視覚現象をめぐる科学、現象学、科学哲学

◆視覚システムが完全に理解されたならば、魂という魅力的な問題がもっと研究しやすくなるだろう(フランシス・クリック) ◆見るという行為の特定の側面がややこしく思えるのは、私たちが見るという行為全体がややこしいとは思っていないからだ(ルートウィヒ・ウィトゲンシュタイン) 『子供の科学』に寄せられたという質問の話から始まる心理学者・神経科学者による、歩くと頭が動くのに世界は静止して見えるという視覚現象およびその「説明」をめぐるやりとり
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shokou5 @shokou5

@fronori そういう こたえを する 哲学者も いるかもしれないけれど,ぼくみたいな こたえを する 哲学者も いるでしょう.つまり 哲学とか 科学とかいう 区分が 問題では ないと おもいます.

2014-11-11 01:53:59
Tetsuo Ishikawa @fronori

.@shokou5 それはそうです。素朴な疑問に科学と哲学の区別がおそらくないように、回答が科学的か哲学的かという区分もたいして重要ではないですよね。質問者がどんな説明を期待しているかや、どんな説明に納得するかという違いはあるはずですが。

2014-11-11 02:03:07
Tetsuo Ishikawa @fronori

.@shokou5 やや粗い言い方ですが現象学が生理学にスーパーヴィーンするということを、Marr流やフリストンのPCモデルなど機能的(PCが機能的かどうかはよく存じませんが)なレベルで説明できるということですか?もしやPredictionは現象学であるとでもいう立場でしょうか?

2014-11-11 02:13:55
Tetsuo Ishikawa @fronori

.@shokou5 ここでの議論に説明ギャップを持ち出すべきでない、しかし現象学を排するわけでもない、さらに、「両者の ずれを 緻密に 対応させる」ことができる、というのはどういう方法なのだろう?そうかギャップなどないという立場の可能性もあるか。現象学の指してる対象が違うのかな?

2014-11-11 02:27:18
shokou5 @shokou5

.@fronori その ペアが なぜ 生じるのかは オープンにするというのが NCC の やりかたで,(Hohwy は どう いうか わからないけれど)予測コーディングも Marr も まずは その 範囲を 十全に 説明すれば よいわけです.

2014-11-11 08:27:56
shokou5 @shokou5

.@fronori 第二に,こどもの 問いは 合理的に 解釈すれば ハード・プロブレムではなく,まずは 易問に 関するものです.ハード・プロブレムは あらゆる 現象学に 対して 問うことが 可能で,特定の 経験に 関して 問いを たてることを 無意味にします.

2014-11-11 08:38:25
shokou5 @shokou5

.@fronori 要するに こどもは「自分であるとはどのようなことか」の 根源的な 説明を もとめては いません.易問に 対して 機能的な 説明を あたえるのは 現代も おこなわれている 通常の 科学的実践で,とわれていない 難問を もちこむのは 筋悪では?ということです.

2014-11-11 08:50:35
shokou5 @shokou5

.@fronori もちろん ハード・プロブレムに とりくむことは 実践として あって よいと おもいますが,易問と うまく きりわけを おこなわないと 科学が すすまないし,ハード・プロブレム提唱者の Chalmers の 意図に 反した 乱用に なるかと おもいます.

2014-11-11 09:00:08
Tetsuo Ishikawa @fronori

.@shokou5 MarrやNCCプログラムが科学の実践に有効な指針を与え、実際に数々の成果を上げてきたのは紛れもない事実です。驚異的な発展に目を見張りますし、それを子どもに説明するのは賛成です。それ以上でもそれ以下でもない説明を合理的と捉えるかどうかで意見が割れるようですね。

2014-11-11 12:25:48
Tetsuo Ishikawa @fronori

.@shokou5 解けた部分の外側にオープンエンドな問題がある(と考えている人がいる)こともあわせて同時に子どもに伝えるのが悪いことだとは私は思いません。説明できない部分を隠したり、見て見ぬ振りをするのは大人の癖です(子どもに不信感を与えたり不安がらせないためもあるでしょう)。

2014-11-11 12:26:59
Tetsuo Ishikawa @fronori

.@shokou5 それから、先ほどそれ以下と書いたのは優劣の意味ではなく、むしろギブソンの心理学的な説明が科学の機能的説明に比肩しないとは思わないということ。ある説明を別の観点やレベルから見たら不十分か説明たりえないのは当然で、逆からみても真で、説明が説明たる所以は相対的です。

2014-11-11 12:29:41
shokou5 @shokou5

.@fronori ハード・プロブレムが キャンセル・アウトされるか どうかは 意見の わかれる 問題ではないと おもったのですけれど….生理学の サイドにも,たとえば 分子以下の レベルから ニューロンの 挙動を 説明する 難問が あるけれど,これも キャンセル・アウトされる.

2014-11-11 20:31:38
shokou5 @shokou5

.@fronori だから 問いの 焦点を はなれたところに 難問は いくらでも ある.その どれかを えらんで さらなる 不思議に みちびくことは 魅力的ですが,問い そのものに こたえられたかどうかとは 別に 議論しなければならないと.それは きりわけであり 隠蔽ではなく.

2014-11-11 20:34:27
shokou5 @shokou5

.@fronori 不変項が ある,というのは こどもの 問いの 前提で,問いに 対する 説明には なっていない.ギブソンは 解くべき 問題を 明確化したのであって,説明したわけではない.問いに 相対的に この 点は 主張可能です.相対化の アンカーは まさに 問いでしょう.

2014-11-11 20:37:23
Tetsuo Ishikawa @fronori

.@shokou5 ギブソンは「解くべき 問題を 明確化した」、Marrやクリックとコッホは解き始める指針を与えた、Chalmersは解くのが難しい問題があると指摘した。問題を解いて解答を提示することだけが説明になるわけではないと思います。「説明」の指す意味がお互いに違うのかな。

2014-11-11 21:04:28
shokou5 @shokou5

.@fronori そうして 複数の レベルの ちがう 問題を 一緒に している かぎり 説明の 意味は かさならないかと.チャルマーズは 難問と 易問を ただしくも きりわけました.

2014-11-11 22:08:07
shokou5 @shokou5

.@fronori そして 前者は キャンセル・アウトされる.説明の 方法は いろいろ あることには 同意しますが,今回の 問いについて 後者を 解く 以上の ベターな 説明が あれば ご提案ください.

2014-11-11 22:08:43
Tetsuo Ishikawa @fronori

.@shokou5 最初に戻って恐縮なのですが、「不変項にも 階層性が ある」とは何を意図されたものだったのですか?深遠な意味がありそうだけれども、これは何の説明になっているのかなと戸惑いました。説明にならずとも、言葉を言い換えるだけでも新しい情報が付け加わることはありますよね。

2014-11-11 21:13:45
shokou5 @shokou5

.@fronori これは 深淵な つもりはなくて,予測コーディングの 実装の 話でした.上位層が 下位層を 予測し,上位層は 下位層からの 予測誤差で 調整される.トップダウンの 内容も 階層を なし,線分とか 物体とかよりも おそらく 上位に 世界の 不動性が 表現される.

2014-11-11 22:16:04
Tetsuo Ishikawa @fronori

.@shokou5 なるほど。トップダウンにも階層があると。前頭葉に、たとえばanterior-posterior軸方向で処理される抽象度の違いがあって階層性があるという話と関連がありますか?一番前まで行くとaPFCより前はもうないけど、トップのトップはどこから来るんでしょうね。

2014-11-12 03:57:35
shokou5 @shokou5

.@fronori 具体的な 言及は しりませんが,前頭葉の 階層も 関係づけられると おもいます.フリストンは 運動によって 予測誤差を 最小化する 能動的推論も くみこんでいるので,最上階問題は 回避しているのでは(ぼくは 知覚側しか 正確には 理解していません).

2014-11-12 04:33:45
Tetsuo Ishikawa @fronori

.@shokou5 もちろん、前まで行ったら、またぐるっと回って後ろに戻るので端の端がない心配は無用との見方もできますね。ちょうどreentrant処理とかreverberationなどと呼ばれるものが相当する例だと思います。その延長で飛躍するとオートポイエーシスとかどうですか?

2014-11-12 04:13:10
shokou5 @shokou5

.@fronori 脳の なかで 信号が まわっているというのは みんな 採用する 事実ですので,さまざまな 理論に つなげることは 可能かと おもいますが,連想ゲーム的になるのは 避けたいとおもいます.予測コーディングに そこまで コミットしているわけでも ありませんし.

2014-11-12 04:38:17
Tetsuo Ishikawa @fronori

.@shokou5 よかった。みんなが採用する「事実」までも慎重に再検討を加えてからでなければ前提にしてはならないわけではないと知り安心。PCや自由エネルギーが「連想ゲーム」ではないと言えるかどうかについては、不勉強ゆえ全く自信がありません。誰かの役に立つ作業仮説ではあるのかな。

2014-11-12 05:01:24
shokou5 @shokou5

.@fronori ぼくは なんらかの 理論自体が 連想ゲームか どうかについては 何も 主張していません.予測コーディングと 他の 理論との 接続,類似性について 連想を ひかえたいと いったつもりでした.フリストン自身は 結構 柔軟に 連想する タイプに みえます.

2014-11-12 05:07:59