茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1291回「野球にもなれば、クリケットにもなる」
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クリケットを最初に見たのは、英国に留学している時に、テレビで、ではないかと思う。そのあと、あちらこちらでやっているのを見かけた。野球の起源にもなったという説がある(確か)スポーツだが、とにかくよくわからない。バットを持った人に、なぜかワンバウンドでボールを投げる。
2014-07-28 07:01:34バットを持った人は、そのボールを打つのだけれども、打球が飛ぶと、なぜか、バットを持った人と、もう一人いるバットを持った人が、杭の間を往復する。その往復の仕方も、全力疾走、じゃなくて、なぜか走っている、という感じ。打球が飛んで、素手でとると、全員がなぜか腕を上げて喜ぶ。
2014-07-28 07:02:51ほんとうに希に、杭(ウィケットと言うらしい)にボールが当たると、その瞬間に何か投げた側にいいことがあるらしく、投げる側が全員でものすごく喜ぶ。。。そんなことを、何日か繰り返す。これがクリケット。こう書いていても、なんだかよくわからない(笑)。
2014-07-28 07:04:48野球とクリケットの身体運動というか、ゲームを見ていて受ける印象はずいぶん違うけれども、どちらも、「相手に勝つ」ことを目的としていることは同じ。じゃあ、なぜ身体運動が違うのか、と言えば、「ルール」が違うから。この、ルールを通して身体運動が誘発されるという点に、興味がある。
2014-07-28 07:05:49先日、香港でぼんやりテレビを見ていたら、Australian rules footballというのをやっていて、びっくりした。以前から噂には聞いていたが、普通のラグビーに比べると、なんだかやたらと動き回り、ボールのやりとりもめまぐるしく、烈しく楽しい。画面に釘付けになった。
2014-07-28 07:07:08あまり知名度のないAustralian rules footballだが、オーストラリアでは、人気、観客動員数ナンバーワンのスポーツだということ。それで、なぜめまぐるしくも烈しい身体運動になるのかと言えば、蹴ったり、投げたり、インターセプトする時のルールが違うから。
2014-07-28 07:08:33新しいルールをつくると、新しい身体運動が誘発される。この点に、とても興味がある。日々の生活でも、新しいルールを自分でつくって、新しい身体運動が誘発されるところに興味がある。思考を含めて、どんなレギュレーションで日々を過ごすか。それって、きっと人生を根底から変えるね。
2014-07-28 07:09:51大相撲は、このところモンゴル出身の力士が圧倒しているが、そのモンゴル相撲は、土俵の区切りがなくて、とにかく土に着いたら負け、ということらしい。そのようなルールで、どのような身体運動が誘発されるのか、興味がある。ルールを少し変えただけで、身体運動は変わる。
2014-07-28 07:11:01英語ができないと嘆く人がいるけれども、毎朝、とにかく原書を10分声を上げて朗読するとか、文章を10分書くとか、そういうレギュレーションにすれば、身体運動が誘発される。日常生活のルールは、自分で作れる。野球にもなれば、クリケットにもなる。ルールを自分で考えるのは、楽しい。
2014-07-28 07:12:17自らの身体運動が誘発されているルールを「外部」から見つめるのは、一つの「メタ認知」である。そのメタ認知に従って、ルールを設計、書き換えれば良い。自分自身の日常の中のルールに自覚的であること。メタ認知で、身体運動を設計することで、異なるアスリート空間が生み出されるのだ。
2014-07-28 07:13:46