フランス女性誌史 ~ Le Petit Echo de la Modeを通して
日本の服飾研究誌に大きな影響を及ぼしたフランスの雑誌にLe Jardin des Modesがあるのだが、その前身は L'Illustration des Modes(モード画報)という名称だった。 pic.twitter.com/yJTA5OsVks
2014-09-21 02:35:01もともとはL'Illustration(画報)という雑誌の別冊で、著名なジャーナリスト、Lucien Vogelが編集責任者であった。その後、Vogueの発行者Condé Nastが発行するようになり、Le Jardin des Modesと名称をあらためた。
2014-09-21 02:37:34通巻の号数はL'Illustration des modesから数えられている。たとえば1924年5月15日号は通巻58号となっている。表紙にはVogelとNastの両方の名が見える。 pic.twitter.com/bqIQSOKhTY
2014-09-21 02:39:50まあ、なんだかんだでフランスでも20世紀の女性誌とくに服飾系ではVogueの存在感がダントツで大きいのだが、古いVogueは古書市場でもなかなか入手できないのが悲しい。1960年代のはたまに見かけるが、とにかく高いので手が出ない。
2014-09-21 02:41:01第二次大戦前のLe Jardin des Modesはbi-mensuelだった。1932年まではイラスト表紙だった模様。 pic.twitter.com/qZLtaG3ZkS
2014-09-21 02:42:40第二次大戦前の雑誌とはいえやはりセンスの良さが出ている。写真は1934年1月15日号だが、Vogueのスタジオで撮影された写真とクレジットされている。 pic.twitter.com/Z2AcTHehHa
2014-09-21 02:44:23第二次大戦の影響で1940年か41年に休刊、戦後の復刊は46年か47年あたり。詳細は調べているところだが、手元の現物で戦後最初のは1949年1月号(戦後は月刊)。 pic.twitter.com/4xcZEQuHWv
2014-09-21 02:49:17一部を見ただけでの感想だが、1930年代後半に比べて戦後はちょっと「庶民的」になった感じがする。たとえばさきほどの1949年の号と1937年2月15日号あたりを比べてみると……。 pic.twitter.com/ucOMT2dbC2
2014-09-21 02:51:21それでもEcho de la Modeなど実用商業女性誌に比べると、垢抜けっぷりはまるで違いますね。たとえばこれは1953年8月号だけど同時期のELLEよりもファッショナブルな感じがする。 pic.twitter.com/1wpZNwOCTY
2014-09-21 02:55:54しかし残念ながら1968年の五月革命後の女性誌暗黒時代でJardin des Modesも迷走してしまう。この1969年7月号など、ちょっと安っぽい感じになってしまっている。 pic.twitter.com/r7xC1zk0Hh
2014-09-21 02:57:46@massa27 1932年つまり戦前だから許された配色、とか考えてしまいました。 その後マダムグレがナチス占領下で敢えてトリコロールコレクションを発表したエピソードに惚れてカボシャールを愛用してた時期がありますゆえ。
2014-09-21 02:59:35@namancha イラスト表紙と写真表紙の移行はけっこうややこしいようです。印刷技術の問題もあるんですが、他の雑誌でも一気に切り替わった感じではないんですよねえ。
2014-09-21 03:01:55で、経営不振でひとたび休刊となり、1977年にガラリを姿を変えて復活します。B4サイズに近い巨大雑誌となりました。画像だと大きさはわからないと思うけど、これは1979年12月号です。表紙はナスターシャ・キンスキー! pic.twitter.com/9EZ4KI4U7S
2014-09-21 02:59:381980年代でも洒落た感じは保ちつつも、あの大きさなので頁数は少なく、雑誌としては物足りない感じがしてしまう。これは手元でいちばん新しい号で復刊88号にあたる1985年7月号です。 pic.twitter.com/xEDu9fHaDc
2014-09-21 03:04:22Jardin des Modesの最終号が出たのは1997年のようです。そのあたりのロットがこのあいだeBayに出品されてたのだけど、うっかり入札し忘れてしまった(涙
2014-09-21 03:05:43雑誌にしてもなんにしても歴史を細々と調べるのは、要するに本質的な変化あるいは転換点が、いつどこでどのような形で顕在化したのかを知るため。さまざまなコンテキストの交通整理といってもいい。「いま」のポジショニングに不可欠な土台になるわけだよな。
2014-09-21 03:25:38