【アイドル・ポリス26】#3

アイドルとマッポ。イベント重点。メダルがなかなか集まりません。 #4→ http://togetter.com/li/741931
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ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

厚い雲越しの月光が埠頭を気だるげに照らす。寂れた港は波に浸食されるままに朽ち果てていた。しかし、この夜はそれだけではなかった。潮風に混じり鼻をつく硝煙の香り。激しい銃撃音。「あらあら~、すっかり追い詰められちゃったわ~。モモコ=サンどうしましょう~?」

2014-11-01 23:10:07
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

まったく緊迫感を伴わない口調で頬に手を添えたのは、39課のマッポ、アズサ・ミウラだ。『暴走女神』と恐れられる彼女にカーレースを挑んで無事だった犯人はいない。そして巻き込まれた民間人は数知れず。「ちょっと!アズサ=サン!モモコのことはボスって呼んでって言ったでしょ!それに…」

2014-11-01 23:15:07
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

小柄な片割れが打ち捨てられた船舶の陰から二挺拳銃で撃ち返す。「少しは反撃手伝ってよ!」彼女はモモコ・スオウ。39課の実質リーダーだ。『リトルタイガー』はその名に恥じない猛勇ぶりを発揮している。彼女たちは巷を騒がす強盗団を埠頭にて検挙し、見事な逮捕劇を披露するはずだった。

2014-11-01 23:20:08
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

だが、どこから情報が漏れたか、強盗団はマッポの襲撃に備えており、マッポコンビは危機的状況に陥った。「ハイヨロコンデ~!モ…ボス、今チヅル=サンに応援要請しましたから、あと少しガンバルゾ~!オ~!」アズサは身を乗り出して発砲した。銃口は見事に真上を向き、弾は音速で雲の彼方へ消えた。

2014-11-01 23:25:04
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

その銃弾を目で追い、シホはまた暗い港を俯瞰した。彼女は廃船の傍のクレーンの頂上に佇んでいる。状況はアンナが案じた通りだ。強盗団はその実クローンヤクザ、即ちハイデッカーと闇の繋がりがあると見てよいだろう。『うちのボスを助けて』アンナは今日のガサ入れ情報が漏洩していると心配した。

2014-11-01 23:30:08
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

シホは承諾した。マッポに良い感情はないが、彼女達は一応の義理は通した。悪人ばかりではない。その敵がハイデッカーなら尚更だ。リトルタイガーは健闘しているが、二人に対し相手は十数人。モータルの身には重すぎるだろう。ではシホなら?考えるまでもない。カラテだ。シホは宙に身を投げた。

2014-11-01 23:35:07
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

「ザッケンナコラ―!」「スッゾコラー!」銃声とヤクザスラングが近づいて来る。モモコのリボルバーがカチカチと虚しい音を立てる。アウト・オブ・アモーだ。「チィーッ!チヅル=サンはまだ!?」弾倉を装填し吼える。アズサは通信機を確認したが、首を横に振った。「スッゾコラー!」「ッ!?」

2014-11-01 23:40:08
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

強盗団員の一人が刃物を手に、銃弾の雨の中を駆け込んできた!真っ当な精神の持ち主では有り得ない自殺行為!だがモモコは不意を突かれた。両者の距離はタタミ3枚、モモコの銃は引き金を引いたばかり。銃弾が男を掠めるが突進は止まらない!「モモコ=サン!」アズサのフォローは間に合わない!

2014-11-01 23:45:08
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

「アバーッ!?」「アイエエエ!」モモコは頭を抱え蹲り、衝撃に耐えた。「アバーッ!?」「ザッケンナアバーッ!」「グワーッ!?」「…エ?」モモコは恐る恐る顔を上げた。自身に負傷はない。あの刃物男はすぐ傍で絶命していた。頭部を銃弾で砕かれて。「…ナンデ」闇にぼんやりと白い輝きが浮かぶ。

2014-11-01 23:50:10
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

そこにいるのは一人の少女。その顔は白いマフラーに覆われて窺えない。だが、何故か、モモコには見覚えがある気がした。「あなたは…」「イヤーッ!」少女は両手の拳銃を放ち、次々に強盗団員を仕留めていく。超人的な動き!その時、港の入口に一台のパトカーが停車した。降りてきたのは3人のマッポ!

2014-11-01 23:55:12
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

「ドーモ、皆さん!助太刀に来ましたわ!」「ねえねえ、次回作に手を着けないでこんなのやってていいの?ねえねえ!」「レイカ=サン…何言ってるの…?」チヅル、レイカ、そしてアンナの到着により、マッポ達が勢いを増す。アンナは視界の端に飛び上がる影を見つけ、感謝を込めて小さくオジギした。

2014-11-02 00:00:06
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

……倉庫の屋根に飛び移ったシホは油断なくカラテ警戒した。ここから明らかな敵意を察知したのだ。果たして、錆びた煙突の陰から何者かが姿を現した。「あーあー、困るでー自分。私らの計画をぶち壊さんといてーな」トレンチコートにソフト帽を被ったその少女もまた…アイドル!

2014-11-02 00:05:04
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

「ドーモ、クイックドローです」刑事めいたアイドル装束を纏った少女は手を合わせてオジギし、アイサツした。

2014-11-02 00:10:07
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

【アイドル・ポリス26】#3 終わり。#4 に続く

2014-11-02 00:15:07