#北方鎮守府精神病棟　回覧診察＃３

荷重さん @MGLover_nijyu

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荷重さん @MGLover_nijyu

イベントも終わり、何時も通りチミドロフィーバーしてる諸君を尻目に執務。 イベント中に溜まった書類凄いから助けてくれ叢雲。 　 「それぐらい自分でやりなさいよ、アンタ何歳よ」 24ですすいません…。もうやだこのオカン…。 「次オカンって言ったら串焼きにするわ」 #北方鎮守府精神病棟

荷重さん @MGLover_nijyu

あと五十鈴の視線が凄い怖いんだけど私何かしたか。 凄い貞操の危機を感じるんだけど。 　 「…あ、2月作戦」 　 分かった潜水艦ぶち殺して来て良いから頼むからもう爆雷はやめてくれあれ死ぬほど苦しいから。 　 「ちぇー」 #北方鎮守府精神病棟

荷重さん @MGLover_nijyu

深海棲艦おいしそう　#とは

荷重さん @MGLover_nijyu

/////-ziz-zizt!///// 　 《《―応答－よ、決―は今―。しく―るな》》 　 「―はい、司令官さん」 #北方鎮守府精神病棟

荷重さん @MGLover_nijyu

Karte 1-2, inter mission "hurting hers" ―Is there the chronic disease? #北方鎮守府精神病棟

荷重さん @MGLover_nijyu

―ああ、私は今、なんて恐ろしい場所にいるんだろう。 　 #北方鎮守府精神病棟

荷重さん @MGLover_nijyu

※インターミッションって書きましたが実質チャプター2です。 誰も見て無くても続けます

荷重さん @MGLover_nijyu

N.M.H。 悪名轟くこの鎮守府は、人間艦娘深海棲艦の区別無く無差別に殺害していると聞いています。 　 そんな恐ろしい中に、練度も低い私がいる理由は。 ―大切な小隊メンバー、初霜ちゃんと若葉ちゃんが大破したことでした。 #北方鎮守府精神病棟

荷重さん @MGLover_nijyu

彼女達が大破したのは、正に練度不足が祟った物です。 ですが、私達の司令官は非情な判断を下しました。 　 《合理的に侵入するチャンスだ、行ってこい》 　 そうして、私は今此処に立っているのです。 ―救難信号を送信し、受け入れてもらった小隊の旗艦として。 #北方鎮守府精神病棟

荷重さん @MGLover_nijyu

「いやー、やっと出られた。参ったよ」 そう言ってドックから歩いてきたのは、最後の出撃の際の旗艦、最上さんでした。 練度は私より1,2高い程度なのに、その残虐性は比になりません。 　 「えーっと、後は長門さんと師匠と…あ！」 こちらに気付いたようです。 #北方鎮守府精神病棟

荷重さん @MGLover_nijyu

「ドック開いたよ！あと、初霜ちゃんも若葉ちゃんも、異常ないって」 そうですか、それはよかった…あの、彼女達は… 「えーと、一応今は3番ドックで二人とも待機してるよ。これから入ってもらうところ。僕が出てきた所だね」 分かりました、…あの、ありがとうございます。 #北方鎮守府精神病棟

荷重さん @MGLover_nijyu

「いいっていいって。うちのドック、他のとシステム違うから困惑するだろうけど、楽しいよ。暇になったら一度修復槽から出ればいいし」 あ、はい。それでは…。 「あ、うん。引き止めてごめん。それじゃあごゆっくりー」 そう言って彼女は、手をひらひらと振って去りました。 #北方鎮守府精神病棟

荷重さん @MGLover_nijyu

件の三番ドックに入れば、二人ともう一人の仲間…、三日月が顔を合わせてうなだれていた。 　 …どうしたの、皆。 「あ、隊長…。いえ、私達…」 「…殺す対象に助けられて、その上傷まで直してもらって…、こんな大恩を持った相手を殺すなんて、出来ない…！」 #北方鎮守府精神病棟

荷重さん @MGLover_nijyu

「…それに」 どうしたの、三日月ちゃん。 「…確かに此処は恐ろしい場所です。だけど、皆。…性根まで悪人じゃないみたいに感じました」 …私も、そう思うな。 司令官さんは優しいし、皆も闘う理由を明確にしてるし、何よりも助け合いや連携が凄いものね。 #北方鎮守府精神病棟

荷重さん @MGLover_nijyu

…だけど、やるしかない。 私達は、此処の所属じゃない。 あの鎮守府に縛り付けられた、『道具』としか思われてない存在。 しくじったら、死ぬのは私達。…分かってくれたよね？ 「「「…」」」 …大丈夫、全部私が一人でやるから。気に病まないで…。 #北方鎮守府精神病棟

荷重さん @MGLover_nijyu

―ドックの扉を押さえ付け、僅かにだけ開く。 廊下に人はいない…。使用中ドックは隣の2番ドック。 話が確かなら、ここには長門さんか日向さんが入っているはずだ。 　 素早く移動し、皆をこっちに誘導する。 固まっていれば、最悪私が囮になってでも逃げられるはず。 #北方鎮守府精神病棟

荷重さん @MGLover_nijyu

静かにドアを開け、皆を招きいれ、そっと閉める。 ドアを閉めれば、薄暗い部屋は光を失い、殆ど何も見えなくなる。 　 ドックの中心では、何かの培養槽のような円筒の中、薄緑の液体の海に、長門さんがいた。 目を閉じ、まるで安らかに眠っているよう。 #北方鎮守府精神病棟

荷重さん @MGLover_nijyu

速やかにタグ認証を行い、艤装を起動。 右手にかかる重圧は、『生まれ』てからずっと頼ってきた20.3cmの重み。 …頭の中が澄み渡る。 良く狙う、培養槽の中の、長門さんの、頭を。 　 …そこで、目が合いました。 ドックの中の長門さんは、こちらを見ていました。 #北方鎮守府精神病棟

荷重さん @MGLover_nijyu

―その砲で、私を撃つのか。 口だけを動かし、私へとメッセージを送ってきます。 艤装による視覚増強は、彼女の口の動きを、正確に、精密に教えてくれます。 　 ―お前が、撃てるのか。優しいお前が。 まるで子供を見るかのように長門さんの表情が緩み始めました。 #北方鎮守府精神病棟

荷重さん @MGLover_nijyu

―良いだろう、撃つといい。 その表情は、本当に優しくて。 　 ―だが、忘れるな。そして、良く狙え。目に焼き付けろ。 まるで、昔色々なことを学んでいたときに見た。 学校の先生みたいに、優しい目をして。 　 それでも彼女は、長門さんは。 #北方鎮守府精神病棟

荷重さん @MGLover_nijyu

―お前はこれから、自分の運命を歪める事を選んだ。 まるで、教え子の成長を喜ぶような瞳で。 　 ―お前はこれから、苦難を進む事を選んだ。 その瞳に、何とも言えない恐怖を感じて。 懐かしさと優しさと、狂気を感じて。 私の右手は、震え出していました。 #北方鎮守府精神病棟

荷重さん @MGLover_nijyu

―さあ、やってみろ。 私の恐怖を知ってか知らずか、長門さんは言葉を続け。 　 ―お前は、一人の「人間」を、殺すんだ。 私が今からやろうとしている事を、淡々と告げているだけなのに。 私の人差し指は、引き金を引こうとはしてくれませんでした。 #北方鎮守府精神病棟

荷重さん @MGLover_nijyu

気付けば身体は震え、汗が流れ落ち、脚も覚束無いほどになっています。 異変に気付いた皆が、心配そうに駆け寄ってきました。 「無理はしないでください！」 「隊長、やめろ」 「殺す必要なんてないじゃないですか！」 …皆有難う。でも皆のために、私がやらなきゃ…。 #北方鎮守府精神病棟

荷重さん @MGLover_nijyu

―そう、私が殺すのは私のためじゃない。 ここにいる、私を信じてくれた彼女達のためなのだ。 　 …そう思うと、少し震えが治まった気がしました。 もう一度、長門さんに20.3cmを構え直せば、人差し指も動きました。 　 後は、引き金を引くだけ…。 #北方鎮守府精神病棟