「コンスピーラシィ・アポン・ザ・ブロークン・ブレイド」 #1
「質問する。頷くか首を振るかで答えろ」オブリヴィオンがアメダ=サンの目を正面から覗き込む。「お前はただのサラリマンか」アメダ=サンは力一杯頷いた。涙目で何度も繰り返し頷いた。
2010-11-16 18:16:57「マイコ遊びの帰りか」アメダ=サンは力一杯頷いた。「船を間違えたか」アメダ=サンは力一杯頷いた。
2010-11-16 18:20:31オブリヴィオン=サンは一瞬、沈黙し、それから奥で正座するニンジャを見た。「嘘は言っていない」…まごころが通じたのだ!アメダ=サンは安堵のあまり失禁しかけたが、もう膀胱は空っぽだ。
2010-11-16 18:24:23「では消せ」奥のニンジャが無造作に言い、オブリヴィオン=サンが頷いた。そしてアメダ=サンの頭をつかんだ。「イヤーッ!」「アイ…」アメダ=サンは塵芥に分解され、カツオブシめいたカサカサの細胞の粉となって、衣服とともに畳の上に散らばった。
2010-11-16 18:27:43「くだらない余興が間にはさまったが、そろそろ時間だ。始めなさい」正座ニンジャが低く言った。天井ニンジャが畳上に着地した。オブリヴィオンはショウジ戸を少しだけ開け、外の様子を伺った。「よし」勢いよくショウジ戸を開くと、彼は天井ニンジャを伴い、運河とネオンの夜の中へ滑り出た。
2010-11-16 18:50:40(親愛なる読者のみなさん:たった今、IRCメッセージにて、モーゼス側から直接の修正要求が入りました。下書きノートの仮テキストを誤って掲載しているとの事です。翻訳チームの該当者は拘束されました。修正箇所はごくわずかですみます。)
2010-11-16 21:25:25運河沿いの道をひとつ奥へ入り、 淫靡なネオン看板が表通りよりもさらに過密に交錯する路地裏へ足を進めながら、2人のニンジャはブツブツと囁きかわす。
2010-11-16 21:36:242人の頭上で明滅するネオン文言は、より一層露骨かつ破廉恥だ。「上下体位OK」「回転する」「スゴスギル」「触る」……。
2010-11-16 21:40:05「今更こんな事を確認するのも何だが」オブリヴィオンの相棒、先ほど天井からぶら下がっていた藍色のニンジャ、ナインフィンガーが問う。「あいつが実際誰なのか、考えた事は?」「……さあな」
2010-11-16 21:55:17オブリヴィオンは首を振った。ナインフィンガーはなおも続ける。「二重スパイで、今回の情報をエサに、反乱分子をあぶり出そうとしているとは考えられんか?」「無いな」オブリヴィオンが冷静に答える。「それは奴にとってもリスクが大きすぎる行為だ」「……違いない」
2010-11-16 21:57:37ナインフィンガーは納得し、無駄口をやめた。「あいつ」、すなわち、屋形船で2人の首尾を待つニンジャは、己をゴンベモンと名乗った。ゴンベモンとはネオサイタマにおいて「ジョン・ドー」のように使われる言葉である。
2010-11-16 22:02:41ふざけた自称ではあったが、ゴンベモンからの提案とそれに付随する精緻な情報は、オブリヴィオン達にとってあまりにも魅力的なものだった。かように精緻な情報を持っているからには、このゴンベモン自身、ソウカイヤにおいて相当のアクセス権限を所持する上位存在であろう事は必定であった。
2010-11-16 22:14:06ゴンベモンが二人の元へ持ち来たったのは、ニンジャスレイヤーに敗れ植物状態となって集中治療を受けているダークニンジャの詳細な所在とセキュリティ情報……すなわち、ダークニンジャ暗殺計画であった。
2010-11-16 22:30:17謀反!いや違う。オブリヴィオンとナインフィンガーは、ソウカイ・シンジケートとマスターニンジャたるラオモト・カンに対して鋼のような忠誠心を持つ、生え抜きの武闘派ニンジャであった。忠誠心あればこその、殺意!
2010-11-16 22:38:43