不知火に落ち度はない　お正月スペシャル２０１５　その１

yamoto @yamoto

さてさて、よいこのみんなー。 落ちぬい特別編はっじめるよー。 今回はお正月SPECIALってことで なんとIFのお話。 なんのIFかは、ぜひぜひ蓋を開けて楽しんでね。 ではれっつらごう。 #落ちぬい

yamoto @yamoto

眠りってのはとても大事なもんだ。 脳みそをリセットする時間であり、身体を休める時間である。 知り合いの潜水艦乗りは一日わずか15分で済むが、俺はそうも行かない。 できれば4時間は寝たい。欲を言えば8時間は寝たい。 最近そんだけ寝れた試しねえけど。 #不知火に落ち度はない

yamoto @yamoto

「グッドモーニーンッ！！！」 ハーイおはよう南ベトナムの諸君、今日もグッドモーニング・ベトナムの時間だよ。 そんなフレーズが出るほど超元気な声が、俺の耳元でMAXボリューム。 脳みそがキンキンするぐらいのハイキーボイスだ。 やめて。 #不知火に落ち度はない

yamoto @yamoto

こういう時やるべきことは？ もちろん決まってる。 布団の端を掴んでぐるんと一回転。 巻き込んで簡易寝袋を作り上げ、外部からの干渉を防御する構えだ。 SASでも採用されそうな音波ガード方法。 俺はここ数年の鍛錬により、このモードにコンマ２秒で入れる。 #不知火に落ち度はない

yamoto @yamoto

「……ら…！ …にや…っ！」 ふふふ、聞こえぬ聞こえぬわ。 さてと、スマホ立ち上げてっと。 今日も楽しく朝のエロサイト巡りでもすっかねえ。 なお時間は06：00。 総員起こしのタイミングであった。 秘書艦殿は実に容赦ねえ。1秒のズレもねえぞこれ。 #不知火に落ち度はない

yamoto @yamoto

まあ、布団防御があるんだ。 なんとでもなる。 このまま30分ばかり、惰眠という贅沢を貪らせてもらおう。 なんせ寝たのは3時なんだ。3時間ってウルトラハードだろ普通。 そこで30分寝ても別に怒られやしねえって。 寝坊する司令って胸キュンじゃん？ #不知火に落ち度はない

yamoto @yamoto

だがしかし。 うちの秘書艦殿は、アウシュビッツも真っ青なスパルタン生物であると知った。 「こーらー！！ おっきろー！！！！！」 ばすばすばすばす、とさっきからすんげえ振動が布団に襲いかかってる。 もしや、部屋に置いといた民芸品木刀で殴ってるのか。 #不知火に落ち度はない

yamoto @yamoto

「ちょいまち。木刀はダメだろ？」 すぽっと顔を出して抗議。 プリティなヒゲの妖精さんの願いに対して、俺の秘書艦様はと言いますと。 「ちゃんと毛布巻いてるから大丈夫よ？」 うわすげえ暴力理論きた。 ぴこぴこ揺れるツインテが角に見える。 #不知火に落ち度はない

yamoto @yamoto

「で、なにか言うことは？」 「えーっと……あー」 多分期待してる答えは、あれなんだろうが。 しかし俺の誘惑は布団の中にこそあるわけで。 「あと五分」 兵頭司令、布団に潜航します。 きゅうそくせんこー。 #不知火に落ち度はない

yamoto @yamoto

「だーめーでーすー！！！」 ぼすぼすぼすぼすぼす うっわ、すげえ振動。寝れないレベルのタコ殴りである。 なんでうちの秘書艦はこう暴力的なんでしょうか？ ビタミンか？ それともカルシウムが足りないのか。 こんな秘書艦に誰がした。 #不知火に落ち度はない

yamoto @yamoto

まあ、いずれ体力は尽きる。 そうなれば俺は惰眠を貪れるのだ。怠惰さいこう。 そうして、やっと、攻撃の手が止まると思いきや。 ユッサユッサと揺れ出す俺のゆりかご。 どうやら揺さぶり作戦に出た模様。 おいよせ、酔うぞ。 #不知火に落ち度はない

yamoto @yamoto

「はーやーくー！ おーきーてー！ 朝礼とか朝食とかどうするの？」 「お前に全て一任する」 司令権限だ。 お前には朝礼を行う権利と、と朝食2人前を食べられる特典を与える。 「一任されるわけないでしょーがこのダメ提督ー！！」 酷い言い草である。 #不知火に落ち度はない

yamoto @yamoto

「陽炎？ 何をしているのですか」 「あー、不知火。えーと、自分の殻に閉じこもって出てこないダメな中年を外に出してるの」 まるで無職じゃねえかそれ。 まるで無職じゃねえかそれ。 「なるほど。すぐ出せる方法がありますが」 「え、ホント不知火？」 んん？ #不知火に落ち度はない

yamoto @yamoto

「ええ。待ってください、今追い出します」 「え、う、うん。じゃあおまか──」 シャコッ 布団越しにその音が聞こえた。 ん、この音って聞き違いじゃなければ……？ 「ちょっと待って不知火！？ それ中身は──」 「大丈夫です陽炎」 #不知火に落ち度はない

yamoto @yamoto

「実弾ですが多分半殺しぐらいで済むでしょう」 「ちょっと待ってー！？」 うっわ、超物騒なこと言ってるぞ？ 「陽炎、大丈夫です。当たりどころが悪ければ永眠するだけです」 「永眠させちゃダメだってばさー！？」 「ダメな中年一匹死んでも世界は変わりません」 #不知火に落ち度はない

yamoto @yamoto

うむ。我が家のブリザードキングことブリキな駆逐艦殿は容赦ねえ。 「では司令」 「おう」 「くたばれもしくは死ね」 「だめー！！！？」 パンパンパンパンと部屋に発砲音が響き渡った。 #不知火に落ち度はない

yamoto @yamoto

「よう、おはよう。不知火。あと陽炎」 「おはようございます司令」 「おはようじゃないわよばかー！！！！！！」 俺の目の前にはグロッグ片手の不知火と、それを後ろからホールドしてる陽炎が居た。 実に爽やかすっきりなお目覚めである。 #不知火に落ち度はない

yamoto @yamoto

「今日も生き延びたようで非常に遺憾です」 「そう言ってもらえることが何よりの喜びだな」 さっきの分で不知火は全弾撃ち尽くしたと見える。 とっさに布団をはがして思い切り振って弾丸を逸らして正解であった。 他の基地だと大問題だが、うちではセーフなのだ。 #不知火に落ち度はない

yamoto @yamoto

「それでは司令。次はちゃんと寝ててくださいね」 「おう、善処する」 あれだ。これはいわゆるひとつのコミニュケーションだ。 不知火はちょっとばかりストレスを発散し。 俺はちょっとばかり接近時の銃をどう対処するか学ぶ。 いわゆるWin-Win関係である。 #不知火に落ち度はない

yamoto @yamoto

「じゃ、不知火。飯にするか」 「気安く話しかけないでください。陽炎、食事にしましょう」 ぶつっ おう？ なんか切れた音がしたぞ。 おやおや、秘書艦殿。ぷりちーな顔が般若みたく変化してるぞ？ あの、えっと、木刀の毛布外すの良くないと思うぜ？ #不知火に落ち度はない

yamoto @yamoto

「あんたら、ちょっとそこに座りなさい」 ブオン、と木刀が振るわれる。 どん、と床に切っ先がぶち当たる。 わーお、これはあれだ。 「不知火、陽炎が怒ったぞ。多分お前のせい」 「知りません。不知火に落ち度はないです」 「座れ」 『はい』 #不知火に落ち度はない

yamoto @yamoto

揃って俺たちシッダウン。 そこから30分ほどみっちりと、愛すべき秘書艦より薫陶を賜る羽目になったのである。 なお、俺の頭にはトリプルサンデー、不知火の頭にはジャンボたこ焼きができたことをここに報告する。 うちの秘書艦マジおっかねえよなあ。不知火。 #不知火に落ち度はない

yamoto @yamoto

人一倍喜怒哀楽が激しく、面倒見もよく。 しかし、やるときはフルスイングな駆逐艦。 愛すべき秘書艦殿──陽炎型ネームシップ、陽炎との楽しき日々が今日も始まったのであった。 不知火に落ち度はない -IF- 『陽炎だけど文句ある？』 #不知火に落ち度はない