大船捕虜収容所と実松大佐

10月頃だと思いますが、実松譲海軍大佐が大船捕虜収容所で捕虜を温和に尋問し、成果を上げたという「聞き書日本人捕虜」という本の内容がRTされてきて、面白い話だと思ってRTしました。ところが、ちょいと調べると色々黒い部分が見えてきたという話。 アンジェリーナ・ジョリーの映画についても。
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注!

「大船収容所」を間違えて「大森収容所」と書いている箇所がいくつかあります! てか、タイトルも間違えてました!

dragoner@2日目東サ46a @dragoner_JP

先日「聞き書日本人捕虜」という本にある、大船捕虜収容所で海軍が実施した拷問によらない尋問で成果を挙げた話がRTされてきて、面白い話なので自分もRTしたけど、実際に本を読んだら引っかかる部分があったので調べて分かった事を書く       amazon.co.jp/gp/product/480…

2014-12-11 20:03:34
dragoner@2日目東サ46a @dragoner_JP

まず「聞き書日本人捕虜」の該当部分について。大森捕虜収容所の中心人物だった実松譲海軍大佐へのインタビューで構成されている。実松大佐はプリンストン大を出て在米駐在武官、米内海相秘書官を務めるなど、イメージ的には知米派。陸軍に捕虜を渡す前に海軍で尋問する為に大森収容所設置を働きかけた

2014-12-11 20:08:09
dragoner@2日目東サ46a @dragoner_JP

本での実松の主張を要約すると、 ・大森収容所で虐待は無い ・尋問は実松大佐がスーツを着て威圧感無しに行う ・米在住経験を活かした雑談を中心にして話を引き出す ・陸軍は挑発的に尋問・拷問してた ・成果を上げすぎて戦後睨まれ、戦犯として30年禁錮刑の判決を受けるが濡れ衣 というもの

2014-12-11 20:13:41
dragoner@2日目東サ46a @dragoner_JP

ところが、引っかかる部分があった。それを書くと、 ・大森収容所は実態は収容所なのに、植木分遣隊という名称 ・「虐待行為があったのは嘘。殴打は日本の軍隊では必ずしも虐待でないので、行われたかも」という実松の発言。 ・艦首が数十名で管理出来た事を「捕虜同士の接触を少なくした」と述べた

2014-12-11 20:18:40
dragoner@2日目東サ46a @dragoner_JP

※注:✕艦首 → ○看守。ね。 で、数百名の捕虜がいたのに、なんで数十名の看守だけで管理出来たのん?という話でした。その答えの中に「捕虜の接触を少なくして」と

2014-12-11 21:08:33
dragoner@2日目東サ46a @dragoner_JP

で、気になったのでまずはググったら、軍事板書評スレの碩学、眠い人氏のブログに実松大佐と大船収容所について数度に渡り記述されていた。 nemuihito.at.webry.info/201205/article…

2014-12-11 20:23:09
dragoner@2日目東サ46a @dragoner_JP

戦犯容疑をでっち上げとした実松大佐ですけども、この人相当のタヌキ。まず、なんで大森収容所が分遣隊扱いだったかは、陸軍の捕虜収容所に入れられると捕虜の名簿が赤十字に通知され、捕虜は権利を盾にして尋問を拒むので、収容所じゃない場所で秘密に尋問しようとした。捕虜の存在は米国にも秘密

2014-12-11 20:27:42
dragoner@2日目東サ46a @dragoner_JP

実松大佐は「殴打は日本では虐待でない」と発言しているけど、逆に言えば殴打が収容所であったと示唆している。で、実松大佐は手を下さず、裏で部下に命じて殴らせたり食事を抜いたりさせたという日本人看守の証言あり。これ「良い警官、悪い警官」メソッドで、実松大佐は良い警官を演じてたんですわ

2014-12-11 20:30:57
dragoner@2日目東サ46a @dragoner_JP

あと気になった「捕虜同士の接触を少なくした」という発言、これ眠い人のブログや海外の戦争犯罪系のサイトを照合するに、CIAもやっていた捕虜の孤立化による分断ですわ。フツーの捕虜収容所で各捕虜に独房充てがわれるのはないので、大森収容所が特殊な用途のためだったと分かる

2014-12-11 20:38:32
dragoner@2日目東サ46a @dragoner_JP

最近アンジェリーナ・ジョリーが反日映画を監督したと話題だけど、原作の「アンブロークン」著者は大森に収容されていた。で、捕虜になっている事を米国に通知しなかったから、米国で行方不明扱いで後に戦死扱い。反日はともかくこれ事実やで     amazon.co.jp/gp/product/B00…

2014-12-11 20:42:52
dragoner@2日目東サ46a @dragoner_JP

※注。アンブロークンの原作者と書いたけど、主人公が正しかった。作家が彼の捕虜経験を元にして書いています。ちなみに、今年の7月まで存命していました

2014-12-11 20:45:16

Wikipedia「ルイス・ザンペリーニ」

ルイス・ザンペリーニ(Louis Zamperini、1917年1月26日 - 2014年7月2日[1])はアメリカ合衆国の陸上選手。

1936年のベルリンオリンピックにアメリカ代表として出場、5000mで8位となった。このとき、最終ラップを56秒で走った彼はレース後、アドルフ・ヒトラーの接見を受けた[2]。

1941年9月、アメリカ陸軍の航空隊に入隊した。1943年5月27日、彼の乗った飛行機が故障のため太平洋上に不時着、47日間の漂流の末、日本海軍の捕虜となった[3][1]。

dragoner@2日目東サ46a @dragoner_JP

戦時国際法の隙間(もちろん違反だけど)、を突いて、秘密の捕虜収容所を作り、価値がありそうな捕虜を選別して利用しようとしていた。それを自分は手を汚さずにスーツでニコニコ捕虜に当たってた実松大佐は狡賢いですわ

2014-12-11 20:51:31
dragoner@2日目東サ46a @dragoner_JP

眠い人氏の記述は、大船収容所を扱ったGHQ/SCAP法務局調査課報告書71号文書に基いているので、米側の文書といえるけども、実松大佐の発言の不審なとこを突いてて、元の調書の信頼性は高いのではないかと。私も今度実際に読んでみよう

2014-12-11 20:54:08
dragoner@2日目東サ46a @dragoner_JP

アンブロークン挙げたけど、アレ自体はかなりの反日というか、日本人への人種差別的要素てんこもりで問題になっているとも聞くけどもw。読んでない&観てないので分からん

2014-12-11 20:55:48
dragoner@2日目東サ46a @dragoner_JP

気になる人は先述の眠い人氏のブログを読むか、あと海外のPOW(戦争捕虜)関連サイトでの記述でいくつかあります。実松大佐の言い分の「陸軍に捕虜引き渡すまでの場所」にしては、大森が特殊でやたら多く言及されとります

2014-12-11 21:00:33
dragoner@2日目東サ46a @dragoner_JP

そして、元になった「聞き書日本人捕虜」もおもろい書籍です。実松大佐のとこは日本が捕虜をどう扱ったかの話ですが、基本的に日本人捕虜の体験談インタビューですね  amazon.co.jp/gp/product/480…

2014-12-11 21:04:14