ベイ金剛VSベイ山城

J9J9...(届かぬ想い)
思い出
3
ベイスターズを愛する金剛型1番艦 @DB_Kongo
それでは金剛VS山城編の始まりデース!
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「Hi,扶桑サン!」 執務に一区切りをつけて、休憩に出ようとしたところであった。 執務室の扉を開くと、ちょうど入室しようとしていたらしい扶桑サンと鉢合わせた。 「あら、金剛さん! 今日はいい天気ね」
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違和感、というほどでもないが、少し気になった。 扶桑サンはいつもどこか儚げというか、いつでも薄く笑みを浮かべていて、声の調子もゆったりとしている人だ。 だが今日の扶桑サンは口の端を目一杯吊り上げて言葉もハキハキ、どこからどう見てもゴキゲンだ。
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「何か良いことがあったのデスカ?」 「あら……わかるかしら?」 「ええ、とても素敵なSmileデスヨ!」 自分の顔を指さしながら最高のSmileを決めてみる。 「そうかしら……ありがとう。実は、妹から手紙が届いたの」 流された。 「……妹、妹サンから」 ワタシの妹達の姿がよぎる。
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「どうかしたの?」 「あっ、いえ! 何でもありまセンヨ!」 妹達のことを思い出したと言ってお茶を濁した。 何も間違ったことは無い。 扶桑サンの妹の話は何度か聞いたことがある。 何でもいつでも笑顔で、それでも姉を立てるよく出来た妹だとか。 名前は確か…… 「山城サン、でしたよネ」
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「ええ、覚えていてくれたのね」 「Off course! 扶桑サンの妹ならワタシのFriendsも同然ネ!」 「ありがとう。そう言って貰えるなら、きっと大丈夫ね」 ワタシが言葉の意味を掴みあぐねて首を傾げると、扶桑サンは妹から届いたという手紙を広げて見せてくれた。 字が凄く綺麗。
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「ここを見て」 「エート、なになに……今度、演習で姉さまの鎮守府をお伺いすることになりました……へー! 妹サン、こちらに来るのデスカー!」 「ええ、そうなの。嬉しくて、表情に出ていたみたいね」 「なるほどー……それで、いついらっしゃるのデスカー?」
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「ちょっと待って……あ、あったわ。明日ね」 「へー、明日……明日ァ!?」 頭で理解してから思わず聞き返してしまった。 扶桑サンもそこはまだ読んでいなかったようで、笑みの中に少し困惑を混ぜていた。 「な、なんでそんなに突然……」
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「きっとこの間の大演習でゴタゴタしたからね……手紙を受け取る余裕なんて無かったもの」 「ああ、あれはネ……」 少し前に鎮守府内で行われた大演習。 普段は内勤のワタシも参加したのだが、大和長門とタイマンを強いられた上に深海棲艦が出現する大騒動となった。
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ワタシもその戦闘で負傷、つい先日復員したばかりだ。 顔含め、あちらこちらにまだ傷跡も残っている。 ゴタゴタの後処理で提督が本部に出払っててよかった、こんな姿は流石に見せられない。 「ってあああああ! 提督いないじゃないデスカー! それに戦艦ズは今、出撃が禁じられているのでは!?」
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「え、ええ……そうね……」 現在、提督は留守。 だからワタシが執務室で提督代理として書類仕事をさせられていたのだ。 その上、長門、大和、伊勢、扶桑サンの戦艦ズはこの間の出撃で負傷。 メディカルチェックの結果が出るまではよほどの緊急時を除き出撃を禁ずると提督に固く言われている。
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「えっ、これってもしかして……不味くないデスカ?」 「相当……まずいわ」 呼吸が荒れ、冷や汗が額から噴き出る。 「扶桑サンの妹と言うことは戦艦デスヨネ……お相手出来そうな人は……」 「重巡以下の娘には荷が重いわね……一対一の演習なら、実力が拮抗していないと……」
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「これもう緊急事態ってことで誰か出撃させちゃダメデスかネ……」 「流石に……それは」 頭を抱える。 提督の代理なんて安請け合いするんじゃなかった。
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すぐに帰ってくるとか言っていたから引き受けてしまったが……引き受けてしまった以上、仕方がない。 仕方がないと言ってもどうにもならないことはどうにもならないのだが。 そもそも何で誰にも言ってないんだよ、流石に知ってたでしょ提督。
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「いるじゃないか。一人、出撃できる戦艦が」 「長門? いつの間に……」 背後からの声。 振り返ると、いつどこからどうやって入ったのか、長門が提督の執務椅子に腰を下ろし足を組んでいた。
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その格好は普段のキャラに全く合っていない、露出の多い戦闘装束ではなく、黒の軍服。 頭に乗せた海軍帽の真ん中で、金糸の翼が輝いている。 ワタシが内勤に勤しんでいる際に身に纏っているものと同じものだ。 つまりワタシと長門は今おそろいの格好をしていることになる。 何てことだ。
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普段は緊急出撃に備えて戦闘服で過ごす艦娘だが、出撃を禁じられた今はそれを取り上げられているのだ。 「あれ? でも、扶桑サンはいつも通りのような……」 「これは私服なの……おかしいわよね」 確かによく見ると、上衣の一部に花の模様が描かれている。 これに気づかなかったのは不味い。
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「そ、そんなことはありませんヨ! とてもよく似合ってマース! ……すいまセン、気づかないで」 「ふふ、いいのよ。パッと見ただけでは分からないもの」 「やはりお優しいネ……で、長門はなんでわざわざそんな格好を?」 長門は頭の後ろで両手を組み、苦々しげに言った。
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「私が私服など持っている訳ないだろう」 「「あー」」 「納得するな!」 椅子から立ち上がり、机をバンバンと叩く長門。 「ご、ごめんなさい……今度、一緒にお洋服を買いに行きましょう。ね?」 「まぁ、それなら」 扶桑サンの提案にしぶしぶ……いや、口元が笑っている。 あれは喜んでいる。
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とにかく提案に頷き長門は再び執務椅子に腰を下ろした。 それにしてもあの椅子大きいなぁ、長門がすっぽり上下左右から椅子に包み込まれているように見える。 それぐらい大きい。 「っと、そんなことより、演習の話だろう。わざわざ出向いてもらっている以上、下手な真似は出来ない」
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「そうだヨ。緊急事態だから長門がお相手してヨ」 「戦闘装束は取り上げられているのだ。無理だ」 「じゃあ、さっき言っていた出撃出来る人って誰なんデス?」 「ふふ、それはな……」 長門が言葉を切り、ニヤニヤと口元の片端を吊り上げる。
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正直腹が立つので、早く言えよと口を開こうとした時、突然長門の座る執務椅子が回転した。 「Japans Stuhl Es ist interessant!」 どうやら椅子の後ろにビス子サンが隠れていたらしい。 楽しそうに声を上げながら長門の座る椅子を回している。
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「長門、誰なんデスか?」 「そ、それはだな」 面白いので流して話を進めることにした。 扶桑サンは少し困ったようにワタシと長門を交互に見たが、ワタシの反応を見てか何も言わない。 「Hey hey heeeeeey,hurry hurry!」
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「やかましい! ビス子も回すな! Na wiederum!」 「Nun,langweilig ist……」 ワタシにはよく分からないが止めろと言ったらしい。 ビス子サンは腰に手を当てて唇を突き出して不満げだ。 だんだん馴染んできているようだ。
ベイスターズを愛する金剛型1番艦 @DB_Kongo
彼女は提督が留守になった日にふらりと鎮守府にやってきた、恐らくドイツの戦艦。 提督がいないせいで彼女がどうしてここに来たのか目的はなんなのか、まるで分からない。 ただドイツ語を理解できる長門に懐いているようだ。
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