ニュースにならないが知らなければならない世界の現実

三浦英之記者(朝日新聞アフリカ特派員)@miura_hideyuki による貴重なルポルタージュ。パリ、欧州だけじゃない。日本ではほとんど報道されないが、これが見落とされがちな世界の過酷な現実。
国際 紛争 貧困 人権 アフリカ
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内戦にも遭遇。現地で衣料メーカーを経営する大阪出身の「ウガンダの父」こと柏田雄一氏 東アフリカの国、ウガンダ
三浦英之 小学館賞「牙」発売 @miura_hideyuki
①今日はアフリカで頑張っている日本人の話を。東アフリカのウガンダで衣料メーカーを経営し、「ウガンダの父」と呼ばれる柏田雄一さん(83) pic.twitter.com/bA2SXSO1m9
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②大阪生まれ、大阪育ち。大阪外大を卒業し、入社した衣料メーカーで社長に呼ばれた。「ウガンダというアフリカの国で我が社のシャツがバカ売れしとる。灼熱の大地で裸の黒人がなんでシャツなんて買うんや。お前、ちょっと行って見てきてくれんか?」
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③時代は1950年代末。日本人の多くが「アフリカにはサバンナが広がり、黒人がヤリを持って動物を追いかけている」と信じ込んでいた(今でもそうかもしれないけれど)。柏田さんは何度も飛行機を乗り継いでウガンダに渡った。空港について驚いた。
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④「暑いどころか寒かった」。高原に位置するウガンダの平均気温は23度。第二次世界大戦中には英国が首都をウガンダに移そうかと考えたほど、緑豊かな冷涼国だった。空港から首都へは真っ黒な舗装道路が延びていた。「こりゃ、大阪よりも進んでいるわ」。当時英国領で人々は英国式の暮らしをしていた
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⑤柏田さんはウガンダで現地政府と日本企業との合弁会社を設立。現地人125人とシャツ作りを始めた。ウガンダ人は手先が器用で、礼節を重んじる。操業が徐々に軌道に乗り始めた1962年、国内にクーデターが起きた pic.twitter.com/B5hMkZf6Pp
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⑥反乱軍の将校が社長室に乗り込んできて、銃口を向けて「工場前に工員を集めろ」と命じた。工員を虐殺されると思い、とっさに広場の支柱にたなびく日の丸を指さして言った。「わかった、でもちょっち聞いてくれ。君たち、あれは何の旗だと思う?」。将校は応えた。「知らん、コカコーラか?」
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⑦柏田さんは吹き出した。すると反乱軍もつられて一瞬吹き出したという。「違うわい、コカコーラは赤丸のなかに『コカコーラ』って書いてあるやろ。あれはジャパンという国の国旗や。東洋の島国がウガンダまで来て必死にこの国の外貨獲得のために頑張っとる。そんな工場を君たちはつぶそうとするかい」
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⑧大阪流のジョークによって、社長室の緊張が緩み、将校たちは銃口を下ろして工員を一人も殺さずに工場を去った。それだけではない。工場が反乱軍の襲撃を受けないよう、将校は兵士に工場を守らせている。逸話は工員の口から市民へと伝わり、いつしか柏田さんは「ウガンダの父」と呼ばれるようになった
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⑨その後、戦争や紛争がある度に、柏田さんは身を挺して工員や工場を守った。「ウガンダ人は大阪人に似て情が厚い。私が職場や雇用を必死で守ろうとすると、工員たちは命がけで私の家や家族を守ってくれた」。そんな会社は来年で50年を迎える。 pic.twitter.com/9DWbbLQW7B
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⑨会社のシャツは「ヤマト」のタグがつけられ、かつてはウガンダの多くの学校の制服が「ヤマト」製だった。人々は「ヤマト」を着て学び、「ヤマト」を着て就職した。ところが2000年に入り状況が変わる。「ヤマポ」や「トマト」といった超安価な模造品が出回り始める。多くが中国製だった
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⑪3年前に妻が他界し、今は一人でウガンダに暮らす。そんな「強がって生きる」柏田さんが私はどこかまぶしく見えた。生きることはつらく厳しい。それでも柏田さんは「苦労が多ければ多いほど人生は実り多きものになる」と言った。今、83歳。軟弱には私にはそんな人生は選べない
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⑫柏田さん、ウガンダに立ち寄った際にはまたお邪魔します。そして少しでも「強がって」生きれるように頑張ってみます。何でも頭で考えない、困ったときには素直に人に助けてもらう。良い勉強になりました。くれぐれもお体にお気をつけて(終わり) pic.twitter.com/NSfjribh0K
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貧困の中の希望 81歳の日本人シスター兼助産師 アフリカ南東、インド洋西部の島国マダガスカル
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① 今日はアフリカの島国マダガスカルで助産師を続ける牧野幸江さん。笑顔がステキな81歳 pic.twitter.com/ur9hZs6WY9
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③ 実は京都の厳しい仏教徒の家庭に育った。看護学校時代、先輩に誘われてカトリック教会に通い始め、親に内緒で洗礼を受けた。以後、シスター兼助産師として東京、札幌、台湾などに赴いた。多い日には1日8件、計約1万件の出産に立ち会ってきた pic.twitter.com/rR1K9pa9BB
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④ 初めてマダガスカルに派遣されたのは1979年。麻酔なしの切開手術、使い捨て注射器の再利用。へその緒は裁縫用の糸で縛った。基本的な医薬品も乏しく、日本では生き延びる未熟児が当たり前のように死んでいく pic.twitter.com/Gd86FFZQG2
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⑤ 体調を崩し、3年後に日本に帰国した。東京の病院を定年退職した94年、再び医療過疎地のアンツィラベに戻った。「私が一番必要とされていた場所、それがマダガスカルだったから」。今も6畳一間の宿舎に暮らし、若い助産師たちの指導に当たる pic.twitter.com/UZdbRqgpYu
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⑥熟練者の技術の見るのは心躍る。「ほおら、大丈夫。泣かないで」。乳児にそっと手を触れ、日本語で語りかけると、マダガスカル人の母子に笑顔が戻る。「言葉なんて関係ないの。赤ちゃんは人の表情を見てるんだから」。まるで魔法のようにも見える pic.twitter.com/pWtuC30AiM
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⑥ 趣味は「人助け」だと言った。「他人に喜んでもらえて、自分も温かな気持ちになれる。おせっかいなおばあちゃん。そんな風に思ってくれたら、どんなに幸せなことでしょう」 pic.twitter.com/V3yTyGWeIR
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⑧ マダガスカルの自然が好き。「自然のなかで生まれ、自然の中で死んでいく。それが一番人間らしいと私は思うの」。産院の渡り廊下。木々の向こうに教会と山並みが見える。その穏やかな風景の中で両手を合わせる牧野さんは1枚の絵だった(おわり) pic.twitter.com/wLKkX4x04S
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混乱した政治、今も続く部族対立。内戦と大量虐殺・ジェノサイドの暗い過去 中央アフリカの国ブルンジ
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①アフリカ中部ブルンジに危機が訪れている。軍がクーデターを起こすのではないかと予想され、数万人の市民が都市部などから脱出し始めている。内戦終結以来の大規模な政治的混乱。民族衝突に発展するとの懸念も出ている。首都ブジュンブラからの報告 pic.twitter.com/wMW29QBW2f
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②きっかけは6月に予定されている大統領選だ。憲法や和平合意は大統領の任期を2期までと定めているが、与党は現在2期目のヌクルンジザ大統領を3期目となる大統領選の候補者に指名。これに市民が大反発した pic.twitter.com/TO3mqaEv0v
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③与党は「大統領は1期目は議会に選出されている。民選大統領としてはもう1期可能だ」と主張。市民は机や廃車などで道路を封鎖し、警官隊に「3期目の立候補は憲法違反だ」「大統領の私利私欲でこの国の民主主義を壊すな」と訴えている pic.twitter.com/goJz26pIVS
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コメント

せい@孤独な雨 @tarotaro2007 2015年11月20日
ソレト/ハルブレ村の主婦がすごい美人なので驚いた。美人国エチオピアに近い国なのかな? 国の現状は、まるで江戸時代の日本の農村のようだ。1日一食食べられればいい方で、みんな栄養不足、子供は多くが7才までに死ぬ。性病(今はエイズ、昔の日本は梅毒)が流行っている
娑婆助 @shabasuke 2015年11月20日
日本の報道機関が報道しない日本の現実、日本の若者の死因TOPは自殺(先進国最上位)、少子高齢化で青天井に上がる税負担、若者への過酷な労働要求、対価と合わない低賃金、シルバー民主主義の台頭、結果的に広がり続ける格差社会、非婚化、少子化、貧困化。SEXして子供作ったり、性病にかかったり、エイズになれるのは生活に余裕のある証拠。日本の若者にはそんな余裕すらありません。なぜならSEXしたり性病にかかる前に自殺する人が多いからです。自国民に目を向けない報道等無価値に等しい。
seidou_system @seidou_system 2015年11月20日
何よりかにより必要なのは「有能で善良な支配者」なんだろうけども、それって外国の人間が仕立て上げるべきものではないからなあ。外国がそれを仕立て上げたら、外国に侵略されたのと同じことだからな。
京都ねこ@本クレクレ @nekodaisukimyaw 2015年11月21日
欧米で数人テロで死ぬと大騒ぎだが、中東やアフリカではこういう事がもう数十年も続いてるのよね…心ある人達は日本でも発信し続けているが、それでも埋もれがち
Mill=O=Wisp @millowisp 2015年11月21日
素晴らしいツイート群なのだが、ところどころ「アフリカと関係なく挟まれる朝日っぽい思想」が垣間見える点だけが残念
言葉使い @tennteke 2015年11月21日
アフリカの問題は、知れば知るほど何も言えなくなる悲惨さだからね。「白人のアフリカ支配は酷いものだったけど、自然保護や動物保護は真剣にやっていた。独立後のアフリカでは乱伐乱獲が酷くて」という書いていたのはC.W. ニコル「バーナード・リーチの日時計」(1982年)で、私が読んだときは「アフリカを救え!」の掛け声とともに「We are the world」が大流行していたときでした。
言葉使い @tennteke 2015年11月21日
何より知っておかないといけないのは、アフリカには個人財産という概念が無いエリアと、個人概念しか無い・公共の概念が無いというエリアが混在していて、テーマにするエリアはどっちなのか、ということだと思う。あるいは権力者は個人財産や一族の財産を大事にするだろうけど民衆はどっちか、とか。
言葉使い @tennteke 2015年11月21日
私が見た経済番組では銀行員が「個人財産が無いエリアは担保がとれないから融資が出来ない」と言っていたし、別の井戸掘りボランティア番組では「特定の誰かが所有しているわけではない土地に掘った井戸は管理する人がいなくてすぐダメになり、試掘のため個人の家の中に掘った井戸は、その家の人が大事に大事に使っていた」というシーンがあった。アフリカって極端が混在するから一概には言えない。
富士見野男 @yasu43851374 2015年11月21日
アフリカで30人死亡→1分たらずのnewsで終わり アメリカで10人死亡→連日のように大騒ぎ これが現実
シュガー市民@黄泉の国のマルキスト @SugarCivil 2015年11月21日
知る必要なし。結局、汚いものを見たくない、日本に入れたくない、手を汚したくない。世界平和のために祈り、紛争地で妥協する人たちを悪人と罵り、雲の上の神官たろうとする。
源八 @gen_pati 2015年11月21日
可哀そうだなーと思うけど彼らが豊かになる為のパイを奪っているから自分たちが豊かなのかもとも考えちゃうね
亜山 雪 @ayamasets 2015年11月22日
ゴリラは温厚な動物なんだよ。
脳内がエロで埋まっている白痴のネトウヨ @dokuman3 2015年11月22日
3期目の大統領選は、国民が選挙結果でNOを突きつけるのが好ましいんだろうけど、そうもいかないんだろうなぁ。
ぼんじゅ〜る・Fカップ @France_syoin 2015年11月22日
殺し合いさせとけよw好きなんだからwそれとも黒人ではまともな支配できないから白人様に支配してもらえってかw
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