これは面白い! 『黒船来航 日本語が動く』

ペリー来航が日本語を変えた。条約を作成するにあたって漢文や候文では対応しきれず、新たなことばが模索された。「日本語」誕生前夜の物語。
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It happens sometimes @ElementaryGard

『黒船来航 日本語が動く』iwanami.co.jp/moreinfo/02862… ペリーの黒船がやって来た。幕府の役人がやってきて「とっとと帰れ」と記された文を差し出した。フランス語だったそうです。オランダ語ではなく。当時のヨーロッパ公用語がフランス語だと幕府は前から知っていた。

2014-11-23 18:52:12
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二度目の来航のとき、幕府の役人のひとりがアメリカン・イングリッシュに秀でていてペリーを驚かせた。アメリカ捕鯨船員が遭難してアイヌに拾われ長崎に護送。オランダ語通訳数人が彼を語学教師に英語を学んだ。その一人がペリーとの交渉チームに参加した。

2014-11-23 18:56:10
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森山栄之助。通訳に留まらず交渉の主導を果たした。

2014-11-23 18:57:24
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英語⇔オランダ語⇔日本語 こうやってペリーと林(幕府側の交渉責任者)のやり取りがなされた。

2014-11-23 19:00:33
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>Article XI – There shall be appointed by the government of the United States consuls or agents to reside in Simoda at any time

2014-11-23 19:07:39
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>after the expiration of eighteen months from the date of the signing of this treaty;

2014-11-23 19:07:58
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> provided that either of the two governments deem such arrangement necessary.

2014-11-23 19:08:08
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くみ訳 >本条約の調印より十八か月の経過後、日米両政府のどちらかによって領事または次官を下田に駐留させる必要ありと判断された場合、米国政府によってその者を単数複数を問わず随時任命するものとする。

2014-11-23 19:22:21
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ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF… この条約の締結後、しばらくしてアメリカから公使ハリスが来日し幕府が大慌て。懐かしいな小学生の頃に買いそろえてもらった『まんが日本の歴史』に出てきた逸話だから。

2014-11-23 19:26:40
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日本側の解釈は >両国政府に於て無拠(よんどころ)儀有之(これあり)候模様により、合衆国官吏之もの下田に差置(さしおき)候儀も可有之(これあるべし)。

2014-11-23 19:31:52
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要するに「日米両政府によってその必要ありと認められたる場合、アメリカ公使を下田に置く」と解された。「日米どちらかによって」ではなく。

2014-11-23 19:36:00
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和訳にあたって漢文訳を経由していて、そこから生じた解釈ミスと思われます。

2014-11-23 19:39:11
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>provided that 「~の場合」。こういう仮定的条件を言い表す語彙が漢文や候文には乏しく、条約の当時の和訳は苦心の跡がうかがえる。ここから「日本語」の整備が急務となった。

2014-11-23 19:41:30
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オランダとの交流は長崎に限られた。商館長(今でいうと大使館長ですか)ドゥーフは日本の通訳の能力の低さを嘆き、とうとう辞書の編纂プロジェクトに着手。1833年に完成。ちなみにあの『解体新書』より59年「後」のことです。

2014-11-23 19:47:38
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長崎の通訳たちはやがてオランダ語に精通し、シーボルトがやって来たとき「こいつのオランダ語なんかなまってない?」と気が付いていたそうです。シーさんは南ドイツ出身でオランダ国籍ではなかった。

2014-11-23 19:52:33
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ペリーの二度目の来航のとき、日本側は「漢文を介して条約をすりあわせるの止めない?」と提案しアメリカ側も「そうやね」と同意。仲介言語をオランダ語に一本化。

2014-11-23 19:55:21
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「○○の場合、××とする」 これが漢文や候文ではうまく言い表せなかった。そこで和語の力が着目された。否定形のときは和語のほうがいいようですね。「○○にあらざれば、××事なし」等。

2014-11-23 20:02:35
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朝鮮への「不平等条約」も、幕府がアメリカ、イギリス、ロシア、フランスとの条約作成にあたって苦心の末に得た抽象的外交論理(外交語)の礎の上にあった。明治政府は幕府による条約を「弱腰」と後に批判したが、ノウハウはしっかりいただいて朝鮮と清に挑んだ。

2014-11-23 20:10:28
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『黒船来航 日本語が動く』 面白い本です。

2014-11-23 20:11:07