紅鎮守府日記　7月22日～9月19日

戦争さん @RAKUNYA

「それで、どーするの？」 「ま、とりあえずは首都でしょ。というか、上陸許可が一日しかないから首都くらいしか行けないわよ」 「よーし、では首都に向けてレッツゴー！」 「あ、ちょっと待ちなさい！そっちじゃないから！！」 #紅鎮守府日記

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「というか奥行き2キロって……まさか徒歩で行けってわけじゃ……」 「交通網は完全整備されてるし、そのまま首都まで行ける電車はおろか、各地方に行ける空港も直結しているってガイドにはあったよ」 「さっすが本国……」 「防衛の要だしねー」 #紅鎮守府日記

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「らしいよ？高さ200メートル、幅5キロ、奥行き2キロの超巨大ドックだって」 「単位がキロ……」 「それ天守閣っていうかウォール○ーゼじゃん……進○の巨人か」 「なにそれ」 「古典資料のひとつにそんなお話があったの」 「へー……」 #紅鎮守府日記

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～横須賀港　鎮守府専用ドック『天守閣』～ 「上陸いっちばーん！」 「建物の中だからあんまり上陸って感じしないわね……」 「というか、今この鎮守府って地上離れているらしいし」 「え？じゃあ外から見えていたあの壁の中が全部ドックなの？」 #紅鎮守府日記

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～とある島国　横須賀港～ 「ヨコスカ、トウチャーク！」 「シンゴー ジュシーン。ヘンシン カンリョー！」 「微速前進。指定されたドックへ向かってくれ」 「ヨーソロー！」 「ビソク ゼンシーン」 #紅鎮守府日記

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「……忙しいのなら、別に無理にしてほしいわけじゃ――」 「……それらの仕事をすべて終えたら、貯まりに貯まった有給を消化する。その時になるな。悪い、まだ日程はわからないが、必ず行けるから」 「……りょ、了解」 「どうかしたか？」 「いや、その……なんでもない」 #紅鎮守府日記

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「……ところで司令官」 「どうした？」 「その、……ートのことなのだけれど……」 「あぁ、日付を言ってなかったか」 「うん……」 「本国に着いたらまずは修理依頼の詳細を詰めて、報告事務をこなして、そのあとにも色々としなくちゃならないから……」 #紅鎮守府日記

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「……まるで修学旅行の引率教員だ」 「お疲れさま」 「疲れたよ。やはり俺は教師には向いていない」 「そう？最初に比べれば、ずいぶんと板に付いてきたようだったけれども」 「やめてくれ。ガラじゃない……」 「そうだね。そういうことにしておこう」 #紅鎮守府日記

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「門限も同じく送信する。遅れそうな時、なにかあった際は指定番号にメッセージを飛ばすこと。わかったかー」 ﾊｰｲ 「返事だけはよろしい。では各員、上陸に備えるように」 #紅鎮守府日記

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「それと完全に空っぽにするわけにもいかないから、指定された日にのみ上陸を許可する。各員の端末に上陸許可日と上陸許可証を送信するから、それを持って上陸するように。携帯端末を無くすとは思えないが、万が一なくした時のことも考えて行動は最低二人一組でするように」 #紅鎮守府日記

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「まぁそんなところ使わなくても俺に言ってくれればある程度は貸すから安心しろ」 ｵｫー 「もちろん貸した分は給料天引きな」 ﾌﾞｰ！ 「無利子無利息無手数料で金を貸すと言っているんだ。あんまり文句言うとそいつだけ金利つけるぞ」 ｼｰﾝ… 「よろしい」 #紅鎮守府日記

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「っしゃあ！！」 「ありがてぇ！ありがてぇ！」 「ありがとう雲龍様！」 「マジネ申！！」 「なんでしょう……自業自得とはいえ凄まじく胃が痛みます……」 「んで、使える金はそれぞれの手持ちだけ。貸し金とか使ったら一発でわかるからなー」 #紅鎮守府日記

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「んじゃまずは上陸できるやつの発表なー」 ｼﾝ…… 「お前らほんとわかりやすいな！！」 「司令官、ツッコミはあとで」 「お、おう……ｺﾎﾝ、まず上陸に関してだが、先日の騒動もあって修理が長引きそうだから、全員が可能だ」 ﾜｧｯ！！ #紅鎮守府日記

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「本土キター！」 「本国に寄ることはあっても、上陸するのは初めての子も多いんじゃないかしら？」 「うちもはじめてじゃけん、いろいろ見て回りたいわ！」 ｻﾞﾜｻﾞﾜ 「お前ら静かにしろー。提督からのありがたい言葉だぞー」 ｻﾞﾜｻﾞﾜｻﾞﾜｻﾞﾜ 「おーい」 #紅鎮守府日記

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「…………ダメだ、こんな顔……見せられない」 「しっかりしろ、私……」 「ニヤけちゃ……だめ」 #紅鎮守府日記

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「ところで司令官」 「なんだ？」 「私には……その……」 「あぁ、もちろんある……が」 「？」 「……他の奴らには内緒に、な」 「……ん」 「じゃあ、土産話もあるし、部屋に……どうだ？」 「了解。少し待ってて」 「うむ。では待ってるぞ」 「うん」 #紅鎮守府日記

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「……すごいテンションだったね」 「榛名とか叩き起こしてなきゃいいが」 「予想してた？」 「そんな風に見えたか？」 「そうだね。私も驚いているし」 「…………」 「…………」 #紅鎮守府日記

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「Fuuuuuu!!! Fantastic! Unbelievable!!」 「喜んでもらえたようでなによりだ……」 「アリガト提督！大事にするヨ！！ﾋｬｯﾌｰ！！」 #紅鎮守府日記

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「そんなにいいもんなのか？」 「ちょっと言い過ぎかも知れマセンが、私にとってはそれくらいの物デース！！what!?what got it this!?」 「落ち着け金剛。言葉がいろいろおかしい」 「これが落ち着いていられるかってんデース！！」 「！？」 #紅鎮守府日記

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「ァ……アァ…」 「おい本当にどうした！？」 「アノ、ソノ……嬉しすぎてワケがワカラナイヨ……どどど、どうしたらイイノ？」 「そんなに嬉しかったのか……」 「だってゴールデンオレンジペコーにファーストフラッシュって！車ならベンツやポルシェと同じヨ!?」 #紅鎮守府日記

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「なんだって？」 「どこで買ったデース？」 「たしかトップクオリティーとかいう店だったか」 「て、提督ぅ……」 「どうした金剛？」 「ほ、本当に貰っテいいノ？コレ……」 「照れくさいがお前のために買ってきた物だしな……」 「…………」 「金剛？」 #紅鎮守府日記

戦争さん @RAKUNYA

「で、左のやつがダージリン・スペシャルファイン・ファーストフラッシュだ」 「……Really?」 「あぁ、好みがわからなかったから飲んでみて良さそうなのを……どうした金剛？油の切れたブリキみたいな動きをして……気に入らなかったか？」 「……買ったの八？」 #紅鎮守府日記

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「ほれ、これだ」 「……茶葉デスカ？二つありマスけど…でも銘柄もなにもナシ？」 「一応、本場ダージリンの茶葉だ」 「ん～、等級ハ？」 「たしか右の奴がゴールデン・フラワリー・オレンジ・ペコーだな」 「(ﾋﾟﾀｯ)」 #紅鎮守府日記

戦争さん @RAKUNYA

「提督が帰ってきたと聞いて！！」 「あぁ、金剛……」 「ヒドいデース！ワイフに黙って帰宅なんて！！」 「いや、もう寝てるかと思って……夜も遅いし」 「ぶー！」 「わかった。悪かった。土産があるから機嫌なおしてくれ」 「oh!何デスカ？」 「ちょっと待て……」 #紅鎮守府日記

戦争さん @RAKUNYA

「その間の外出なんかも追って説明をする。それでその……なんだ……」 「…………」 「“例の約束”は……そこでいいか？」 「……ん、了解」 「じゃあ、そっちもまた連絡する。今日はもう疲れ……」 #紅鎮守府日記