メモ:2014年衆院選結果:左派リベラル側の問題(鯨岡さんの指摘)
- narniancat
- 15499
- 25
- 41
- 194
朝日新聞記者/Deputy Editor for digital edition, The Asahi Shimbun。日本経済新聞記者を経て、首相官邸(2度=計5年)、日本銀行、財務省、経産省、外務省、防衛省などを担当。著作一覧はhttps://t.co/pP3NDIFcIB ※リンクやRTは賛意を意味せず
総選挙、結果が判明しました。選挙前と大きく変わらない感じです。はっきり言って、なるべくしてなったと思っています。
2014-12-15 12:43:34安倍首相の戦術勝ちです。しかし、私はあえて左派リベラル側の問題に注目したいと思っています。民主党政権が失敗したのは、マクロ経済政策の知識が決定的に欠けていたことにあると思います。もっと厳しく言えば、「日本の左翼にはイノベーションがない」という問題です。
2014-12-15 12:48:26民主党などはアベノミクスを「新自由主義だ」と批判しました。うちの紙面でもそういう論調の記事が多く見られました。社内の議論でも、多くの先輩らがそういう認識を持っていました。
2014-12-15 12:49:54アベノミクスは新自由主義ではありません。アベノミクス3本の矢の大規模な金融緩和、(景気に対応する)機動的な財政運営はケインジアン政策です。市場は失敗するのだから、政府が介入しなければならない。労使交渉に任せるのではなく、政府が賃上げに取り組む。欧米では左派の政策そのものです。
2014-12-15 12:51:37それを日本の左派は「新自由主義」などと批判する。安倍首相にとって、見当違いな批判は痛くもかゆくもありません。確かに、所得再分配政策は足りないかもしれませんが、それは分配政策に限った話であって、マクロ政策は明らかにケインジアン的なのです。
2014-12-15 12:53:24朝日新聞を含めて、左派リベラルが見当違いの批判を繰り返す。ここに、日本の左派リベラルの知的怠惰が垣間見えます。「お馬鹿」で「見当違い」な批判を繰り返しているうちに、安倍首相に「賃金が上がった」「景気は良くなった」と追い詰められていった。それが実態ではないでしょうか。
2014-12-15 12:57:10アベノミクスはケインジアン的(あるいはニューケインジアン的)な政策だ。そういう正しい経済政策の評価が土台にあって、初めて議論や批判ができる。そのうえで、いくらでも問題を指摘することもできた。しかし、そういう議論のもっていき方ができなかったことは、敗北だろうと考えます。
2014-12-15 13:04:58松尾匡さんはマルクス経済学者ですが、大胆な金融緩和政策を主張します。松尾さんは「自分の主張は欧州の左派政党と同じ」と言い切ります。その理由はこの本に書いてありますので、左派の皆さんに一読をお勧めします。欧米と日本のねじれも理解できます amazon.co.jp/%E3%82%B1%E3%8…
2014-12-15 13:42:46一方、アベノミクスに対する強力な批判を理解するなら、この本がお勧めです。米国保守派と公共選択論の視点から、財政出動や金融緩和を主張するケインズ派の経済学こそ、政治家の無責任を助長した、と主張をします。今の日本にも当てはまると思います。amazon.co.jp/%E6%97%A5%E7%B…
2014-12-15 13:47:56安倍自民党が圧倒的な議席を得ることになった今回の選挙。正しい認識がなければ、的を得た批判などできない。今回、痛烈にそのことを実感させられた選挙戦でした。
2014-12-15 13:59:13あわせて読みたい: