霧雨の鎮守府の決意

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25. 榛名「残された燃料、弾薬です。損傷した艦娘は現在整備中。数時間後には出撃できます」 ザハ「ありがとう。残り１～２回か」 現状本土防衛作戦は参加提督の多さもあり優勢に立っていた、おそらくこのまま旗艦への攻撃を繰り返せば撃退は可能であろう。

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26, ザハ「榛名…」 榛名「はい、どうされました？」 ザハ「もともと絶望的な戦いの中、ついてきてくれてありがとう」 榛名「提督…お礼言われても…これくらいしか榛名はできません」 ザハ「おそらく数回の出撃で燃料が尽きる…その時、私がここにいないかもしれない」 榛名「！？」

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27. ザハ「この戦いの先が見えなくなった…って感じかな。もはや何のために戦っているのかも…」 榛名「提督…榛名をずっと待っていた提督を、あの日…すごく嬉しかったんです。だから信じてます。最後まで、指揮を取ってください。」 ザハ「そうだな…最後までは全力…いや死力を尽くす」

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28. 榛名「でも、一つだけお願いです。この先のことは終わってから考えてください。あともし…ここを去ることになっても。榛名たちのことは忘れないでください。一緒に戦ったあの日を」 ザハ「…ああ、行こうか。このロクでもない世界だけどさ、悔いは残さない」 to be continued

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----------霧雨の鎮守府の決意（後編）--------

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1. ザハ「支援艦隊は所定の位置に到着したな。主力艦隊、出撃！」 提督の号令とともに艦娘が出撃する。残された燃料はあとわずか 提督もそれは覚悟の上であったがそれと同時に疑問も浮かんでいた （この深海棲艦との戦いは…どこへ向かっているのだ）

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2. 深海棲艦は艦娘でしか撃沈できない。これは周知の事実である。そしてさっき聞いた「声」それ以前にも似たような「声」を聞いていた。一つの噂があった 深海棲艦は撃沈することで怨念が解き放たれ、艦娘となるのだと

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3. だが再び現れる空母棲姫。もしかしたら…解き放ってなんかいないんじゃないか。そして戦いには犠牲はつきものであり、轟沈する艦娘もいる。その艦娘はどこへ行く…？わからない、なぜ戦うかも。なぜ艦娘を指揮しているのか 長門「前衛艦隊沈黙、先へ進む」 そんな提督を旗艦長門の声が呼び戻す

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4. ザハ「損傷は軽微だな。進軍してくれ」 少なくともこの戦いは戦い抜く。仮に…また「あの時」のように作戦失敗なら…今度は覚悟を決めている。ザハは引き出しの中から一つの写真を見た ザハ「これが慢心というなら…どうしろというのだ」 pic.twitter.com/jgulUKmxSm

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5. 北上「前衛潜水艦隊半数を撃沈」 ザハ「雷撃による損傷は？」 北上「まぁ、問題ないってとこだね～」 ザハ「よし、進軍してくれ」 （またあの場所だ…）

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6. 瑞鳳「まもなく交戦距離、第一次攻撃隊発艦！」 隼鷹と瑞鳳が艦載機を放つ…が敵の艦載機の方が上回っている。しかし現状の航空戦力ではこれが限界である。 「サクテキヲ オロソカニスルカラダ…」 完全に不意打ちだった。雷撃隊が隼鷹へと迫ってくる

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7. 榛名「敵艦隊の交戦距離より離脱しました。隼鷹さんが致命的損傷です」 ザハ「……だ」 長門「！？」 ザハ「進軍してくれ。主力艦隊は見つかったか？」 榛名「提督…？」 長門「了解した。索敵を頼む」 致命的な損傷を負っているのに進軍指示、これは轟沈の可能性があるということだ

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8. 轟沈に関しては検証と…多大なる犠牲により致命的損傷で進軍後の交戦で発生しているケースが全てであった。ゆえにこのような進軍指示は提督の慢心や無茶ということがすでに知らてている。艦娘も薄々気づいてはいるが提督の命令が第一である。

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9. 隼鷹「へへっ…大丈夫大丈夫。これくらいまだいける」 とはいえ彼女の飛行甲板は破損し、艦載機の発着艦は困難であった 瑞鳳「敵艦隊、発見。あれ…」 長門「どうした？」 瑞鳳「敵戦力…戦艦棲姫が２隻！？」 長門「何！？」 榛名「そんな…」 武蔵「一体どうなっているんだ」

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10. 戦艦棲姫、深海棲艦の中では超弩級戦艦にあたる。一隻でもこちらの大口径砲、夜戦での至近弾ですら沈めるのは困難であった。それが二隻である 武蔵「あいつだけは…と思ったがまさか二隻で来るとは」 長門「やれることをやろう。提督もそれを思っている」

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11. ザハ「みんな…本当に我儘に付き合ってもらって申し訳ない。絶望的だが『本土防衛のために戦った』という記録は残したい。そして鎮守府の未来を…守りたい。だが誰も失わせない、それだけは約束する」 長門「提督…」 榛名「行きましょう。皆さん」

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12. 時間は出撃前に戻る ザハ「鹿屋基地は…っと」 ------------------------------------ Ricardo「ザハ＝サン？どうしたんだ」 ザハ「いや、冷さんは出撃中だっけ？」 Ricardo「ああ、本土防衛作戦で分隊を撃破して帰還しているとこだ」

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13. ザハ「そうか、よかった…りかさん」 Ricardo「ん？」 ザハ「鎮守府の未来…頼んだ」 Ricardo「ザハ＝サン！？ザハ＝サン！？」 そこでザハは通信を切ってしまった。今思うと悪いことをしたのかもしれないだがこれから艦娘と歩む同志に連絡は入れておきたかった

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14. ザハ（ま、これじゃあまるで私が沈んじゃうみたいだけどね） そんなことを思ってるうちに艦娘から通信が入る 瑞鳳「敵艦載機を確認。航空戦、開始します！」 中枢部隊ゆえか先ほどよりは艦載機は少ない、が瑞鳳一人ではまかないきれる量ではなく、一部攻撃機がこちらへ向かってくる

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15. 長門「総員！回避行動」 爆撃機の爆撃は武蔵が受け止めた。幸い損傷は軽微のようだ が雷撃隊の魚雷が無慈悲にも隼鷹に向かって放たれた。すでに致命的損傷を負う隼鷹は回避すらままならない状態であった 瑞鳳「隼鷹さん！」 瑞鳳の叫びは水しぶきにかき消された

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16. 魚雷の衝撃が収まったところで回りを見渡すが、そこに隼鷹の姿はない 長門「くっ…」 武蔵「すまない…爆撃機だけで手一杯だった」 瑞鳳「隼鷹さん！」 北上「…」 榛名「そんな…」

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17. 隼鷹（あれ…あたし…沈むの…？マジ…？） 隼鷹は遠くに見える水面を見つつこう思っていた もうあの水面には戻れない…あの空を見ることはできない…っと ザハ「…緊急ダメコン発動！」 その指示と同時に隼鷹の体が光に包まれる。気づくと 水面にいた

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18. 飛行甲板は破損したままだが水面に確かに立っている。 ザハ「無事に発動したか…」 榛名「応急修理要員…積んでたのですね」 ザハ「言っただろ、『誰も失わせない』って」 武蔵「話には聞いていたが実際見ると心臓に悪い」 隼鷹「あたしは戦えないけどなんとか沈まずにはいられそうだ」

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19. ザハ「すまない、発動したか不安があってな」 北上「前も見たことあるけど、心臓に悪いわー」 実際、緊急ダメコンは轟沈となるダメージを受けた際艦機能を回復させ轟沈回避に有用だがそれゆえ再出撃の際装備を忘れ、轟沈してしまったケースも見られる。

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20. また、この世界の応急修理要員は轟沈してからでなければなぜか発動しない。ゆえに一瞬「三途の川を見た」という艦娘もいるほどである。 長門「それより砲戦距離だ、砲撃戦よーい！」 ザハ「おそらく片方は囮だ。主力艦隊を統率してるのはこれまで通り旗艦だ」