ニンジャスレイヤーガイド ＃２

ニンジャスレイヤーガイド @njslyr_guide

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ニンジャスレイヤーガイド @njslyr_guide

【リアルな日本描写！ズシリとくる手応え】

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

人影はニンジャスレイヤーに向かってオジギをした。「ドーモ。ニンジャスレイヤー=サン。ダークニンジャです」「ドーモ。ダークニンジャ=サン。ニンジャスレイヤーです」オジギ終了から0.02秒。ニンジャスレイヤーは跳んだ。後悔は死んでからすればよい。今は目の前の敵を倒さねばならない！

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……ご覧の通り、ニンジャのイクサはアイサツから始まる。彼らは試合をしているのではない。殺し合いだ。憎み合い、相入れない敵同士なのだ。だが、彼らは礼儀の心を重視している。原作者の日本文化への深い理解が、このような戦闘開始時のシーケンスを生み出した。

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そして、互いの名を呼ぶ場合、名前に「=サン」をつける。ニンジャが相手の名に「-san」をつけるという礼儀作法は、もともと英語圏においてもよく理解されており、既存のコミックなどで、ニンジャ軍団がそのようにサンを付けて相手を呼ばわるシーンをご存知の方もいるかもしれない。

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ケブラー・トレンチの男は、左右を見渡して席を探した。ノレンから一歩足を踏み入れれば、そこはもうカウンターで、四十人からの下層労働者やマケグミ・サラリマンたちが一列になって固定式の椅子に座っている。俗に言う、ウナギの寝床と呼ばれる横長の店構えだ。奥行きは、１メートルあるかないか。

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店の一番奥、不潔なトイレの横にひとつだけ空席があった。客の背中に肩をぶつけながら、トレンチの男はウナギの寝床を進んでゆく。店内には「ちょっと失礼します」の一声を奨励する張り紙があるが、彼はそれを省みようとせず、オジギさえもしない。この男には、どこか捨て鉢なところがある。

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無人スシ・バーでは、すべての席が孤立しており、横の席との間にはヒノキ板の仕切りが立っている。この板を越えて話をすることは、基本的にはマナー違反だ。客が見るのは、手元のスシと、目の前にある墨絵の描かれた白壁だけ。まさに、スシのための完璧なワビサビ空間がここにあるのだ。

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これは「レイジ・アゲンスト・トーフ」http://t.co/0e9pR5iM 冒頭の無人スシ・バーのシーンである。原作者は日本在住の甥やインターネット検索を通して、様々な外食店舗写真やカルチャーの情報を集め、リアルでビビッドな、なおかつ近未来的な描写を実現させている。

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「マイコ」「今日は二倍量。」「高くはないし、色気」「ヨイデワ・ナイカ・パッション重点」。運河沿いの建物に所狭しと据え付けられたネオン看板の淫靡に爛れた文言と、扇情的なBGM。屋形船に追い立てられたバイオ鴨が、バイオネギの群生地へ飛びながら逃げて行く。

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屋形船のショウジ戸の内側はワンルーム・マンション程度の広さの茶室となっており、黒金庫型冷蔵庫の中には、オハギ、ヤツハシといった自由につまめる嗜好品があらかじめ用意されている。中にはコタツ施設が完備されたものすらある。

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ノビドメのサイレント屋形船でたらふくスシを食したのち、運河に沿って建てられているクルーズイン・マイコステーションへ船内からワン・ジャンプで飛び込む……世のサラリマンが「贅沢とは」という命題に対し、真っ先に思い浮かべるビジョンであった。

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運河を渡る屋形船……日本的な郷愁を誘うクールな光景だ。原作者は当然、そういったビジュアルも貪欲に取り入れ、表現する。屋形船の中にどんなものがあるか、しっかりと描写されている。また、ここでは「ニンジャスレイヤー」を常に彩るネオン看板群も登場しているので、ご注目いただきたい。

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ダイヌンガ小道の安宿を抜け、通りの多い道路を横切ると、高架下のワン・トークン・ノミヤ屋台村に辿り着く。サッキョー・ライン鉄道のエクスプレスが分刻みのダイヤを死守すべくひっきりなしに通過する騒音と震動の中、サラリマンやブルーカラー労働者はこの屋台村で、無言でオチョコを傾けるのだ。

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高架が続く限り、薄ら潰れた屋台村の列も伸び続ける。重金属酸性雨をかろうじて凌ぐべく。「焼き物」「おマミ」「カシワ・モチ」「人間味」「木の温もり」。屋台が掲げる思い思いのノレンの並びは、色褪せ錆びたブードゥーめいたマンダラである。

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立ち飲み屋台「そでん」。バイオスズメめいて鈴なりに並ぶサラリマンの背中にまぎれ、その男もまた、誰とも言葉を交わす事なくショチューを飲み続けている。

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……サラリマン街のリアルな雰囲気をたたえた情景だ。サラリマンといえば、その社会的な振る舞いを、一歩踏み込んだ形で作中に取り入れている事も紹介したい。

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メジマキ・ビニール・コープのカカリチョ・サラリマン、アメダ=サンはフラフラとシンタマ=サンに寄りかかった。二人は額にネクタイを巻き、サケとバリキで完全に出来上がっていた。二人が後にしたマイコステーション「イカ」の軒先では、マネージャーが深々と二人へのオジギ姿勢を取り続けている。

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「できた店だ！」もうろうとしながら、アメダ=サンは「イカ」軒先を指差した。「まだオジギを崩しませんよ」「奥ゆかしい！」シンタマ=サンは頷いた。「ずっとここに立ってみましょうか？」「ダメ！下品ですよ！」「そうですね！」「そうですとも！」

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すかさず二人は合掌しながら斜め40度に腰を曲げて笑いあった。「ユウジョウ！」相手を非難する際どいジョークは、こうしてその嫌味をすぐに中和するのがセオリーだ。カイシャ世界で揉まれた二人のカカリチョだからこその高度なコミュニケーションであった。

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こうした儀式的やり取りのリアルな手触りは、原作者の執念深いリサーチの賜物であろう。ときに本物の日本以上に本質的な日本社会の姿が立ち現れる……美しきも醜きも……それは彼らがしばしば言及する「ブラム・ストーカー・エフェクト」のたまものだろうか？

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――なるほど、深い意味があるんですね。ところで意外にも、初版執筆時、お二人は日本を訪れたことがなかったとか？　「逆にそれが良いケミストリーを生み出した。僕たちはそれをブラムストーカー・エフェクトと呼ぶ。彼が東欧を実際に訪れていたらドラキュラは駄作になっていたかもしれないよ（笑）」

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礼儀やサラリマン、ゲイシャのみならず、原作者は日本的カワイイカルチャーについても注意深くアンテナを張り、作中に取り入れている。たとえばこれは、人工アイドル「ネコネコカワイイ」についての一節だ。

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「コンバンワー！」「キョート！コンバンワー！」スモークの柱が立ち上り、屋外ステージに２体のオイランドロイドが現れる。BPM133のカワイイテクノに合わせ、驚くほどの人間味でダンス。そして脚をＷ字にネコネコカワイイジャンプを決めた。「スゴイ！」「スゴスギル！」観客は拍手喝采！　10

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「最近女性とうまく付き合えない」「そんな症状は出ていませんか？」「ビョウキかもしれません！」ネコネコカワイイはサイバーステップを刻みながらＭＣパフォーマンス「薬を飲むの？」「いいえ！オムラ・メディテック社のオイランドロイドが解決します！」「「一部医療保険適用ヤッター！！」」　12