風営法をめぐる歴史的な裁判、クラブNOON風営法違反訴訟。
これまで、朝日新聞文化くらし報道部記者 神庭亮介氏(@kamba_ryosuke)のtweetをまとめてきました。
一審で無罪が言い渡されたこの裁判ですが、二審でも無罪の判決が下りました。
NOON風営法裁判。高裁判決は、「無罪」という結論こそ一審と同様ですが、そこに至るロジックがかなり異なります。具体的には「原判決が規制目的を性風俗秩序の維持や少年の健全育成に限定し、ほかの規制目的を考慮していない点は相当でない」「法令適用の誤りがある」などと指摘しています。
2015-01-21 15:22:15NOON風営法裁判。また、大阪高裁判決は3号営業の規制対象となるダンスを「男女が組となり、かつ身体接触を通常とする踊り」と定義しました。クラブで踊られているシングルダンスがセーフとなる反面、サルサや社交ダンスは規制対象に残ることになり、ペアダンス界からの反発も予想されます。
2015-01-21 15:51:02クラブNOON風営法裁判。控訴審での無罪判決を受けて、笑顔を見せる金光正年被告と弁護団。一審の無罪判決の際に話題になった、踊るような「無罪」の書に、同じ書家さんによる「再び」の文字が加わりました。 pic.twitter.com/LgeeIWnnEj
2015-01-21 16:42:32NOON控訴審判決ポイント①風営法3号営業の主な規制目的は性風俗秩序の維持と少年の健全育成だが、薬物の蔓延や粗暴事案、騒音・震動の防止も考慮されるべき。ただし、それら付随的な目的のために、性風俗秩序維持の観点から規制の必要性が薄いダンス営業まで一律に規制する合理性は認められない。
2015-01-21 17:44:58NOON控訴審判決ポイント②元判決は3号営業の許可制について、「営業開始後の実態などを考慮して規制対象にあたるか否かを判断すべき」とするが、この解釈は事前許可制と矛盾する。また、営業開始前における判断基準が不明確で、一般人にも規制当局にも判断が困難。恣意的な運用を許す危険がある。
2015-01-21 17:52:31NOON控訴審判決ポイント③ダンスの多様化により、ダンス営業の内容が変化し、売春との結び付きが希薄化した。現在では、ダンス営業が必ずしも男女間の享楽的な雰囲気を過度に醸成するおそれがあるとは言えない。すべてのダンスが3号営業の「ダンス」に該当する、と解釈する合理性は失われている。
2015-01-21 17:59:45NOON控訴審判決ポイント④3号営業の規制対象となるのは、「男女が組になり、かつ身体を接触して踊ることが通常の形態とされるダンス」を客にさせる営業。それ以外のダンスは、男女間の享楽的な雰囲気を過度に醸成したり、性風俗秩序を害したりするおそれがなく、規制が必要だとは考えられない。
2015-01-21 18:06:27NOON控訴審判決ポイント⑤被告人が3号営業の規制対象となるダンス営業をしていた事実は認定できず、犯罪の証明がない。原判決には一部相当でない点、解釈適用を誤った点があるが、「ダンス営業を一律に規制対象とするのは合理性を欠く」との解釈は相当であり、無罪とした結論も正当である。
2015-01-21 18:14:03