奏でる言の葉 Part2

奏@ティーポットを探して彷徨う @ainamlc

@nayu178 なゆさんのひみつを教えてあげようか？夜の闇のなかでこっそり彼女の瞳を見つめてご覧、まばたきするたびサラサラと光が舞うのが見えるから。長いまつげの先には恋のひかりが宿るから、彼女はその目でたくさんの恋を結ぶのさ。 #捏造特殊能力

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@aiko189090 青空に手をかざすと、アイコさんの指先はリボンのようにほどけた。驚く僕の前で彼女は朗らかに笑う。「私の右手、今日はどんなお土産を持ち帰るのかしら？」おろされた腕には何食わぬ顔の右手が、眠る蝶々を守っていた。 #捏造特殊能力

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@himitaconan ひみたこさんのジャケットの内ポケットからは、時々みたこともないしっぽや羽がのぞく。気付いて目を輝かせる子供たちに、彼女は人差し指をたてて片目を瞑る。慌てて口元を抑える彼らは、彼女の手のひらこそがとおい異世界に繋がっていることを知らない。#捏造特殊能力

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@kaicho_okocha どこからか綿毛が飛んだ。「おや、珍しい」呟くと、かいちょさんはびくりと身体をゆらす。ふわふわと今度は空色の綿毛。「…？」首を捻る僕の前、慌てた顔で開いた口からぽかり、橙の大きな綿毛。「なるほど、あなたでしたか」二人の間を黄色が舞う。 #捏造特殊能力

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@miyabi_joker 彼の零す言葉はポロポロとそのまま文字になって、自由気ままに白紙に収まった。語る言葉と綴る言葉がまるで違う意味になってしまうと嘆くみやびさんの一番の悩みは、お気に入りのペンにまったく活躍の機会がこないことだとため息をつく。 #捏造特殊能力

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@sideronium 彼は眼鏡の奥に虹色に渦巻く虹彩を隠していた。ふいにだれかの思い出を映しだす、スライダーさんの不思議な瞳。「世界がやさしくあればいい、っていつも思うよ」とてもとても優しいひとの、その一言にはきっとたくさんのひとの願いが込められている。 #捏造特殊能力

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@halhilo 骨を模した象牙のステッキを振って、彼は意味ありげに笑う。「今、どんな魔法を使ったと思う？」わからないな、と答えながら口をつけたエールはとんでもなく甘くて、思わず咳き込んだ。「…はるひろっ！」いい年齢をした悪戯っ子がけらけらと笑う。 #捏造特殊能力

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@shiba_s15 ホロホロと落し物の続く道。陽光を受けて淡く鳴るそれは、頑張り屋で芯の強い少女が零した種の跡。風に戦ぐなみだいろの鈴蘭が、さらさらと控えめに鳴る。鈴蘭に薄紅のリボンを結んで、僕は立ち上がった。君たちの声が、しばちゃんにまで届きますように。 #捏造特殊能力

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@sarasasol 軽く壁を蹴りつけると、シリングさんは慣性の法則に従って滑らかに空を滑っていく。重力法則は鮮やかに無視。「ところで、どこに行くんだっけ？」「羽つき猫を探しに行く、と」「あぁ！どこだろうね、猫。そのうち出て来るかな」雀が闖入者に驚いて羽ばたいた。 #捏造特殊能力

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@sakananana 咳込むたびにととさんの口元からは鉱石が零れた。蛍石、眠水晶、海白硝。話す相手の不安を、祈りを、移しとって取り出す奇跡。「では、君の祈りは？」君だけが不安を吐き出せないまま、優しいひとは哀しげに微笑む。 #捏造特殊能力

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@rinken1979 リンさんは足音を立てずに歩く。薄氷の上すら無頓着だ。訝しげな僕に、彼は澄ました顔で足をあげた。まったく磨り減っていない靴底。「僕はね、地面を踏んだことがないんです」片足立ちのはずの彼の靴は、ほんのわずか、宙に浮いて止まっていた。 #捏造特殊能力

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@sonekamone 全く当たらないと評判の失せ物探しがいる。けれども彼への依頼は途切れない。「ちゃっきーには秘密があるんだよ」腰の曲がった老婆が囁く。失せ物に宿る心を語る彼の口から溢れるのは、大抵は感謝と別れの挨拶だという。#捏造特殊能力

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@yuuki__san ゆうきさんは肘に紺碧の海を固めたような鱗を持っている。宝石飾りのようにも見えるそれを鱗と断じるのは、彼が水の中をとても自由に泳ぐからだ。息苦しくならないのかと尋ねたら、彼はきょとんと瞬きをした。そんなこと、思いもつかないような顔で。 #捏造特殊能力

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@lamuneirol 背中を覆う銀色の見事な刺青は、実は生まれつきなのだと、彼女は口元に人差し指を立てた。じわりと滲む光は一対の翅に、背の銀色は跡形もなく。「たまには出してやらないと、飛び方を忘れてしまうでしょ？」窓から飛び立つなまさんを、僕はぽかんと見送った。 #捏造特殊能力

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@nekosuki6 赤銅色の爪がカチカチと鳴る。「今日は爪なんですね？」「気まぐれに付き合うのは慣れてるよ」身体に銅を飼うアンディさんは、子供の悪戯に付き合う鷹揚さだ。銅は気まぐれで、首、瞳、臍だったこともあると笑う。声につられてか、爪先が楽しげに光った。 #捏造特殊能力

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@GraKuma ふぅ、息を吹掛けると景色が絵画のように剥がれ落ちた。八手と葵の同居する不思議な風景。「ぐらくまさんには世界はこんなふうに見えてるの？」「見たいものを見逃したくないんだ」くるりと巻いて鞄の中へ。重ねられた巻物たちにはどんな景色が終われているのだろう。#捏造特殊能力

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@syuou1 しゅおうさんの指先が宙をなぞると、銀色の線がするすると伸びた。蔓草のようにのびやかに、鳥の軌跡より自由に、幻の線路を手のひらよりも小さな汽車が行く。「旅立ちなら祝わなくてはね」それでも少しだけ寂しそうに、見送る瞳は慈愛に満ちて。 #捏造特殊能力

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@yuhyuh_f ゆーすけさんの太ももにはぐるりと煙が巻きついている。掴めないのに消えることはなく、剥がそうと躍起になる人間を嘲笑うように、生意気にもぷかりと小さな輪を吐いた。「腹立つなぁ！」「いや、結構面白いよ。な？」ぷかり、今度は煙の飛行機が飛ぶ。 #捏造特殊能力

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@ubiquitous2112 小さな頃、花降らしという御伽話を聞いたことがある。「こんにちは、ゆびこさん」空色のペンダントを下げた少女が機嫌よさげに散歩している。スキップするのを見送って、足元に落ちてきた花々をそっと拾い上げるのはこの街の暗黙の了解だった。 #捏造特殊能力

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@shiroikumo0924 「新顔さんですか？」ヒロさんに声をかけると、首元を飾る花は翠玉の花弁を恥ずかしげに俯けた。どうやら新顔はハニカミ屋らしい。「昨日咲いたばかりなの」宝石を咲かせる魔法の使い手は、台座だけの指輪を嵌めた手で花びらを撫でた。 #捏造特殊能力

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@Mukku1105 背中から樹が生えていた。たぶん樫の一種だ。頭上に広がる枝には小鳥がぴぃぴぃと平和に囀る。「重くないの？」「産まれた時からの付き合いだしなぁ」朝食のトーストを小鳥に分け与えながらむっくさんが言う。「寝転がって青空を見てみたい、とは思うけど」#捏造特殊能力

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@tnb808 旨い物を食べると顎が外れるんですよ、と困った顔で彼は言う。そうなんですか、とシチューを掬いながら僕。「やぁ、このシチューは絶品ですな！」声が終わらない内にガチャン、と派手な音がして顔を上げると、田辺さんがシチューに落ちた顎を救出するところだった。 #捏造特殊能力

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@toshie1984 羽根つき帽の娘さんは、羽より鮮やかなマーブルの髪をしていた。「今日は晴れのち虹だよ！」天気で髪色の代わる彼女だから、きっとその予報は当たるだろう。「それから、時々、恋日和？」からかうと、としえ嬢は頬と毛先をあっという間にピンクに染めた。#捏造特殊能力

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@rin_0426 迷子の毛玉を連れた夫婦に会った。船を漕ぐ毛玉を肩に乗せたくみさんは歌うように話すので、心地よい子守唄を聴くように皆はすっかり寝入ってしまう。「どうやって起きてるんです？」「彼女と話せるのに寝てる暇なんてないだろう？」旦那さんはウインクひとつ。 #捏造特殊能力

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@winter25Go 待ち侘びた季節が過ぎるのを数えて、忙しなく時計の針が回る。タニーの時計台は過去と未来を行ったり来たり。「春が恋しいの？」過去を早回しして、未来に戻り、秋茜の葉に埋れて季節番が途方に暮れていた。時間は動かせても季節を巡らせることはできないと。 #捏造特殊能力