たらればさんの『PSYCHO=PASS サイコパス』考察

タイトルの通りです。 ご存じたらればさん@tarareba722が呟かれた、アニメ『PSYCHO=PASS サイコパス』の感想と考察のまとめです。 (※第二期もまとめるので目下継続中)
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たられば @tarareba722

⑪槇島さんが最終話で「どんな才能もスペアが見つかる、どんな関係でも取り替えが効く」と言っているのは、このシビュラの「塗りつぶし」のことです。だからこそ彼は徹頭徹尾「痛い」とか「気持ちいい」とか「怖い」という、体感的な感情にこだわってきたんですね。「この痛み」は代替不能ですから。

2014-09-28 14:19:27
たられば @tarareba722

⑫私は本作のテーマを「組織と個人」と思ってます。シビュラは常守さんを「(シビュラから見て)健康かつ強靱なサイコパス、明晰な頭脳と判断力、それにシビュラへの感情的評価と懐疑を持つ貴方を懐柔できれば、社会の統制を次の段階へ進められる」と評します。これ、槇島さんの代わりってことですね。

2014-09-28 14:20:30
たられば @tarareba722

⑬シビュラシステム(組織)は常に個人を「代替可能な組織の一部」としか見ませんが、槇島さんは「個人が個人であると求め続けることだけが、人が人たる由縁だ」と考えていたのではないでしょうか。もちろん「文学」も、極めてすぐれて個人的な体験のひとつですし。続いて「仕掛け」の意味について。

2014-09-28 14:20:48
たられば @tarareba722

⑭作品に配置された考察の余地を、私達は「作者からの目くばせ」として受け取ります。セリフでない、ト書きでもない、舞台上の役者がふと客席に送った視線。それを見つけた者は「このメッセージは(それをメッセージだと理解した)私だけに送られたものだ」という幸福な誤解に包まれる資格を得ます。

2014-09-28 14:21:17
たられば @tarareba722

⑮さらにまた、こうした「余地」は、余地であること自体が重要でもあります。明確に描かれた物語は「ただひとつの解釈」しか許しませんが、「目くばせ」のような「余地」の物語は、視聴者に無限の解釈可能性を許します。それは作品からの問いかけであり囁きかけであり、ラブコールなのです。

2014-09-28 14:21:34
たられば @tarareba722

もうちょいで終わるからねー! ⑳までで終わります! ほんとごめん!

2014-09-28 14:22:10
たられば @tarareba722

⑯より多くの「解釈」を受け入れる物語とは何か。時に理不尽で、不可解で、苦労が報われず、善と悪が溶け合い、受け取った側が考えざるを得ない物語。エヴァ、進撃、まどマギ、それは昨今の優れた物語作品に見られる特徴であり、また神話や童話、新旧聖書を代表とする啓典の多くに見られる特徴です。

2014-09-28 14:22:31
たられば @tarareba722

⑰なぜオイディプスは目の前のブタを見てすぐに(魔法で代えられた)部下だと気付いたのでしょう。なぜ神はアベルの供物には喜び、カインの供物は無視したのでしょう。なぜ乙姫は意地悪な土産を浦島に渡したのでしょう。答えは記されていません。だからこそ我々は再びその物語のページをめくります。

2014-09-28 14:22:51
たられば @tarareba722

⑱こうした文学的な装置は、世界中の物語の中に見つけられます。なぜそのような「正解のない問い」が私たちの前にあるのか。ある種の問いは、「答えがあること」よりも「ないこと」によって、私たちの知性や好奇心を昂進させるから、という考えを私は持っています。by内田樹さん。

2014-09-28 14:23:04
たられば @tarareba722

⑲閑話休題。『サイコパス』の話でした。「もっと知りたい」と思わせる装置としての「目くばせ」は、つまり我々の欲望を喚起するスイッチとして機能します。六合塚さんと唐之杜さんの「百合ップル」は、狡噛さんと槇島さんの「あり得べきもう一つの姿」だったのではないか。答えはもちろんありません。

2014-09-28 14:23:21
たられば @tarareba722

⑳私達に選べる道はひとつです。作品を愛し、悩み、語り合うことですね。これは、「貴方のことをもっと知りたい」という言葉は恋の告白として機能するけれど、「貴方のことはすべてわかった」は別れの言葉と受け取られるのと同じだと思います。以上、ご拝読ありがとうございました。二期楽しみです。

2014-09-28 14:23:45
たられば @tarareba722

燃え尽きたぜ……。。。それと、槇島さん、何気に撃ち殺される直接的なシーンも死体の描写もないんですよね。どうしたんだろう。二期に出てくるのかな。10月9日からでしたっけか。いずれにせよ、さて次は何を見ようかナーと考え中です。

2014-09-28 14:31:07
たられば @tarareba722

『サイコパス』最終話の「仕掛け」、一つ書き忘れていました。スタッフロール中に雑賀教授が局長室に座る場面が差し挟まれています。後ろ姿だけワンショット。このマフラーは間違いありません。つまり雑賀教授もシビュラシステムとグルだったんですね。 pic.twitter.com/KDl3rp3wmw

2014-09-28 16:12:38
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日向煉@ぼちぼち育成中。 @ren_hyuga

@tarareba722 こんにちは、サイコパス大好きで考察も興味深く拝読いたしました。雑賀教授はシビュラとグルではないと考えています。小説版のみでの描写ですが、教授宅から出ていく際、咬噛「公安局から取引があったら、のってください(略)」雑賀「…心を読まれたような気分だ。」(続)

2014-09-28 16:40:46
日向煉@ぼちぼち育成中。 @ren_hyuga

@tarareba722 (続き)というのがありますので、最終回EDでの局長室での局長と教授の描写はそれではないかと考えています。…すみません、雑賀教授大好きなので、多分に私情が入っております。2期でこの辺にも触れてもらえるといいかなと思います。

2014-09-28 16:44:02
たられば @tarareba722

@ren_hyuga おお、小説版にはそのような描写があるのですね。大変参考になりました。二期のキービジュアルにも登場しているので登場機会は多そうですし、そこらへんの設定も解明されそうですね。いろいろな解釈があったほうが楽しいですし、私情は入れば入っただけ楽しいですよー。

2014-09-28 16:53:34