「千の想いを」~最終章08「指示」~
- mamiya_AFS
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死闘は続いた。 音におびき寄せられた数は少なくはなく、沈めても沈めても新手が押し寄せて止む事は無く。より深くまでを目指しているのも併せ、まさしく息をつく間すら第十五支援艦隊のメンバーには訪れなかった。
2014-07-26 21:55:40龍田、常盤、夕張、伊吹に間宮と樫野の6人は、千代田の的確で最善の指示の元本来の戦力で可能な範囲以上の活躍を成したと言える。誰か1人でも欠けていたり、千代田の能力が無ければあるいは既に全滅していたかもしれない。
2014-07-26 21:58:47が、敵の数と強さが尋常とは離れ過ぎていた。 龍田と間宮を除き、メンバーそれぞれは既に小破以上の傷を負い、疲労が色濃く見え始めている。 特に、樫野だ。
2014-07-26 22:01:06彼女は元より戦闘要員でなければ性能が高い艦娘でもない。 武装の知識と扱い方が並ではない為に攻撃はまとも以上に行えていたが、航行や回避運動による疲労、そして捌き切れないダメージが蓄積し続けていた。
2014-07-26 22:03:40夕張の叫びが闇に響く。戦わなければ道は切り拓けないが、戦闘の音は当然奴らを呼び寄せる。 目的の位置までは大分近寄ったものの、先はまだ短くはない。
2014-07-26 22:05:14端的に言うのならば、既に限界だった。 死と隣り合わせである戦闘は、思っている以上に肉体と精神を削る。ましてやこの海域は完全なる闇の中であり、ただ航行するだけでも負荷を与えてくるのだ。 慣れていない艦娘が、ここまでついてこれただけでも奇跡とすら言える。
2014-07-26 22:12:48単装砲で駆逐ハ級の頭部を破壊しつつ間宮が心配そうに桃色の髪の艦娘を見やる。 唯一無傷のままであり動きに衰えも無い、現状エースとなって奔走しているだけでも驚愕に値するというのに、仲間達の様子を見る余裕すらあった。
2014-07-26 22:17:22頬まで垂れる血を額から拭い、青味がかった顔を樫野が上げる。拭った傍から赤に汚れ片目の視界を塞いでいく。 負傷した左腕で砲を支えてはいるが、反動に呻きを漏らす様は内臓にもダメージがある事を示している。
2014-07-26 22:24:28@tiyodadayo 皆さん決して無理だけはなさらないでください……! くっ…、手当てをする暇すら……!
2014-07-26 22:07:01夕張の『鬼哭』が火を噴き、無数の弾丸が海水を穿ち姿の見えない凶弾を無効化させる。 初戦こそ順調だったものの、千代田の指示が徐々に精彩を欠いていくのが見て取れた。理由は簡単である。ずばり『処理が追い付いていない』。 艦娘は飛車や香車の如く動けないし、乗せるだけで倒せるわけがない。
2014-07-26 22:35:28@tiyodadayo 千代田! 前方進行方向より新手! 駆逐ハ級2に軽巡ヘ級に重巡リ級! それに…、くそっ! 戦艦タ級が2だ!
2014-07-26 22:38:35