完全番外編『間宮の過去』エンディング

ＴＲＰＧ狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

【艦隊これくしょん　二次創作　間宮の過去話】 【エンディング『　　　　　　　』開始】 【残り銃弾数：１】

ＴＲＰＧ狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

目が、醒める。 薄く開いた瞼の向こうで、窓とカーテン漉しに陽の光が入り込んでいる。 小鳥の鳴き声は無いが、時計を見るまでもない。朝のようだった。

とりあえず間宮さんはもう冬 @mamiya_AFS

@tiyodadayo んん…朝みたい。伊良湖？

ＴＲＰＧ狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

まぶたをこすりながら、身を起こす。 隣の布団へと、目線を移す。

ＴＲＰＧ狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

伊良湖はそこにいなかった。

ＴＲＰＧ狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

畳まれた布団。 畳まれた衣服。 赤いリボンが載せられているだけで。 誰もいなかった。

とりあえず間宮さんはもう冬 @mamiya_AFS

@tiyodadayo え…伊良湖…？

ＴＲＰＧ狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

見回してみても、妹の姿は無い。 ざわつく。胸が。 下の階にいるのだろうか。あるいはトイレかもしれない。 縋る。否定する自分の中の声を無視する。 お気に入りで常に着けていたリボンが、どうして畳まれているのか。 その意味が。 違う。 そんなわけがない。

とりあえず間宮さんはもう冬 @mamiya_AFS

@tiyodadayo …嘘。だって、いなくならないって昨日…。伊良湖、どこ！？伊良湖！

ＴＲＰＧ狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

呼ぶ。叫ぶ。 布団を押しのけ、襖を開き、階段を駆け降りる。 呼ぶ。伊良湖を。 居間。いない。 台所。いない。 呼ぶ。妹の名を。 浴室、トイレ。いない。 いない。どこにも、いない。 伊良湖が、どこにも、いない。

とりあえず間宮さんはもう冬 @mamiya_AFS

@tiyodadayo どこへ行ったの…伊良湖…

ＴＲＰＧ狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

パジャマのままで、玄関を押し開く。 夏の日差しの中、一人の人影がそこにいた。 家の前の道の真ん中で、空を見上げていた。

とりあえず間宮さんはもう冬 @mamiya_AFS

@tiyodadayo あなたは…！

天城 @amagisane

おはよ。

ＴＲＰＧ狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

間宮の声に、キャップをかぶった少女が振り返る。 黒いポニーテールが揺れた。

ＴＲＰＧ狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

左右を見渡すも、他に人の姿は無い。 どこまでも広がっているんじゃないかと錯覚する程の田舎の風景が広がるだけで、誰の姿も見える事は無い。 伊良湖が、いない。

とりあえず間宮さんはもう冬 @mamiya_AFS

@amagisane どこへ連れて行ったんです…。あなたなんでしょう？伊良湖をどこへ…！

ＴＲＰＧ狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

感情に任せて、叫ぶ。 相手の表情は、これっぽっちも動きはしなかった。

天城 @amagisane

@mamiya_AFS 殺した。燃やした。埋めた。以上。

とりあえず間宮さんはもう冬 @mamiya_AFS

@amagisane ……意味がわかりません。何を言ってるですか？

天城 @amagisane

@mamiya_AFS そう頼まれたからね。 ちなみに埋めた場所も教えないよ。そう頼まれているから。

ＴＲＰＧ狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

淡々と抑揚無く告げられる。 その全てが意味を持たない。いや、意味を持つ事を拒んでいる。理解する事をしたくない。 手が震えた。足が震えた。唇が震えた。 現実から色が抜け落ちていく。

とりあえず間宮さんはもう冬 @mamiya_AFS

@amagisane …あはは、嘘ですね。だって昨日、いなくならないって言ってくれたんですよ。なのに…そんなわけないじゃないですか

天城 @amagisane

@mamiya_AFS ……。 いなくなってないだろ？　間宮が忘れない限りは。 受け入れないのは勝手だよ。そこまでは頼まれてないもの。

ＴＲＰＧ狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

日差しが、暑い。 眩しい。 もう意味を持たないけれど。