K・ワークスさんのサマーウォーズ実況

@ZEROWORKS

デリック・メイの新譜を聞きながらお仕事をするか、『サマーウォーズ』を見ながらお酒を飲むか、なかなかむつかしい選択であります。

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細田守さんが監督を担当された『サマーウォーズ』(２００９)を観賞するため、劇場に赴いた際は、仕事が徹夜明けであったせいもあり、実は客席で寝てしまったのですよな。

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「サマウォ」の冒頭、ほとんど1元的なネットワークの掌握に成功しているように見える「オズの世界」の視覚的なイメージが、いきなり「村上隆的な色彩とデザイン」に類似したイメージで迫ってくるのですが、「村上隆的なものが世界制覇する」と考えれば、見る者は違和感なく受け入れられるのかな？

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仕方のないことだとは言え、「間＝テクスト」論、あるいはテマティック批評的には、世界制覇を成し遂げたキャメロンの「アバター」と、細田守監督の「アバター」が共鳴関係に入る。

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「セカンドライフ」よりも楽しそうなヴァーチュアル時空間の創造という点では、「サマウォ」に軍配を上げざるを得ませんな。

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冒頭の「オズ」を紹介するシークェンスで、「ヴァーチュアルカメラ」による切れ目のない長回しは「モンタージュ」主義を滅ぼすか、という制作者の技術的な問題を適度なカッティングを重ねることで、上手くかわしてる。「エンターテイメント」志向だと手に取るようにわかる。

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「オズ」の守り主としてのジョン＆ヨーコは、もっと活かす手段があった気はしましたよね。

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音先で主役登場。

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なつきが背負っている「棒状のもの」は最後までいきてこなかったはず。

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デル社のディメンション９２００でしょう、このパソコンの筐体ね。

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確か。このあたりから、「フレーム内フレーム」の技法が炸裂しまくるんですよね。

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いやがおうにも興奮せざるを得ないオーケストラの盛り上がり。

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やはり数学などの現実味のある特殊能力がある素直な裏表のない草食系男子が理想の男子なんだよな。現代のアニメーション物語にあっては。

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美術背景の攻撃力の半端なさは、劇場版アニメならではですよな。

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田舎のお屋敷が大俯瞰で描かれて以後、徹底してロングショットが効果的に使用される。

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奥行きを捏造するズームではなく、ひたすら水平的なパンが重用される。この「水平性」が大事。

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このフォーカスがやたらにきついのが気になるのよな。こんなきついピンぼけは、たぶん、このカットだけなはず。

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床の間の静物が、オズ安二郎の有名な静物カットと共鳴関係に入ります。

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環境音というかベース音も劇場版クオリティーだよなー。こんな風にアニメが作られるのは、本当に作品にとって幸せな事態だよ。

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この朝顔がらの浴衣が、ラストで円環を完成させるのね。あと、おばーちゃんもフォーカスぼけてるな。序盤に集中。

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彼氏が手を握られてゆでだこ状態に。アニメのお約束演出。「手を触れる＝つなぐ」という出来事は、多くのアニメ作品と同様に、作品の説話論的な持続にあって、一貫した主題論的な細部を形成します。

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劇アニメで犬が出てくると押井さんを思い出すクセは矯正した方がいいと思う。

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ヘルメットのキャッチとテレビの中のう阿Qの試合ボールをとる仕草でマッチカット。結構ベタだが。その後、野球の試合が並行・象徴・注釈モンタージュの役割を果たしてゆくことにより、救われる。ベタだが。

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このあたりから横の構図のロングショットが効果的に機能し始める。

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イカを見せるだけでも、３回繰り返せば芸術になる。アニメ演出家は誰もが教わる、「3回繰り返せルール」。基本に忠実。それが大事。