- kaizer_6525
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三月ひらり🍆
@mitsukihirari
力強く弾かれた反動で、身体が蹌踉めく。それでも、鈴谷は怒らなかった。なにも言わず、悲しそうな目で笑うだけ。そこには自分がしてしまった、取り返しのつかない出来事を思い返すような、そんな感情が滲んでいた。
2014-10-18 03:49:38
三月ひらり🍆
@mitsukihirari
「……私、帰るね。ごめん、邪魔しちゃって。もう、二度来ないから。私の我儘に付き合わせて、ごめん」こんな素直に話せるのに、どうしてあの時はなにも言えなかったのか。ぐじり、と胸が疼く。
2014-10-18 03:51:36
三月ひらり🍆
@mitsukihirari
「じゃあね」別れの挨拶もなく、鈴谷の去りゆく背中を見つめる。なにも言えず、なにもできず。ただ残ったのは、言いえれぬ不信感だけ。それを振り払うように、顔を叩き、気分を変える。
2014-10-18 03:53:37
三月ひらり🍆
@mitsukihirari
あの時の幸せな時間は、偽物ではなかった。確かに、感じられた温もりだった。恋仲じゃなくてもいい。友人のような関係でいい。
2014-10-18 04:00:39
三月ひらり🍆
@mitsukihirari
なら、今伝えることは、なんなのだろう。まだ見える背中を追って、目が動く。また、笑われるかもしれない。そんな恐怖が、胸を締め付ける。正直、若い女性は苦手になっていた彼にとって、それは非常に勇気のいる決断だった。
2014-10-18 04:02:40
三月ひらり🍆
@mitsukihirari
「また、また来い。もしかしたら、また、また話ができるかもしれない。まだ、わからないけど、お前にそんな気があるのなら!」
2014-10-18 04:05:32