【魔法少女まどか☆マギカSS】叛逆のグルメ -群馬県風見野市のチャーハン-

GammaRay @sizuoka074

（こうなったら徹底的に儲けさせてあげようじゃないの）餃子をもりもりと平らげ、やってきたウーロン茶を喉に流し込む。この渋みがいい。瞬く間に飲み干し、もう一杯。「チャーハンですー」（よし、調子が出てきたわよ）頷きだけ返してレンゲを手に取る。だがチャーハンを目にしたほむらは驚愕した。

GammaRay @sizuoka074

（ちょっと、なんなのこのチャーハンは？）よくある八角形の角皿の上に盛られたチャーハンの上に、なにかパリパリとした薄いフレーク状のものが振りかけてある。きつね色をしているので炒めた玉子だろう。（こんなのは始めて見る…）驚きと関心を抱きつつ、レンゲを入れる。

GammaRay @sizuoka074

ライスはよく炒められ、ぽろぽろだった。玉子と思わしき物がばりっと割れる。コショウを掛けずにまずは一口。（うわっ…おいしい…）角切りチャーシューの油が絡んだライスはほくほく、つやつやで、下味もほどよく、玉子はふわふわ。そしてお焦げ状態の玉子フレークがぱりぱりと歯を刺激してくる。

GammaRay @sizuoka074

これはたまげた。さすがは中華四千年だ。チャーハンのサービスと思わしきスープをレンゲですくって一口。うまい。よくある醤油ラーメンのスープを適当に椀によそった物ではない。おそらくはこのチャーハンに合うようにちゃんと作られた専用スープだ。餃子ともよく合う。（これが愛ってやつなのかしら）

GammaRay @sizuoka074

チャーハンを掻き込んでいると小籠包が到着。店員が蒸籠を開いた瞬間、むせかえるような小麦の香りが湯気と一緒に吹き出してくる。黒酢の瓶も来た。（これよ、これこれ）黒酢を小瓶に垂らして、食べる。（すごいすごい）噛んだ瞬間に中からスープがあふれ出し、危うく火傷しかける。だがうまい。

GammaRay @sizuoka074

濃縮された鶏のうまみが口の中にじわっと広がる。（こんな最高のおかずがあってライスを食べないなんて罪ってものだわ）チャーハンをかきこむ。餃子も冷める前に食べなくては。ウーロン茶をさらにあおり、チャーハンが殻になったところで麻婆ラーメン到着。

GammaRay @sizuoka074

あんかけ状の麻婆がどんと乗ったラーメンを、ぐるぐるとレンゲでかき混ぜて、スープと麻婆を馴染ませる。（これはかなりのパンチ力ね）前もって覚悟はしていたが、やはり麻婆も本格派だ。こうしてかき混ぜただけで山椒と香菜の香りが湧き上がり、びしびしと鼻と胃袋を刺激してくる。

GammaRay @sizuoka074

スープを一口すすってみる。舌が痺れるほどうまかった。ウーロン茶をまた一杯頼み、小籠包を一旦さておき全力でラーメンに取りかかる。五分ほどかけて全部平らげると、もう動くのが辛くなるほど胃がぱんぱんに張っていた。

GammaRay @sizuoka074

（これはさすがに食べ過ぎたわね…）伝票を持ち、苦労して立つ。レジは入り口の近くだ。店の奥でまかないを摂っていた店員が駆けつけ、やはり片言の日本語で応対してくれた。「ごちそうさまでした」「ありがとゴザイマシタ」結局一人で二千円以上も食べてしまった。

GammaRay @sizuoka074

「よかったらどうぞー」「ん？」レシートと一緒になにかを手渡される。飲食専門ポータルサイトと提携したQRコードの載ったカードだった。来店時に出すと杏仁豆腐がサービスされるらしい。一応財布の中にしまったが、今は食べ物のことを想像するのも苦しかった。

GammaRay @sizuoka074

「またお越しくだサーイ」来たときと同様に自動ドアをくぐり、車がひっきりなしに走る国道沿いの道に出る。（お冷やは出ないけど良い店だったわ）次来るときは杏子と来よう。ほむらは口元をハンカチで拭き、満足げな足取りで家路についた。　-おわり-