３人に１人がエイズに感染しているといわれる南部アフリカの王国スワジランドについて三浦英之記者の呟き。

三浦英之　「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

①アフリカに着任し、いくつかのテーマを取材した。その一つが、３人に１人がエイズに感染しているといわれる南部アフリカの王国スワジランドだ。一夫多妻制という固有の文化と風習を持つ「アフリカ最後の古王国」は、世界で最も感染率が高いとされる絶対王政国家でもある

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②取材初日、王宮に全土から少女や未婚女性らが長さ３メートルの「リード」と呼ばれるアシを持って行進してきた。その数、約８万人。裸の上半身で「今こそ王家に集う時」と歌う。王家への忠誠を示すため年１度開かれる「リードダンス」と呼ばれる祭りだ pic.twitter.com/adVPJgHAyN

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（久しぶりにツイッターを使おうと思ったのですが、アフリカだと通信状況が悪くてうまく写真や文章が送れない。断念するかもしれません・・・）

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③女性たちは王宮にアシを献上した後、観客席の国王ムスワティ３世（４６）の前で踊りを披露する。終盤には国王も競技場に下り、駆け足で女性たちを見て回る。女性たちが熱狂するのは、国王が毎年のように、この祭りで新たな妃を選んできたからだ pic.twitter.com/sH94efTBx0

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④一夫多妻制が残るスワジランドで国王の妻は１４人。この国王、西欧や近隣諸国からはすこぶる評判が悪い。自国は最貧国の一つだが、自家用ジェットで海外を飛び回り、妻同伴で豪遊の限りを尽くしていると報じられている。自国では英雄の「裸の王様」。 pic.twitter.com/1MkY3u6rR5

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⑤最大の悪政はエイズだ。政府統計によると成人（１８～４９歳）の感染率は３１％。３０～３４歳女性では５４％、３５～３９歳男性では４７％に上る。男性は交際女性や性交渉の数を誇り、避妊やＨＩＶ検査を軽蔑する。レイプや家庭内暴力が後を絶たない pic.twitter.com/uB492bdvdI

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⑥国王はコンドームの使用や不特定多数との性交渉を控えるよう呼びかけるが、専門家たちは「茶番だ」と笑う。「自らは毎年のように１０代の妻をめとっている」。リードダンスは処女であることが参加条件なので、コンドームの配布さえはばかられてしまう pic.twitter.com/yN2hcTC5vZ

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⑦取材後、宿の近くで夕食を取っていると、どう見ても１０代の少女が隣に座った。「１００ドルでいいよ」。断ると「じゃあ、５０ドル」。店員は見て見ぬふりをしている。「エイズじゃないよ」と証明書のような紙まで見せてくる。 pic.twitter.com/byQ4lvQ1m5

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⑧医師のサインがあるが、本物かどうかはわからない。私に脈がないことがわかると、隣の白人の席に移っていった。「彼女たちは身を売らないと、生活していけないのです」と店員が言った。エイズの蔓延で孤児になる子どもが相次いでいるという。 pic.twitter.com/emnCgBxaNk

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⑨「文化」とは難しい。エキゾチックという言葉は多分に西洋からの好奇の視線を含んでいる。絶対王政が崩壊し、民主政治が台頭すれば、古王国は消滅するだろう。それを惜しいと文化人は言う。私に答えはないけれど、スワジランドで少し悩んだ（終） pic.twitter.com/tqkD4NnH77

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