アニメーション作画における芝居・理論・技術について

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佐倉 大 (北久保弘之) @LawofGreen

@NISHINOB これは何時か書こうと思っていたのだが、アニメーターの職責を究極まで絞り込むと、「時間を設計する能力者」と言って良い。解りやすい例を上げると、大塚康生さんと安彦良和さん、絵が上手いのは安彦さんだがアニメーターとしては圧倒的に大塚さんに軍配が上がる。

2010-11-14 15:08:21
西村誠芳 @NISHINOB

@LawofGreen なるほど、理解できます。アニメーターとしての上手さというのは色々とあると思いますけど、一番の本質としてはその点だと思います。とはいえ自分程度からすると安彦さんのタイミングセンスも凄いと思うのです。単純にタイミングセンスということではないとわかりますけど。

2010-11-14 17:00:40
村田峻治 @toshiharumurata

安彦さんのタイミングは感性でつけてる部分が大きいので他の人が真似しようとすると大やけどしますね。大塚さんのタイミングは理論に裏打ちされているので振れがないしリアリティも大きいですね。RT @NISHINOB: @LawofGreen なるほど、理解できます。アニメーターとしての

2010-11-14 17:05:53
佐倉 大 (北久保弘之) @LawofGreen

@NISHINOB 安彦さんの凄い所は、タイミングセンス「では無くて」「演技力」です。事 演技力に関しては、大塚康生さん、宮崎駿さんすら、「森やすじさんには敵わなかった」訳で。安彦さんは、系統すら違うものの 森さん以来の演技派アニメーターです。

2010-11-14 17:30:30
西村誠芳 @NISHINOB

@toshiharumurata @LawofGreen 安彦さんの継承者がいないという事の一端はそれもあるのでしょうかねぇ。やっぱり基本で考えると理論を基準にしての積み重ねが必要なんでしょうね。

2010-11-14 17:34:19
西村誠芳 @NISHINOB

@LawofGreen ああ確かに。納得です。主観的/客観的と分けてしまうのは乱暴でしょうか?

2010-11-14 17:36:45
佐倉 大 (北久保弘之) @LawofGreen

@NISHINOB 安彦さんにも当然理論は有るのだが、残念ながら間違っている。ヴィナス戦記の原動画注意事項で安彦さんは「歩きと走りの違いは何か?それは「走りは必ず空中ポーズ」が入ります」と描いている。これは「物理法則として正しい」が、アニメは走っている様に「見えれば良い」。

2010-11-14 17:52:45
平松禎史 @Hiramatz

@LawofGreen @NISHINOB 歩き走りは条件で描き方(ポイントの選び方)も変わってくるので難しいですね。角度とかカメラが追ってるのか否かとか。その上で、どう見えるかが重要ですね。

2010-11-14 18:01:16
西村誠芳 @NISHINOB

@LawofGreen 確かにその通りです。でも、自分は実はその辺りの教えが身に染み付いてしまっています。ゴーグの動画やってました…

2010-11-14 18:02:04
西村誠芳 @NISHINOB

@Hiramatz @LawofGreen 本当はそういう臨機応変さや観察力が必要なんですよね。そういう必要性は脳裏をよぎるんだけど、自分はパターン処理に終始しているだけでした。まったくどうしようもない。

2010-11-14 18:05:11
佐倉 大 (北久保弘之) @LawofGreen

@toshiharumurata 逆に大塚さんの感性の話。カリシロの地下造幣局の偽札が燃えるシーンで、原画の方がホルスの家を燃やすアノ炎を参考に描いたら、大塚さんは全修正した。その時の言葉「お札が燃える所を見て楽しい?僕は「気分が悪い」と思うな」と言って気持ち悪く動かした。

2010-11-14 18:09:14
平松禎史 @Hiramatz

@NISHINOB @LawofGreen 特定の師匠が居なかったので当時出回ってたマニュアル的なのでしばらくしのいでましたが、疑問が出てきて、それからは過去の作品や実写映像、実物の観察を頼りにしました。ボクの場合独学の初期に失敗してたのが逆に良かったかどうなのかってとこです。

2010-11-14 18:11:10
村田峻治 @toshiharumurata

常々思うんだが、何故アニメーション業界は芝居のメソッドについて無頓着な演出・監督ばかりなんだ?デ・ニーロ、パチーノ、マックイーン等数多くの名優を輩出しているアクターズ・スタジオが基本にしている『スタニスラフスキー・システム』の名すら知らない人が多すぎる。

2010-11-14 18:12:35
ことぶきつかさ @t_kotobuki

@LawofGreen横から失礼します。それっていうのは「らしく描けない」人に対して「ならば物理法則に忠実であれ」という教えという事なのでは? 「らしく描く」というのは凄くセンスを求められる気がします。 

2010-11-14 18:13:46
村田峻治 @toshiharumurata

『スタニスラフスキー・システム』が100%正しいとは言わないが、芝居の間や、同フレーム内に居る役者とのリアクションの理論等、アニメーションを映画として考えた時に参考になるものが沢山有る。もう何十年も続いている業界にそういった基本的メソッドが構築されていないのはおかしいと思う。

2010-11-14 18:15:12
平松禎史 @Hiramatz

@toshiharumurata 「アニメ」が教科書だからでは?と思います。アニメーションは表現手法の一つで、ソースは感情や身の回りのことやあらゆる不定形な物事のはずですよね。絵、動きにどう落とし込むか?の方法論というのは人間の演技以上に難しいと思います。

2010-11-14 18:18:34
西村誠芳 @NISHINOB

@Hiramatz @LawofGreen そこで疑問を持たずにパターンの思考で済ませようというのは最大の間違いだったというのは後々思い知る事になってしまいました。完全に後の祭りです…

2010-11-14 18:18:51
村田峻治 @toshiharumurata

炎は昔『バックドラフト』をなん百回も見てコマ送りもしてビデオプリンターで出力をして物理的に何故ああいう動きになるのか?フォルムを描く時にもガス状の立体である事を気が狂うまで研究したなあ。結果リピートにするには2Kで最低原画8枚(この場合全原画)必要だと結論がでた。

2010-11-14 18:20:12
村田峻治 @toshiharumurata

@Hiramatz そうなんですよね。確かに実写以上に難しいんですよ。だからこそコンテレベルでは芝居のメソッドが必要になると思います。不確定要素はアニメーターが上詰みする事になる訳ですから。

2010-11-14 18:22:07
西村誠芳 @NISHINOB

ああ、やっぱりすごい人たちと自分のいる場所の差を思い知る…

2010-11-14 18:23:10
平松禎史 @Hiramatz

@toshiharumurata 若い頃読んだきりですが、スタニスラフスキー・システムは一読の価値あると思います。作打ちなどでは体を動かして芝居の説明をしますし、やらせることもあります。やはり絵に対してのメソッド化は難しいので体でやってみて体感することを覚えた方が良いかと。

2010-11-14 18:24:56
西村誠芳 @NISHINOB

感性で描いてる、なんていうのは言葉上だけであって、実はなにも研究していなかったというのが正しいところでしかない自分。恥ずかしい…

2010-11-14 18:25:24
村田峻治 @toshiharumurata

そうですね。両方必要だと思います。RT @Hiramatz: @toshiharumurata 若い頃読んだきりですが、スタニスラフスキー・システムは一読の価値あると思います。やはり絵に対してのメソッド化は難しいので体でやってみて体感することを覚えた方が良いかと。

2010-11-14 18:26:11
平松禎史 @Hiramatz

おもしろい!そんなに研究してませんが…ボクは7枚でどうにかって感じです。奇数のほうがランダム感が出るかも?と。 RT @toshiharumurata リピートにするには2Kで最低原画8枚(この場合全原画)必要だと結論がでた。

2010-11-14 18:27:10