配しなくてもあたしの戦い方は艦娘を生かす戦い方だ 連中のような殺すことを前提とした戦い方じゃあない」
2014-06-29 21:13:32「よし準備は出来たようだね 扶桑には私がかつて学んだ仙道・・・あたしの師匠曰く『波紋』と言うそうだが・・・それを学んでもらう」
2014-06-29 21:20:43「本当は金剛には・・・扶桑には苦手な高速で敵を翻弄し・・・時にはしなやかな獣のように戦う戦闘技法・・・を学ばせるつもりだったんだが・・・まああいつを信じるしかないね・・・」 そう言って鎮守府の戦艦寮があるあたりを見つめながらぼやいた
2014-06-29 21:21:45「いや・・・だったら私に両方教えてもらっても・・・」 私はそれを聞いておずおずと言ってみたが 「二兎を追うものは一兎を得ずって言うだろ? それに・・・あたしは金剛を信じるよ」
2014-06-29 21:23:40「そうだ。もしやる気になったらあたしの所へ来るように金剛に伝えておいてくれるかい?」 「ええ、分かりました・・・必ず・・・」 「よろしい、じゃあ始めようかね」
2014-06-29 21:26:01そうして私の二重生活が始まった 昼は鎮守府にて普通の訓練、夜は寮を抜け出して寮母さんの戦闘技法の訓練 辛い生活ではあったが私達は未だ入院している山城の事を想い必死に技を磨いた
2014-06-29 21:27:38