ア・クルエル・ナイト・ウィズ・レイジング・フォース・フロム・ソー・サイレント・フィアフル・レルム #7

日本語版公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 書籍版公式サイト http://ninjaslayer.jp/ ニンジャスレイヤー「はじめての皆さんへ」 http://togetter.com/li/73867
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」「イヤーッ!」ペイルシャークは激しくドラゴン・ニンジャを攻めたて、状況打開に出させない。ドモボーイは右と正面のゲニンを次々に倒し、彼女に加勢すべく、残る一人を排除しようとする。「イヤーッ!」「イヤーッ!」そのゲニンは思いがけずドモボーイの拳を掴んで止めた。25

2015-02-03 00:14:47
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ゲニンの貌は絶え間なく流動するノイズ集積物だ。恐怖がドモボーイを捕えた。結果的には恐怖がドモボーイを救った。彼はコンマ数秒にわたって続いた正体不明のおそれがこの瞬間に結実したように思ったのだ。KBAM!掴まれたサイバネ腕の手首が火を噴き、肘が火を噴き、肩が火を噴き、脱落した。26

2015-02-03 00:22:04
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「「グワーッ!」」ドモボーイは右腕を失い、倒れ込んだ。もう一方、腕の爆発にもろに呑まれたゲニンは松明めいて燃え上がり、あおむけに倒れながら爆発四散した。自ら腕を捨てたドモボーイに怯みはなかった。彼は床を転がり、ペイルシャークに掴みかかった。「イヤーッ!」「グワーッ!?」 27

2015-02-03 00:24:45
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「殺れッ!」ドモボーイはペイルシャークを片腕で押さえつけながらドラゴン・ニンジャに向かって叫んだ。「悔しいがこれで精一杯だ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」ペイルシャークがドモボーイの延髄に肘を打ち下ろす!「どけ!サンシタ……グワーッ!」ペイルシャークの顎が破砕、吹き飛んだ。 28

2015-02-03 00:34:18
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ドラゴン・ニンジャは強烈きわまる後ろ回し蹴りの動作を終えた。ゴウランガ!これぞドラゴン・ドージョーのカラテ、ドラゴン・ウシロ・アシ!更にゴウランガ!ザンシンにはまだ早い。ペイルシャークが三重の牙を床にまき散らしながらドラゴン・ニンジャを見る。慄く。逆の脚が二度目の回し蹴りだ!29

2015-02-03 00:37:33
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「キエーッ!」「サヨナラ!」ペイルシャークの首が吹き飛び、爆発四散!「シルバーキー=サン!」ドラゴン・ニンジャは駆けつけようとする。ナムサン……次の敵はサイズマスターだ。遠く離れたナヤミが下へ腕を強く振ると、エンブレイスの身体がうつぶせにたたきつけられる。「グワーッ!」 30

2015-02-03 00:39:43
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」カラテ粒子大鎌の連続攻撃が、ドモボーイとドラゴン・ニンジャをエンブレイスから遠ざける。ゲニンの一人がうつ伏せでもがくエンブレイスのもとへ近づき、屈み込む。エンブレイスの手が捻じれ、彼自身の意に反するように、無理やりに差し上げられる。立方体が引き剥がされる。31

2015-02-03 00:42:06
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ドモボーイは力尽き、膝をついた。「俺は、畜生、どうすりゃいいんだ!」その叫びは悲痛だった。明らかによからぬ事が起ころうとしている。「イヤーッ!」「グワーッ!」ヴァストバルクの蹴りを受け、横ざまに吹き飛んだのはニーズヘグ。ドモボーイは目を疑う。ドクン……強烈な心臓の鼓動。 32

2015-02-03 00:47:53
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

事ここへ至り、ドモボーイですらも、オヒガンの彼方からの凝視に気づいた。彼の宿す下級のニンジャソウルの感受性ですらも、同様に下級ソウルを宿すヴァストバルクですらも、その瞬間の名状しがたいアトモスフィアの影響を強烈に受け、畏れに身を凍らせた。いわんや高位ソウル憑依者をや? 33

2015-02-03 00:52:11
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ナヤミ、ニーズヘグ、ホワイトノイズ……キョート城深淵部は特に危険な区域だ。あまりにも露わなのだ。意識・無意識を問わず、高位ソウル憑依者は常に恐怖と戦い、己を律さねばならない。それが彼らのパフォーマンスを低下させる要因にもなっている。而してこの瞬間の「凝視」は激しかった。34

2015-02-03 00:59:24
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

メイルシュトロムの手の者は常日頃この地に身を置くがゆえ、まだ慣れがあった。だが、「アアアアーッ!」負傷の大きさも手伝って、その瞬間ホワイトノイズが発狂し、絶えざる悲鳴を迸らせた。ナヤミは己の身体を抱くようにして膝をついた。ニーズヘグは受け身を取れず、壁に叩きつけられた。35

2015-02-03 01:02:26
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ドラゴン・ニンジャは……サイズマスターと対しながら、低く腰を落とし、反射的にチャドー呼吸を行った。断片化された彼女の記憶の不完全性とチャドー呼吸、あくまで学術的な古代ニンジャ知識の蓄積が、彼女の理性を守った。……かの者が注視したのは、メイルシュトロムによるジュエル奪取である。36

2015-02-03 01:08:11
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「これニて悲願達成でアる」メイルシュトロムはジュエルを掴みとり、立ち上がると、無造作にエンブレイスの脳天を踏み砕いた。「サヨナラ!」エンブレイスは……即ち、シルバーキーは、爆発四散した。かの者の注視はほんの数秒の事だ。下位ソウル憑依者から順に恐慌を脱し、イクサを再開した。37

2015-02-03 01:13:22
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」ヴァストバルクが壁に叩きつけられたニーズヘグめがけ、ビッグカラテトーキックで襲い掛かった。「イイイヤアーッ!」ニーズヘグの横の壁を蹴り、ヴァストバルクの足裏を蹴り返したのは、スパルトイである。「イヤーッ!」さらにディミヌエンドが跳びあがり、ニーズヘグを救出した。38

2015-02-03 01:16:20
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「チビスケ!」ヴァストバルクが勝ち誇り、立ちはだかるスパルトイに拳を振り下ろした。「イヤーッ!」「イヤーッ!」スパルトイは側転で回避!そこへヴァストバルクのビッグケリ・キック!「イヤーッ!」スパルトイは短刀でガード!短刀破砕!「グワーッ!」さらにビッグケリ!「グワーッ!」39

2015-02-03 01:19:02
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

吹き飛ばされたスパルトイは、ニーズヘグを抱えるディミヌエンドのすぐ横で受け身を取った。「ビッグカラテ!」ヴァストバルクが両足を踏みしめると、大地が震えた。「我ハ超越者ノ膝元ニアリ!幸セデス!」「ふざけるんじゃねえ」スパルトイは破損メンポを剥がして捨てた。「師匠の仇は俺が討つ」40

2015-02-03 01:22:22
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「殺すな。愚か者」ニーズヘグが血を吐いた。「得物無しか」「ご無事で?」スパルトイは驚いて振り返った。「え、得物?素手のカラテで倒して見せます!」「見たくもなし」ニーズヘグは腰に帯びたニンジャソードを差し出した。「使え」そしてディミヌエンドを見た。「奴が目障りだ」ナヤミを示す。41

2015-02-03 01:25:06
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「この武器は……!こ、ここまで俺を認めてくださって……イサオシ!」スパルトイが武者震いした。ニーズヘグは顔をしかめた。「イヤーッ!」ディミヌエンドが神輿の方向へ飛び出した。ヴァストバルクは彼女を横殴りに襲おうとした。「イヤーッ!」スパルトイがそこへニーズヘグの剣を打ち振る! 42

2015-02-03 01:29:42
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

するとその刀身はセグメント分断されながら鞭めいてしなり伸び、ヴァストバルクの腕に巻き付いて、攻撃を封じたのである!「コレハ!」ヴァストバルクが目を見張った。スパルトイは我に返り、刃を振りぬいた。「イヤーッ!」「グワーッ!」輪状の傷!血飛沫!スパルトイは瞬時に間合いを詰める!43

2015-02-03 01:33:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

一方、これによりディミヌエンドは神輿のもとへ……標的の目の前へ、ひととびに到達した。「ヒッ?」ナヤミが我に返り、ゲニンを殺しながら迫るディミヌエンドを見ると、泡を食ってカラテを構えなおした。「イヤーッ!」そこへディミヌエンドは容赦なき二刀カラテで襲い掛かった。 44

2015-02-03 01:36:12
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」右刀防御!「イヤーッ!」左刀防御!ナヤミはこの二打のうちに恐慌状態を脱した。ニンジャアドレナリンが血中を駆け巡り、ディミヌエンドの激しいカラテに素早く対応する。「イヤーッ!」右脇腹へフック。「イヤーッ!」左肩にチョップ。「イヤーッ!」眉間に突き!ナムサン!45

2015-02-03 01:41:38
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

指先が彼女の眉間を砕き、衝撃波が脳をコンマ01秒のうちにジュースに変える。当然の結末だ。だがディミヌエンドの頭はそこにはなかった。彼女は上体を横にそらし、ナヤミの致命的なカラテを回避していた。それは彼女の踊るようなステップの一環だった。「グワーッ!」ナヤミの右腕が刎ね飛んだ。46

2015-02-03 01:45:54
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

更に、「グワーッ!?」ナヤミは鎖骨と鎖骨の間から生えた血まみれの刃を見下ろす。ディミヌエンドは既に彼の背後にあり、刺突を成功させていた。「バカな」ナヤミは震えた。「何たる……その若さでアバーッ!」ディミヌエンドが刃を引き抜く。ナヤミは崩れ落ち、「サヨナラ!」」爆発四散した。47

2015-02-03 01:48:49
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ドクン……ドクン……メイルシュトロムはジュエルを掴み、高く掲げた。さざなみめいたノイズが彼の不明瞭な身体を繰り返し洗った。「イヤーッ!」サイズマスターが大鎌を繰り出す。風がエンブレイスの爆発四散痕の塵を吹き散らす。「シルバーキー=サン!」ユカノは大鎌を躱しながら、叫んだ。 48

2015-02-03 01:53:26
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

もはやシルバーキーはここには無い。少なくとも、ドモボーイが理解した状況は、エンブレイスが爆発四散し去った、ただそれだけの冷徹な事実であろう。だがユカノは虚空に向かってなおも呼びかけた。「シルバーキー=サン!かの品はいまだ敵の手に落ちてはいない筈!フーリンカザンです!」 49

2015-02-03 01:56:32
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