#完全ノープラン艦これ与太話 【ライジング・コメット・ダイバーダウン】 #3~#4

ニンジャスレイヤーをリスペクト重点した艦これファンジンSSです。 暗黒メガコーポ登場。 #1~#2: http://togetter.com/li/727514 続きを読む
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春魔解丼 @vespiking

●●●●●●●●●●●● #KZNPLN

2014-10-12 07:57:48
春魔解丼 @vespiking

#完全ノープラン艦これ与太話 【ライジング・コメット・ダイバーダウン】 #3 #KZNPLN

2014-10-12 07:58:23
春魔解丼 @vespiking

陸軍式の装飾が施された新装の執務室。本棚には黒く分厚いハードカバー洋書が並び、ブードゥーめいた怪しげな文言やセイシンテキ紋様が背表紙に並ぶ。軍事学と宗教学の第二次キメラめいた薄暗い一室に、死人めいた特殊船の青い顔が白く浮かぶ。「首尾は?」 #KZNPLN

2014-10-12 08:06:08
春魔解丼 @vespiking

絶対勝利の証、フラッグ・オブ・ニシキを羽織った妖精が羅針盤上で最敬礼し、報告した。「交渉は難航中です」「そうでありますか」特殊船はニタニタと不愉快な笑顔を崩さない。「自分は別に、誰でも良いと考えているであります。選定基準は、大将殿に一任したい。協力は惜しまない」 #KZNPLN

2014-10-12 08:10:39
春魔解丼 @vespiking

「イエ、司令長官のお手を煩わせるまでもなく。タモンとキッカワで充分です」「そうでありますか」丙型特殊船、司令長官あきつ丸はキイキイと背凭れを鳴らし、豪華な椅子を弄ぶ。「では、その件は任せる。イヤハヤ、やる事が山積みでしてな。故大淀閣下は実際有能だった」 #KZNPLN

2014-10-12 08:14:59
春魔解丼 @vespiking

「中将。『レクイエム』の動向は」あきつ丸はくるりと椅子を一回転したのち、机に肘をついて赤髪の駆逐艦へと向き直った。「筑摩、熊野らと複数回の交戦記録あり。いずれも我が軍の損害軽微。敵艦の損害も軽微」「つまるところ進捗なしでありますな。平和で結構」「まあ、そうですね」 #KZNPLN

2014-10-12 08:20:44
春魔解丼 @vespiking

赤髪の駆逐艦はあからさまな呆れ顔を作り、そののち普段の仏頂面に戻った。この女には無意味だと判断したからだ。「そういえば、ビスマルク殿は何処へ」「オミナント警備社へ」「アッハハ、そうでありますか!」あきつ丸は手を叩いて笑った。駆逐艦は面倒そうに大欠伸をした。 #KZNPLN

2014-10-12 08:25:25
春魔解丼 @vespiking

「『三本柱』の最後の一本。まあ、期待はさほどしていない。オミナントは最も細き柱であるゆえ。霧島中将と『スチールオーガン』で十二分だ」「後者、御し切れてませんけどね」駆逐艦は冷ややかに吐き捨てた。「どうするんですか。ロケットは。まさかマイヅルから上げる気ですか?」 #KZNPLN

2014-10-12 08:31:00
春魔解丼 @vespiking

「まあ、そこは、なるようになる」「なりませんよ。アホですか司令長官は」「アッハッハ!」あきつ丸の拍手が、さらに音量を上げる。「とかく今は、目下の難題へ注力すべし。我等に仇なす勢力は3つ。『レクイエム』『冥王の艦隊』『ドゲザ魔人』これらの排除にこそ尽力せよ」「ヤー」 #KZNPLN

2014-10-12 08:40:11
春魔解丼 @vespiking

赤髪の駆逐艦、マックスは気だるそうに返事をし、半端な敬礼をしたのち執務室を出た。彼女の退室を待ち、マントの妖精は奥ゆかしく敬礼した(陸軍式の正式な所作だ)。「では私も、失礼致します」「ウム。羅針盤四天王の再建、楽しみにしているでありますよ。マスターケツイ=サン」 #KZNPLN

2014-10-12 08:44:35
春魔解丼 @vespiking

オミナント警備。ネオヨコスカより遥か北方。イナカの奥ゆかしさを残す中国地方に居を構える、巨大民間警備会社である。警備会社の体裁をとる同社であるが、その実態は寧ろPMC(民間軍事企業)に近い。大型の工廠を保有し、『大日本帝国軍事工学の三本柱』の一と称される。 #KZNPLN

2014-10-12 08:49:23
春魔解丼 @vespiking

小規模鎮守府に匹敵する港湾基地であるオミナント本社は、かつてドサンコが敵国であった平安時代にそのルーツを持ち、民営化した今なお北方の軍事展開に大きな影響を与えている。だが巨大PMC、暗黒メガコーポとしてのオミナントを知る民間人は実際少ない。 #KZNPLN

2014-10-12 08:55:34
春魔解丼 @vespiking

形骸化した日本政府に代わり、ドサンコの裏社会に独自の軍事的影響力を持つオミナントにとって、帝国軍との連携はシリアスなビズだ。交渉下手なビスマルクは苛立ちを隠せないでいた。「要求を具体的に提示して欲しいわ。まずはそこからよ」「エー、そう仰られてもデスネー」 #KZNPLN

2014-10-12 08:59:04
春魔解丼 @vespiking

「あなたたち、独逸帝国とも軍事連携しているでしょう。それもこれも、私達の同盟締結のお陰なのよ。少しは恩に着てほしいわ」「エー、ごもっともデスネー」サラリマン妖精の返答は要領を得ない。論点を有耶無耶にする日本式クレーム対処メソッドだ。 #KZNPLN

2014-10-12 09:03:47
春魔解丼 @vespiking

その時だった。サラリマンの無線機がコールしたのは。「シツレイ」「ドーゾ」「どうした。私は今忙しい……エッ?大本営、アーセナルから来訪?今その話で……エッ違う?陸爆の技術提供?……エー、通しなさい。ともかく話を聞け。すぐそちらへ向かう」 #KZNPLN

2014-10-12 09:06:40
春魔解丼 @vespiking

サラリマン妖精はとりいそぎビスマルクを応接室に押し込め、エントランスに向かった。だだ広いスペースの中央で、カラテ拘束される不審妖精が喚いている。「アッ、バンダウ=サン。ドーモ」「ドーモ。状況を説明しなさい」「あれが来訪者です。アーセナル技術者を名乗っている」 #KZNPLN

2014-10-13 08:07:57
春魔解丼 @vespiking

「ドーモ。オミナント警備のバンダウです」サラリマン妖精バンダウは警戒しながら、奥ゆかしく名刺を差し出した。この妖精は何者か?オミナントは暗黒メガコーポである。大本営直々の交渉ならば、ビスマルクのように将官クラスが出向いてくる可能性が高い。大本営もそれを承知の筈。 #KZNPLN

2014-10-13 08:13:57
春魔解丼 @vespiking

「離してくれ。おれはヨコスカアーセナル所属、クーギショ陸爆開発部門のテラだ。怪しい者じゃない」金髪の妖精はじたばたともがく。バンダウは手持ちの全画面式UNIX端末を操作し、大本営の公開所属リストをずらずらと流した。本来は遺族が戦死者を確認するためのシステムだ。 #KZNPLN

2014-10-13 08:19:13
春魔解丼 @vespiking

「ウーム、データベースにも名前はある。生存している軍人の名だ。直近の参加プロジェクトは?」「深山の開発に関わった。主に発動機まわりの設計を担当している」「……登録情報とも符合する。IDパスは」「これだ」カラテ護衛妖精は乱暴にパスを受け取った。「偽造形跡なし。離せ」 #KZNPLN

2014-10-13 08:23:41
春魔解丼 @vespiking

「ドーモシツレイシマシタ!」カラテ護衛妖精は一斉にドゲザした。「やっと信じてくれたか。イカン・ノ・キワミ!……まあいい。あんたがお偉いさんか」解放されたテラは不遜に言い放った。「シツレイをご容赦願いたい。なにぶん秘密は絶対だ。リスクは完全排除する」「頼もしい事だ」 #KZNPLN

2014-10-13 08:28:23
春魔解丼 @vespiking

「改めて。私はバンダウ。残念だが私はお偉いさんには程遠い、しがない中間管理職だ。オミナントの中枢からみれば、ノミかダニに等しい。だが、対外交渉は任されている。話を聞きたい」バンダウはテラを応接室へと案内した。ある種の賭けだ。扉を開けたテラは飛び上がった。 #KZNPLN

2014-10-13 08:32:18