奏でる言の葉 Part2

奏@ティーポットを探して彷徨う @ainamlc

@sozokobo38 人が眠れそうなほど大きなものから小指の爪よりなお小さなものまで、二枚貝の片方だけが床を埋め尽くす。「これは預かり物なんだよ」忘れ貝の片割れ、押し出された記憶の受け皿。みやさんは自分の過去を探して、誰かの見えない思い出を並べた。 #捏造特殊能力

奏@ティーポットを探して彷徨う @ainamlc

@yUKaR1012 彼女は見るからに明るく活動的な笑顔で僕に手を振る。「今度は何を捕まえたんです？」ゆかりさんの耳元でチリチリと発光する耳飾り、雫型のペンダントには魚の影がゆらゆら映る。「雷と雨の水底をね」彼女は天気を捕まえるのがいっとう上手かった。 #捏造特殊能力

奏@ティーポットを探して彷徨う @ainamlc

@akkycom ぱらりと頁を繰る手は止まず、若葉色のノートを前にあっきーさんは難しい顔。「何て書いてあるんですか？」文字も絵もない帳面を掲げ、「100年後に完結する物語の最終章。どういう序章だったのかさっぱりだ」それは難解ですね、と途方もない未来を思った。 #捏造特殊能力

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@masa770419 湖面を潜るように、彼は鏡面をくぐった。「こんばんは」意味ありげに笑うマーサさんがどちらの彼なのか見分けるには時間を尋ねるといい。「2時16分だよ」「また入れ替わってる！」反対回りの秒針が、向こう側の彼だと教えてくれるから。 #捏造特殊能力

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@tic_tac_toe_ めれるさんとすれ違った。「今度はどちらへ？」「ちょっとそこまで、かな？」彼の足はひどく負けず嫌いだ。「頭に血が上ってしまう前に帰ってきてくださいね」歩けない所などないと言いたげに、逆さまの視界で天井を踏みしめて、めれるさんが頷いた。 #捏造特殊能力