『スリーピング・ビューティ・イン・ネオサイタマ』

劇場版アイドルマスター公開一周年特別企画。アイドルと眠り姫。
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ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

ドーモ、オハヨウゴザイマス。ヘッズ志保です。皆さんは『一周年』と聞いて何を連想しますか?ニンジャ洞察力をお持ちの方ならお気付きになられたはずです。……そう、先日、私も出演した劇場版アイドルマスターが公開から一周年を迎えました。メデタイ!

2015-01-26 12:07:33
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

「ニンジャナンデ?」そう思われた方もいらっしゃるでしょう。ですが落ち着いて映像再生して頂きたい。冒頭の劇中劇、そこに秘められた真実をあなたも感じ取ったはずだ。カラテ…ジツ…アイドル……それは私に、アイドルとニンジャを結び付けさせるのに実際十分でした

2015-01-26 12:11:34
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

……今晩放送するプログラムは、私が劇場にて01宇宙旅行めいた神秘的アイドル神話NRSを引き起こし、激しい動揺に震えながら無意識的に断片的描写をしてきた物語です。残念ながら完成させることは出来ませんが、その一部を公開したいと思います。備えよう

2015-01-26 12:17:24
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

◆祝◆劇場版アイドルマスター公開一周年◆祭◆

2015-01-26 21:10:07
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

ウシミツ・アワー。ネオサイタマの夜にイクサの狼煙が次々に上がる。路上を人々が逃げ惑う中、シホ・キタザワは並ぶビルの上を飛ぶように駆けていた。遥か遠くで爆発音が響き、建物が纏めて崩壊した。シホはそのケオスの中心を目指し走る。そこに会わねばならない人物がいる。彼女の師が。

2015-01-26 21:25:06
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

彼女の身を包むのはパレス・オブ・ドラゴン。伝説的アイドルユニット『リューグー・コマチ』の一員である証。センパイ達もリツコからのノーティスを受けて現場へと急行していることだろう。今日こそは手を掴んで見せる。シホの目に強い光が宿る。その時、彼女のアイドル第六感が危機を告げた。

2015-01-26 21:30:07
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

「イヤーッ!」その場で側転回避ムーブメントを行うと、一瞬前までシホがいた地点に青く光るサイリウムダートが突き刺さった。そして前方に立ち塞がる影。暗がりから歩み出したのは、黒いゴシックなアイドル装束の三人組。堂々と姿を現した少女達が手を合わせアイサツする。「リン・シブヤ」

2015-01-26 21:35:07
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

「ナオ・カミヤ」「カレン・ホージョー」そして声を合わせオジギした。「「「ドーモ、トライアドプリムスです」」」シホが目を見張り、忌々しそうに唸る。「…水瀬財閥」それは彼女達の胸元のエンブレムの意味する所であり、離反した師が立てたクランの名でもある。「ドーモ、シホ・キタザワです」

2015-01-26 21:40:08
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

「ボスからの命令でね。あそこにあんたを近付けるなってさ」ナオが未だ火の手の上がる街を見た。「アブナイだから、サンシタアイドルはお家に帰れだって」カレンが茶化す。その目には嗜虐的な色が宿る。「どうしてもっていうならアタシ達を倒すんだね」シホはさりげなく端末の表示を見た。

2015-01-26 21:45:07
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

「…無駄だよ」リンが口を開いた。「アンタのとこのセンパイは、うちのが相手してるから」それはつまり、かつてはクランを同じくした者たちが互いに争っていることを意味する。「もうこのイクサに私達の出番はないよ。それでも闘うの?」「私はあの人に会う。それだけよ」リンは溜息を吐いた。

2015-01-26 21:50:09
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

「それじゃあ、仕方ないね」リンが首に手を当てると、即座にカレンがダッシュした。「タイガー・ウェア・フォックスが生意気を!本物のタツジンに勝てるとでも!?」ワン・インチに迫ったカレンがチョップ突きを放つ!「イイイイイヤアアアアアアア!」恐るべきシャウトが轟き、カレンが宙を舞った。

2015-01-26 21:55:06
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

「ンアーッ!?」轟風に煽られたシホの髪が踊る。姿無きアンブッシュに吹き飛ばされたカレンはアイドルバランス感覚で見事に着地した。「ナニヤツ!?」誰何の声が響くと、隣接ビルから二つの影が飛んだ。シホの前に降り立ったのは二人のアイドル。「……貴女達」シホは唖然と二人の顔を見比べた。

2015-01-26 22:00:15
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

「ドーモ、シズカ・モガミです」「ドーモ、カナ・ヤブキです」二人の胸元に輝く『百万輝星』のエンブレム。「…ナンデ」「イヤーッ!」「ンアーッ!」シズカの指がシホの額を弾いた。「バカ!一人で飛び出してって、リツコ=サンの連絡が間に合わなかったらどうなっていたか…!」「助けてなんて…」

2015-01-26 22:05:05
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

「イヤーッ!」「ンアーッ!?」カナの指がシホの額を弾いた。目を瞬くシホを見つめ、カナははにかみ笑った。「えへへっ。なんとなく」シホとシズカの緊張したアトモスフィアが緩和する。「…とにかく」シズカがトライアドを目で示す。「あの人達をどうにかするんでしょ?」「…そうね」

2015-01-26 22:10:09
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

「皆が心配してるから、さっさと済ませて帰りましょう。私達の劇場に」「…私は」「ダイジョブだよシホ=サン。皆で、皆で帰ろう。ね」カナが拳を突き出す。彼女達は軽く打ち付け合い、ライバルに向き直った。シホの顔からは焦燥が抜けている。「「「ドーモ、ミリオンスターズです」」」

2015-01-26 22:15:02
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

「イヤーッ!」マコトの放った突きが乗用車を直撃し紙屑めいて吹き飛ばした。そこからやや離れた所に出現したアイドルの帽子にドラゴンのエンブレムが宿る。その胸は豊満であった。「アズサ=サン!逃げてばかりじゃ勝ち目はないよ!」アズサにジゴクめいた蹴りが襲い掛かる。だが既に彼女の姿はない。

2015-01-26 22:20:23
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

「あらあら~、でも私には、マコト=サンと闘う理由なんてないもの~」困ったように頬に手を当てるアズサにマコトは苦笑した。「相変わらずだなあ。アズサ=サンは」その上空では、双子のアイドルが巨大なハンマーをぶつけ合った。「そうだよ!なんでアミと闘わなきゃいけないの!?」

2015-01-26 22:25:03
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

「分かんないよ!でも…」マミが泣き出しそうに顔を歪めて得物を振るう。「イオリンがそうしろって!」倒壊する建物を避けながらマコトとアズサは道路を駆ける。「ユキホ=サンとヤヨイ=サンは?」「リツコの所に行ったよ。イクサじゃない、ただの牽制さ」「何の為に?」「イヤーッ!」

2015-01-26 22:30:10
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

鋭い蹴りが空振りする。背後に出現したアズサはそのまま逃走を図るが、瞬時にマコトに追いつかれジツを行使出来ない。「ミキはイオリが捕まえる。その為にボクらはナムコから離反した」「私達を守る為に?」「そうだよ。イオリは全部そのつもりだ。何もかも背負うんだ。全ての罪罰を」

2015-01-26 22:35:04
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

装束に光るエンブレム。「皆を連れ戻してくれるって、ボクは信じるんだ。イオリのことを!」マコトの全身にカラテが漲る。可視化されたエネルギーが陽炎めいて立ち昇る。「だから、ここは通さない!」

2015-01-26 22:40:07
ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

「そう、私はそのつもりでした」高層ビルの頂上から銀髪のアイドルが四人のイクサを俯瞰している。「しかしこうも思うのです。彼女がより高みを目指すというのなら、それを邪魔することこそ無粋なのでは、と」タカネは隣で腰掛け、足を揺する少女に問い掛けた。「貴女はどう思うのですか?ヒビキ」

2015-01-26 22:45:07