不知火に落ち度はない　お正月スペシャル２０１５　その３

yamoto @yamoto

じゃ、唐突ですが落ちぬい始めます。 今回は普通にやろうと思ったのですが、やっぱSP回の３にします。 #落ちぬい

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劇場版なんで見逃してください。 #落ちぬい

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こんにちは、雪風です。 今日は非番なので、街にバカンスに行こうと思うのです。 響は相変わらずアルコール切れで寝てるので、雪風一人です。 長靴よし、お財布よし、鍵よし。 さあ、今日はどんなことが待っているのでしょうか。 れっつごー。 #不知火に落ち度はない

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「雪風です！」 「はい。雪風ちゃん、今日はお外へお散歩？」 「バカンスです！！」 「そうかい。じゃあ、戻りはいつになるか書いておいてもらえるかい？」 「はい、わかりました！」 鉛筆と用紙をもらってちょっと考えます。 いつ頃帰ればいいのかな？ #不知火に落ち度はない

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ここからバスのりばまで歩いて30分。 バスに乗って駅まで30分。 駅から街まで1時間。 合計で1時間60分。 往復で2時間20分。 うーん、うーん？ お昼ごはんを食べて戻って……うーんうーん？ 困りました。いつ帰ればいいかわかりません。 #不知火に落ち度はない

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はっ、だめですだめです。計算を間違えました。 3時間20分の間違いです。 使える時間は1時間減りました。 でもどうしよう。いつ帰ろう？ そんなとき、頭のなかの司令が言いました。 #不知火に落ち度はない

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『晩飯までに戻ってこい』 さすが司令です！！ 雪風はすたんでぃんぐおべーしょんです！ 夕飯までの時間を書きました。 これでだいじょうぶ！ 「いってらっしゃい、雪風ちゃん」 「はい、いってきます！」 敬礼をして出発。 目指すはバス乗り場です。 #不知火に落ち度はない

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「あれ？」 バス乗り場に向かう途中。 黒塗りの車が雪風の進む方からやってきます。 あれはベンツ。 黒潮さん曰く、追突するともれなく賠償金が発生するそうです。 こわいですね。こわい。 目を合わせないように、目隠しして進みましょう。 #不知火に落ち度はない

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「あらー、雪風ちゃんじゃないー？」 あれ？ とても聞き覚えのある声です。 そーっと、目隠しを解いてみると、そこには龍田さんが居ました。 龍田さんです！！ 司令が腹黒ピエロって言ってる龍田さんです！ でもピエロじゃないのに、何でピエロなんでしょう。 #不知火に落ち度はない

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「おさんぽー？」 「バカンスです！」 「あらー、いいわねー」 にっこり笑いました。 龍田さんは、とてもきれいな笑顔のお姉さんなのです。 NHKにいてもおかしくないお姉さんなのです。 「龍田さんは、お仕事ですか？」 「あら、そう見えるー？」 #不知火に落ち度はない

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じーっとみてみると、龍田さんはいつもの艦娘の制服を着ていませんでした。 真っ黒で、真っ黒な。なんだかすごく静かな服を着ていました。 大人の女は黒が似合う。 そんなテレビのCMを思い出しました。 と、すると、ここにいる目的はわかりました。 #不知火に落ち度はない

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「司令とおでかけですか？」 すると、龍田さんは目を丸くして。 そして、頭をなでてくれました。わーい。 「だいせーいかーい。雪風ちゃんはするどーい」 「えへへへへ」 やりました。龍田さんはごきげんのご様子です。 #不知火に落ち度はない

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「では正解した雪風ちゃんにプレゼントが有りまーす」 「はえ？ なんでしょう？」 「車に乗せてあげますー」 やりました！！ これなら駅まですぐです。 「じゃあ、乗ってー？」 「はーい。おじゃましまーす」 ドアが開いて、雪風は助手席に乗り込みました。 #不知火に落ち度はない

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ふんふん。くんくん。 レモンみたいな、青い匂いがします。 これはなんでしょうか？ 「あらー。笹の匂いが気になるー？」 なるほど！ そういえば、この車にはパンダさんが乗ってるんでした。 「いえ、いい匂いです！」 「ならよかったわー」 #不知火に落ち度はない

yamoto @yamoto

でも、今日はパンダさん居ないみたいです。 どうしたのか聞いてみたところ、今日はパンダさんはお休みらしいのです。 ざんねん。 さっとシートベルトをしめて、準備完了です。 これは、だいじ。司令はいつもそこだけは気にしています。 #不知火に落ち度はない

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「それで雪風ちゃんー？」 「なんでしょうか？」 「司令とお出かけする話はー。みんなには内緒にしてもらっていいー？」 「はえ？」 どうして、とか、なぜ、とかありました。 はっ、わかりました。 「だいじょうぶ！ 内緒です！」 雪風はそう答えます。 #不知火に落ち度はない

yamoto @yamoto

龍田さんはちょっと恥ずかしいのです。 普段、司令と龍田さんは、あんまり仲が良くなさそうな雰囲気を出しているのです。 これは、他の人でも見たことがあります。 だから、たぶん内緒にして欲しいのでしょう。 そういうことは大人によくあるって響が言ってました。 #不知火に落ち度はない

yamoto @yamoto

「本当に内緒よー？」 「大丈夫です！ 龍田さんは恥ずかしがり屋なんですね」 龍田さんはえ、という顔をしました。 図星でしょう、ふふふ。 ドラマの刑事さんがそういうことを言ってたのを思い出します。 #不知火に落ち度はない

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「そうねー。実はそうなのよー」 「ずぼしでしたかー」 んっふっふー、と刑事さんポーズを雪風はします。 「雪風ちゃんは賢いわねー」 「あうあうあう」 なでくりされます。 あ、のど、のどはだめです。 #不知火に落ち度はない

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いっぱいなでくりされたあと、満足したのか龍田さんは手を離しました。 ふー。危うく寝てしまうところでした。危ない危ない。 「でもねー。司令は私の事スキじゃないかもー？」 「？ そうなんですか？」 「うんー。嫌われてると思うわー」 「そうなんでしょうか」 #不知火に落ち度はない

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「そんなことないと思いますよー」 司令はえっと、えっと。 「司令は女の人大好きらしいです！」 ぷっ。 あれ、龍田さんがおもいっきり吹き出しました。 「あはははは。そうねー、女の人大好きだものねー」 あれー？ なにか間違えたのでしょうか。 #不知火に落ち度はない

yamoto @yamoto

「うんうん。それは知ってるわよー？」 あ、またなでくりされます。 あうあうあうあう。 のどだめです。ノー、のどはだめです。 「でもそれだけじゃ、埋まらないのもあるのよー？」 「はうはう。そうなんですかー？」 #不知火に落ち度はない

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「龍田さんはー、司令のこと嫌いですかー？」 「え。……そうねえ」 うーん、と悩むような仕草をします。 「大嫌い」 えええええええええええええ！？ ショックです。龍田さんが笑顔でそう言います。 そんなー。 #不知火に落ち度はない