霧雨の鎮守府の決意

霧雨の鎮守府＠SS＆脳内設定アカウント @kirisame_zaha

----------霧雨の鎮守府の決意--------

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『ナンドデモ…』 「何故だ…」 『ナンドデモ……』 「どうして…」 『シズンデイケ……！』 「あの時確かに…」 ここは本土近海、深海棲艦を迎撃する艦娘達。そう、彼女たちはもはや近海で迎撃戦をせざるを得ない状況だったのだ

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AL・MI二方面同時作戦として始まった今回の作戦は熾烈を極めた。 まず陽動作戦と銘打って始められたAL作戦だが深海棲艦側はすでに打撃部隊を展開、陽動部隊が壊滅的な被害を受けた提督も少なくなかった。この基地を制圧に主力艦隊を出さざるを得なかった提督もいたようだ

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3.その後の正規空母を基幹とした機動部隊による連合艦隊、敵空母群を退け、揚陸艦を持って鉄壁の中間棲姫の元へと乗り込み破壊、MI島の制圧に成功した。 その後優勢に立った艦娘側はその勢いで奪還を目的とする敵機動部隊を迎撃。激闘の末迎撃部隊を撃沈。MI作戦…に見えた

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4.その時確かに「声」を聞いた 『シズカナ…キモチニ…そうか…だから私は……』 深海棲艦の魂は解き放たれた、そう信じていた。…この時までは ザハ「ふぅ、作戦完了ってとこか。みんなご苦労様」 神通「いえ、皆さんの協力があってこそです」 pic.twitter.com/P9U8y6JSk0

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5. その時部屋に駆け足で入る足音 大鳳「大変です！大淀さんより緊急入電、敵別働隊が本土近海に来襲！残置艦隊全力でこれを迎撃せよ！。とのことです」 ザハ「何っ…不測の事態に備えよとはあったが…」 大鳳「あと『本作戦は任意作戦とする』だそうです」 ザハ「何っ…そんな話があるかっ！」

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6. そう、大本営が出した本土防衛は任意作戦という形であった。もちろん練度の低い艦隊により提督の犠牲、悲しみを産みたくないということであったのだろうけど何より問題は作戦報酬であった 『駆逐艦「磯風」着任許可、試製41cm三連装砲、勲章』

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7. 残存戦力が無い提督が思わぬ不意打ちを受けたのはもちろん 『駆逐艦か…』 『割にあわないな。引き続きMI島の哨戒任務の方が良い』 そういう提督も少なくなかった。とはいえ本土の危機である。志願者は集まったようであり各地で迎撃戦が展開された

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8. こちらの鎮守府は後方指令のため練度の高い艦娘が残っていたのが幸いであった。 大鳳「提督…この作戦…」 ザハ「ああ…ビックリしたがもう覚悟は決めている」 帽子を被り直し、高々に叫ぶ ザハ「残存の全艦娘に、本土防衛作戦に参加する。総員出撃準備及び戦闘配備だ！」

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9. 残存の戦力ではギリギリであるのは間違いない。AL,MI作戦で消費した資源をさらに使うことに躊躇もした。まだ邂逅していない艦娘だっている。しかし本土の危機を見過ごしてはいられなかった。 しばらく後、現在も残っている艦娘を集められ作戦会議が開かれた

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10. ザハ「もう一度状況説明を」 大鳳「はい、すでに出撃している艦隊の情報によりますとやはり敵艦隊の発見は難しく、また潮の流れにより大型艦複数では敵艦隊に辿り着くまでに夜襲の危険性があります。軽空母で北寄りのコースも推奨されますがこちらも機動部隊が待ち構えています」

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11. ザハ「連合艦隊よりも敵は大艦隊じゃないか…そんなこと考えている暇はない。二方面より有効なルートを模索する。激戦になるが申し訳ない」 榛名「提督…」 最初に口を開いたのは秘書艦娘の榛名であった 榛名「その覚悟、榛名たちもできていました。だから…謝らないでください」

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12. 後にザハ提督はこう語っている 「その途中の経緯は覚えていない、最初は大鳳含む正規空母を中心とした部隊での夜襲は突破を考えた。ある程度の有効打を与えたもののやはり空母３隻抱えての夜襲での損害は免れず、撤退が多かった」 pic.twitter.com/R1ZZ1Pbe3e

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13. その後編成を組み直した、軽空母の練度に不安があったがこれしかない…と ザハ「すまない、ここまで追い込まれた場で呼び出してしまって」 長門「問題ない、最終作戦に貢献できるなら光栄だ」 ザハ「北上…言わなくても期待してるよ」 北上「まあ私はこう言う時しか出れないからさ」

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14. ザハ「瑞鳳…いけるか」 瑞鳳「はい！軽空母ゆえに活躍、見せます！」 ザハ「あと一人軽空母か…千歳千代田はAL方面…」 ？？？「提督ぅ、あたしのことお忘れかい？」 ザハ「隼鷹！？なぜここに？…練度的にも厳しいぞ」 隼鷹「覚悟はできてるさ、艦載機さえあればいけるいける」

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15. 隼鷹…おそらく咆哮提督の任務完了とともに帰投していたのだろう。しかしこちらでは練度が低く、性能を十分に引き出せない状態でいた。しかし迷ってはいられない ザハ「わかった…頼むぞ」 こうして迎撃部隊の再編成が完了した。 pic.twitter.com/VQdWwhpRYK

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16. 長門「侵攻部隊前衛艦隊を突破。損傷軽微」 北上「前衛潜水艦隊、半数を撃沈。魚雷も全員回避したよ～」 ザハ「よし、そのまま北へ進んでくれ」 無事に指示通り北へ進む艦隊 瑞鳳「あ！敵艦隊発見。機動部隊です」 瑞鳳の彩雲から送られてきた情報を見た時目を疑った。

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17. 榛名「あれって…」 隼鷹「空母…だよな」 武蔵「だがただの空母ヲ級ではない…いや、それ以上だ」 瑞鳳「空母棲姫！？」 -------------------------------------------- ザハ「なんだと！」 大鳳「提督…これは」

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18. ザハ「馬鹿な！もう一度確認してくれ、空母棲姫はMI諸島で…」 瑞鳳「交戦距離に入ります。隼鷹さん、行きますよ。第一次攻撃隊発進！」 しかし数で勝る敵の新型艦載機はこちらの烈風を飲み込むようにして撃墜…いや消滅というべきだろうか、残った雷撃隊、爆撃隊が向かってきた

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19. しばらく通信が途絶える、その時提督もすこし呆然としていた。 ザハ「被害状況を！？」 通信の回復とともに艦娘に伝える 長門「瑞鳳、隼鷹艦載機発着艦困難、だが致命傷ではない、引き続き砲撃戦に突入する」 瑞鳳「ごめんなさい…」 隼鷹「これは堪えるねぇ」

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20. ザハ「もう一度確認してくれ！本当に機動部隊旗艦は空母棲姫なのか！？」 その時、提督にまた「声」が聞こえた 『ナンドデモ…ナンドデモ……シズンデイケ……！』 ザハ「なっ…」 それは間違いなくMI諸島作戦で聞いた「声」

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21. 確かに空母棲姫は…撃沈時『声』を聞いた。だが彼女は再びここに現れた。 その状況がまだ理解できていなかった。 てっきり深海棲艦は撃沈により怨霊を開放すると信じていた。その深海棲艦に対向するために艦娘はいる。 （すでに量産されているのか…あるいは）

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22. 制海権を取り戻しつつあるものの終わることの見えない戦い、それどころか複雑化する戦闘。また、不意に轟沈を迎えた艦娘も少なからずいたのだろう。戦争に犠牲はつきものだ…じゃあ私は何のためにここにいる…資源の備蓄？艦隊の練度？新しい艦娘との邂逅？

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23. 榛名「提督！なんとか交戦海域が離脱しました、しかし武蔵さんが敵艦載機の攻撃で致命的損傷です！」 ザハ「何っ！？」 武蔵「すまない…大和型の名が泣くな」 ザハ「いや…仕方ない、全員撤退してくれ。艦娘を守るのが最優先だ」 pic.twitter.com/UwBjEyZ91g

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24. その後何度か出撃したもののやはり空母棲姫は相変わらずこちらに艦載機を向けてきた。 （あの声は…なんだったんだ） 疑問に思いつつも今は精一杯迎撃するしか無い しかし侵攻部隊主力艦隊は案の定というか戦艦棲姫…ピーコック島攻略作戦では彼女に阻まれ作戦は失敗した