安倍首相への「辞任勧告」　～理由は「罪を償わせる」発言。(準備稿)

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)そう取ると、これは一神教的な”聖戦”思想に近いとも言える。異教徒も自分たちと同レベルに「神と正義」を信じている事は知っている、それを認めた上で、妥協不能の戦いの結末＝「裁き」を神に委ねる。我らの全力をご照覧有れと。イスラム教のジハード(聖戦)の思想も恐らく似たもの。(続

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

キリスト教・イスラム教的な”聖戦”(全力で戦い、裁きは公正な第三者に委ねる)行為は、日本でも裁判・選挙と言った公的システムだけでなく、「漫画化の雑誌連載」でも日々行われる事。他者の連載の人気を「自分より下」にさせ雑誌から排除し、単行本化と言う「自分の利益最大化」を目指す”聖戦”。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)この戦いがフェア(＝公正、聖)である事を保障するのは、連載打ち切り＝裁きを行うのが「利害関係のない第三者」である事。一に読者の人気、二に編集出版の裁量。「自分の漫画は読者への使命感。他者の漫画はウケ狙いでアザトいだけ」と本人が思っても、商売としての「負け」は粛々と受容する。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)一神教教徒に限らず、資本主義社会の商売人も「聖戦＝フェアな競争」を行っている。信仰する神は「金」「弱肉強食」。”しくみ”はまったく同じなわけです。自分が打ち切られた雑誌に載り続ける漫画を「倫理に反するほどヒドイ」と思っても、本人が「その罪を償わせてやる」等とは言えない。(続

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)ヒドい(と思った)漫画が誰かの名誉毀損、直接人権侵害と言う「触法」のレベルだと思えば、出版社に文句を言わずとも個人が司法に「告発」を行う事が出来る。しかし裁定＝償わせる事が出来るかどうかはやはり公のルールに「委ね」「従う」。告発する前から「償わせる」と言ったら司法の無視。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)ヒドい(と思った)漫画を出版した責任は一に出版社にあるからそこに抗議するのも勿論正しい。ただし抗議内容に社会的常識に基づく「公共性」がないと、「ただの営業妨害」「ヤクザのユスリ・タカリ」と外形的な区別が付かなくなります。度が過ぎるとその行為の方が逆に「触法行為」に。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)一神教徒は「自分に気付かぬ非があれば、納得いかずとも上位存在に裁かれる」事を自分の倫理の前提にする。だからこそ全力で「自分」を主張する。これが一神教徒でない人には「度を越えて傲慢」に見えてしまう事もある、と言う行き違いも。近代法治は言わば「神」を「法」に入れ替えれたもの。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)どう裁きが下っても”自分の方が滅びる"事はなさそうな非対称戦争で”聖戦”的物言いをするのはややズルこい。だが既に９１１で自国主要都市中心がああなった、と言う時点で「意識」は変わらざるを得ない。首相がもし日米共同作戦に”本番”があると言うなら「死生観」をも共に出来る必要がある。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)自分から「宣戦」するとは、場合に依っては宣した自分が敗北し 「元々自分が持っていたものまで相手に剥奪される事もある」 事を、あらかじめ”敵”と”第三者の世界”に向けてあらかじめ「承認」する事。 先にそこまで考え抜く事無く戦争を宣するのはただの「亡国の徒」。 煽った者も同罪。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続) ＜「裁き」を「受けさせる」。(キャメロン)＞ これは安倍首相が自発言を「国際法に則って裁かれるべきだ、と言う意味だ」と語ったのと ほぼ同じ。裁くのは国際司法と言う第三者であり、「我々」はそこに判断を委ねる。 この点オバマも同じ。しかし安倍首相の＜罪を償わせる＞だけは、違う。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)「法の裁きに委ねる」事と「罪を償わせる」事は、違う。 「罪」の有無も、その「軽重」も、”判決”が出るまでは確定しないからだ。 判決が確定し「罰＝償いの内容」が定まり、そこで初めて「償い」が始まる。 ３者の中で安倍首相＜だけ＞が、公判前から「有罪」だと決めてしまっている。

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続)コノ国では誰かが警察(司法に非ず)に逮捕された時点で、裁判どころか書類送検も待たず”最後の結論”たる「有罪」が”最初から確定”した「犯罪者」扱いし、敬称を外しプライバシーを暴く”人権侵害”に報道も国民も無自覚。首相発言は要するにそう言う”法治無知国家”日本の世界への「告白」。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)安倍首相の「法に則って裁くべきだという意味」は妥当で問題なし。多分事務方用意の文も。日経報道によれば安倍首相はここにわざわざ＜罪を償わせる＞を追加したと。 前から分かっていた事だが、首相の「法治への無知」の世界への表出。海外邦人を危険に晒す「危険首相」。 「辞任」に値する。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続) 安倍首相は＜罪を償わせる＞の一文を追加した事により 日本は国連や国際法の判断を待たず「俺が決めたから」で「復讐」「私刑」を行う考えのある国だ、と世界に表明してしまった。 つまり、ＩＳＩＳと「同じ」。 元々の似た者同士が、脅迫を「真に受けた」事で「朱に赤」となった。

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続) 今回の「罪」とは日本人二人を拉致し人質脅迫に用い、殺害したと「見られる」こと。国連憲章も日本国憲法も保障する生存権、基本的人権の侵害。 しかし客観的証拠はゼロ。隠滅の意図があれば確認は永久に困難に。今いかなる「罪」があるか、と言う事すら難しい。全部が「詐欺」、も全否定困難。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)英キャメロン首相は、起こったと「見られる」罪の証拠を「どこまでも探し続ける」意思を表明。常に重要。理念の再確認。一方で”どこまでも”探さないと見つからないであろう、と言う「不可能に近い困難」の認識表明であり、これが「現実を無限に理念(実質不可能な目標)に近づける」政治の原理。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

戦前戦中の日本は近衛首相の「国民政府を相手にせず」の一言で戦局を泥沼化させ、ポツダム宣言を”聞き置く”保留にしたいつもりが「無視」にあたる語を使ったため「拒絶」と理解された。行き違いがなければ終戦は原爆投下より早かった可能性すらある。国際間対立に関わる「一言」はこれほど大事。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)国際間の言葉のやり取りは常に翻訳バイアスがかかるので言う前からその可能性を吟味し想定する必要がある。対立の場合は致命的な”ボタンのかけ違え”(対立点の認識自体の不一致)にもなる。かけ違えが何重にも絡まると短期には修復困難。「あたらない」「問題ない」とか言ってて済む話ではない。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

昭和２０年、日本は８月１１日の時点で既に海外に対しては、＜実質的に＞ポツダム宣言を受諾する放送を行っていた。多くの海外では１１日時点で「日本は直ちに降伏する」と理解されていた。だが国内では、宣言の「subject to」の解釈について陸軍と外務省が不一致を起こしていた。(続

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)このために宣言受諾の国内向け発表＝降伏宣言は１５日まで延び、しかも１４日深夜に掛けて軍の一部が１５日正午に決められた天皇の放送（玉音放送）を阻止しようと反乱を起こし、皇居にまで侵入した。１４日には熊谷市で最後の大規模空襲があった。「降伏が１日早ければ」この犠牲もなかった。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

自分も「罪を償わせる」だけ見た時点では、「この場でこの語」の持つ問題点の核心には気付かず。オバマ・キャメロン両発言との比較表で、初めて明瞭に認識したわけです。ジョン・ロック他法治思想の基盤を作った国の一つ、また民主主義の本質を言葉にしたリンカーンを生んだ国。伊達ではない。