【アナ雪】アナとチビ九尾エルサ(2-1)【パロ】

万屋和風愉菓子店@絶滅種のポンデ @yorozuya753

「あー……？」 なんか夢を見ていた気がするけど、なんか覚えてない。ゴロっと寝返りを打つと、脇腹に冷たい感触を感じて、ちょっぴり意識が覚醒する。ぼんやりした視界でそこを見るとシーツが濡れていた。 「なにこれ？」 指を這わすと酷く冷たい。あたしはシーツに出来た染みを数瞬眺めてから、

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「……おねしょ？」 これについて思い当たる現象を口にしてみる。いやー、でも有り得ないでしょ。あたしこれでも22歳なのよ？ （夏がきたらもう一個年取るけど。なんか二十歳越えると誕生日ってあんまり嬉しくなくなるわよね～） ぼんやりした頭でぼんやりうだうだ考える。

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あたしがおねしょとか考えられないし身に覚えがなさ過ぎるし下着とか汚れてないし、そうするとおねしょしたのはエルサちゃん？　ってあの子検査とかで８才っていう結果が出てるわけで。８才の子がおねしょするとか考えにくいわよ。あ、でもこの家のお手洗いの場所とか教えてないし。

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（あれ？　ってか、エルサちゃんどこ？） もそもそと起き上ってベッドの上を眺める。もふもふの尻尾のあの子はベッドのどこにも見当たらなかった。寝たりなくて全然目覚めない脳味噌でもう一度冷たい謎の染みをよくよく見てみると、端々に氷の破片が散っていた。 「……おねしょじゃないわね、これ」

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なんとなく謎は解決。でもこの染みを作ったのはエルサに間違いないらしい。あたしは寝癖で爆発している頭をガリガリ掻いて半分しか空いてない視界でエルサを探す。すると窓の近くのカーテンがもこっとしてるのを見付けた。 「ん～？」 ベッドからのそのそ降りてそこへ行く。

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そっとカーテンをどけると、尻尾をぎゅっと抱き締めて丸まってるという格好で寝ているエルサがいた。また尻尾の先端を噛んでいる。やっぱクセなのかな、これ。 「なんでこんなとこで寝てんの？」 ふぁ～っと欠伸をしながらそっと抱き上げる。

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軽いカラダはまだ疲れが取れ切ってない寝起きのあたしでも簡単に持ち上がった。エルサの口が不満そうにもにょもにょ動くけど、抱っこして背中をよしよししてあげると、むにゃむにゃしながら首に顔を埋めてくる。サラサラの髪とふにふにの耳がくすぐったい。

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お日様の光をたくさん浴びたっぽい小さなカラダはポカポカとあったかくて、良い匂いがして眠気をじんわりと誘ってきた。 日向ぼっこしてたら寝ちゃったのかなー、って呑気なことを思いながら、あたしはエルサと一緒にベッドに戻る。

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ポカポカのちっちゃな体をぎゅっと抱き締めて、ふにふにの耳とふわふわの髪に鼻を埋める。子供ってどっか甘い匂いがするのは、なんでなのかな。 エルサはもぞもぞ身動ぎをして、あたしの鎖骨辺りにほっぺたをくっ付けて来て。僅かに開いた口から小さな舌を出してペロペロと一回、二回、数回。

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「ふっ、ふふっ……くすぐったいってば……」 ぽかぽかの眠気に襲われながらどうしようもないくすぐったさに襲われて、つい笑い声が漏れる。よしよしと頭と背中を撫でると、舌をチロっと出したまま穏やかな寝息が聞こえてきた。 （あー、なにそれかわいい～）

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すぴすぴ眠る仔キツネさんの愛らしい寝顔を写メんなきゃっていう使命感を感じてるのに、もう体が完全に休眠モードで動けない。ついでにもう瞼も開けてらんない。 あたしは「ふへへ」とかいう自分でも気持ち悪いと思う声を漏らして、小さな日向を抱き締めたまま夢の中へ旅立った。 * * *

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* * * 次に起きた時には時刻はおやつの時間を過ぎたくらいだった。なんで起きたのかっていったら、原因はお腹が空いたから。もう本能に忠実過ぎでしょ。動物かってーの。で、半分くらい動物な筈のエルサちゃんは、あたしの腕の中でまだスピスピ寝てた。

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そういえばあたしさっき一回起きたっけ。日向ぼっこしてたエルサちゃんを連れてベットに戻ったんだわ。 胸の中で眠るエルサのほっぺをそっと撫でる。なんか安心しているような寝顔。純粋に嬉しくて、胸の奥がきゅぅっとした。頬が緩んじゃってだらしない顔でエルサの頭を撫でていると、

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くぅんっと甘えた鳴き声を微かに漏らして身動ぎを一つ。すんすん胸元に擦り寄って来て、小さな手が服の端っこをちょこんっと掴んで来て……あぁ、なんかもうすっごい嬉しい。可愛過ぎなんですけど。幸せなんですけど。くぅ～、もう、どうしようこれ！

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感極まって思わずエルサの頭にすりすりを頬擦りしちゃう。サラサラふわふわでお日様の匂いがして、幸せ感がさらに募ってく。もう麻薬ね、これ。 「エルサ……」 きゅぅーっと抱き締めると『あぁ、良かった』って、そんな想いが体の底からじわじわ湧き上がった。

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何が良かったとか上手く答えられないけれど、でもなんだかそう思ったのよ。この腕の中にこの子がいる事が、心底良かったって思ったの。 子供特有の甘い匂いとエルサの体温を感じながら、まどろむように噛み締める。暫くの間そうしてると、お腹が最終警告のようにぐぅ～っと鳴った。

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（はぁ～。なんでこうも空気が読めないのよ、あたしのお腹……） まぁ、昨日はあんだけ動いて夕ご飯なしだったんだから仕方ない。でもあたしはこんなにお腹減ってるのに、エルサちゃんはどうなの？すぴすぴ寝ちゃってて可愛いけど。お腹減らないのかな、この子。それとも燃費がすこぶる良いとか？

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（いくら燃費良くても、そんなガリガリじゃダメでしょ） ほそっこい腕を撫でる。手首とか細過ぎて、あたしの指を巻き付けるとものすごい余る。ゲルダかお母様に栄養のあるものをたくさん作って貰おうって思いながら、小さな手の平の中に指を這わす。手の平を撫でるとなんかふにふした感触がした。

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（ん……？） そういえば手の平をじっくり触ったことなんて無かった。手はたくさん繋いだけど、エルサの手を全体的に包むみたいにして繋いでたし、エルサは指先でおずおずとしか触れて来なかったから。だからエルサの手の平にはあんまり触ってなかったんだって知った。

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指が緩く丸まった手。寝ている赤ちゃんみたいな形。薄い手の平に触れると骨と皮の感触。だけど指の付け根の下辺り、掌でいう上の方（なんていうんだっけ？四指基底部とかそんなんだったような……）は、やけにふにふにし感触がした。

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よく観察してみると、そこの四指の間辺りに丸いようなお肉の形がうぅ～っすらと三つくらい見えるような……。そしてこの感触。なんかに似てる。絶対になんかに似てる。あたしは糖分不足の脳味噌をフル回転させて記憶内を検索。そして思い出した。

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（あ、わかった！これ猫の肉球に似てるんだわ！って、肉球ぅぅ！？） だけど思い当たった事実に自分で面食らったわ。 （ちょっ、エルサちゃん肉球あったの！？え、これ本当に肉球！？や、でもこのふにっとした柔らかい感触は……うん。間違いなく肉球だわ。しかも猫のだわ。犬のはもっと硬いもんね）

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うわぁー、でも肉球あるとか……すっごいふにふにしてるんですけど。あー、これ気持ち良い～♪ キツネなのに猫の感触がする肉球。その前に人間なんだけど！や～ん。手の平までキュートとかエルサちゃんったらホントぱないわっ！

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って空腹も忘れてふにふにしてたら、エルサちゃんは嫌がるように手をぎゅっと握って毛布の中に隠しちゃった。残念。まぁ、大抵の猫は肉球触られるの嫌がるもんね。 （いやいや、だからエルサちゃんは猫じゃなくて狐だってば） なんか変に思考がフワフワしてる自分にツッコミを入れて、上体を起こす。

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なんか変に浮かれ過ぎたわ。ちょっと反省しとこ。でもこんなに可愛くて大きな耳があって、もっふもふの尻尾が九本もあって、それに加えて肉球とか。そんな可愛いのフルコンボ喰らったら誰でも頭がウカレポンチになると思うのよね。あ！手の平に肉球あるってことは、足の裏にもあるの！？