『スリーピング・ビューティ・イン・ネオサイタマ』

ニンジャヘッズの北沢志保bot @heads_shihobot

目を伏せるヒビキはぶらぶらと足を振っていたが、ややあって答えた。「分かんない」「そうですか」「……でも、独りは寂しいぞ…」「…そうですね。独りは寂しいものです」タカネは呟いて天を見上げた。痩せたネオサイタマの月が見下ろしている。

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…………「…ア…アア…」淫靡な水音。イオリのだらしなく開いた口元から熱い吐息が漏れる。彼女はぐったりと頭を預け体を微かに痙攣させていた。目に涙を浮かべてせめても抵抗を試みるが、その手は爪を立てるも相手の背を虚しく掻くだけだった。それはあたかも抱擁のようにも見え、少女は嗤った。

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金の少女―ミキはイオリの首筋から口を離した。歯形から滴る血を舌で舐め取る。イオリがビクリと震えるが、カラテを吸い取られた彼女には何の力もない。一時的ではあるが。何にせよミキにとっては休憩時間の余興でしかない。ミキはアサクサ・スゴイタカイタワーの足元で見渡した。そのケオスを。

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荒廃したナカミセ・ストリートでは壊れた電飾がバチバチと音を鳴らしていた。目に映る全ての店が崩壊し地面は抉れている。その様はハリケーンが通り過ぎたかのようだ。その真ん中に、暗蒼の少女が俯せに倒れていた。チハヤ・キサラギだ。アイドル装束はズタズタに切り裂かれている。動かない。

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「なーんかつまんないの」ミキはイオリを抱き締めながら呟いた。イオリはされるがままである。「チハヤ＝サンもデコチャンもつまんないことばーっかり。折角のオマツリなんだよ？もっと楽しむの」ミキはイオリの向きを変え、地に伏すチハヤが見える様に抱えた。ミキの笑みが酷薄なものに変わる。

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「…ねえ、いつまで寝てるの？また、大切なモノ失くしちゃうよ？」ミキの右手に緑色の輝きが灯り、イオリの首筋に伸ばされた。イオリは抵抗出来ない。復讐者は動かない。生きているかすら定かではないのだ。「早く起きてよ。もっと遊ぼうなの。ねえ、いつからそんなに弱くなったの？………ハルカ」

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……ザリッ。チハヤの指が土を削る。深淵から這い出るように顔を上げた少女の目は、おお、ゴウランガ！その両目はジゴクのサイリウムめいた赤い光を灯している！「AAARGARRR！」恐ろしい咆哮を上げチハヤが起き上がる！イオリが恐怖に目を見開いた！だが様子がおかしい！「VAAAAAA！」

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チハヤが高々と吼えると、青い装束の下から真紅のリボンが飛び出しチハヤの体に巻き付いた！ナムサン！これは一体！？リボンは意思を持つ炎めいて装束に絡み付き一体化し、腕に巻き付いたそれは紅蓮に燃え上がる！そして両目からは血の涙を流し始めた！「GRAAAAA！」

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ナムアミダブツ！ミキの顔に喜色が踊る。「オハヨ、ハルカ。それじゃあ始めようなの」ミキの手元が超常的な力に歪み、長大な鎌を生み出した。赤く濁ったチハヤは前傾姿勢の今にも飛び掛からんとする獣めいてカラテを構えた。「さあ、輝くステージの開幕なの！」

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『スリーピング・ビューティ・イン・ネオサイタマ』未

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『ネオサイタマの眠り姫』、如何だったでしょうか？私はこれからも油断なく行為するでしょう。ニンジャ…アイドル……ニューワールドオダー……