【ニンジャの二次創作】アイ・ハヴ・ナッシング #1
- simanezumi88_n
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(当アカウントはこれからひさびさにニンジャの二次創作投下マシーンとなります。これはやさすい漬けのマグロが水槽の中で見た夢であり、本編・公式とは一切関係がございません)
2015-03-07 13:05:43(TLが私のツイートで埋まる可能性は実際高いです。煩わしく感じられたならリムーブ、ミュート等をお願いいたします)(専用の実況タグ #yasasui_nj が用意されております。生暖かい目で突っ込み感想何か実況用にどうぞお使い下さい)
2015-03-07 13:06:38なあ、知ってるか?ダメなやつは何をやってもダメなんだ。それはもう、徹底的によ。なんだ、兄ちゃん、俺の話に興味あるのか?なら、酒を奢りな…ヒック。 1
2015-03-07 13:09:52なんだ?兄ちゃんも金がないのか?シケてやがんなあ。まあいいや…。なあ、その串一本くれや…。…ありがとよ、ヒック。なんだよ、そんなおっかない顔するなよ…。別にネオサイタマでは普通だろうがよ…、ヒック。 2
2015-03-07 13:13:57俺ぁ今…なンもしてねぇよ。寝て食べてそれだけ。これはこれで苦痛で仕方ねえけどしょうがない。アー…、酒がうまい…。これだけだな、幸せは!チクショウ! 3
2015-03-07 13:18:02…男はニンジャであった。髪の毛はざんばら、髭は延び放題、顔色も悪く、ひどく隈の浮き出た落ち窪んだ目付き。ボロキレをまとっただけの、うだつの上がらないその風体は傍から見ても良くてヨタモノ、せいぜいが浮浪者のなりである。 5
2015-03-07 13:22:49しかもその顔は何かに焼けただれたかのように右半分が黒ずんでおり、より一層、壮絶で悲惨なアトモスフィアを見るもの全てへ見せつける。面と向かって男と相対する者がいれば、の話であるが。 6
2015-03-07 13:27:56軒先に破れた赤提灯のぶら下がる居酒屋『よもだ』は、その値段の圧倒的安さからヨタモノからマケグミサラリマンなどの幅広い支持を受けている。店内の一番目立たぬ奥の狭い席に男は陣取り、舟を漕ぎだした。 7
2015-03-07 13:32:06「最近あの人よく来るね」「ああ、それにしてもあの酷すぎる身なりと匂い、ちょっとなあ」厨房の影から店員が眉をひそめながら会話している。その会話の内容もニンジャ聴力を持つ男にはすべて聞こえていた。(((来たくて…来てるわけじゃねえ…))) 8
2015-03-07 13:36:57だが、男は反論も何もする気力はなく、ただただ睡眠を欲していた。寝れば忘れられる。辛いこの世はすべて幻、すべて無となる眠りの向こうこそが現実だ。 9
2015-03-07 13:41:17しかし、心地よい眠りも終わりは来る。「お客さん!閉店だよ!早く出ていってくれ!」店員のがなりたてるドラ声に男は頭痛を感じながら、首をもたげる。「あ…ああ……わかったよ…」男は深いため息をつきながらも素直に応じ、ふらりふらりと歩き出し、すんなりと代金を支払う。 11
2015-03-07 13:49:57男に行く当ては無い。せいぜい繁華街の裏、手入れもなされず放置された区域、浮浪者の溜まり場で弱っている哀れな浮浪者からフートンを強奪して寝るだけだ。いや、哀れなのは自分も同じか。所詮行き場の無いムシケラよ。 12
2015-03-07 13:54:32…一年前。平凡なマケグミサラリマンであったイケジマは今日もまた深夜0時を回るまで仕事に追われていた。あてのない新規飛び込み営業。商品ではなく自らの心を切り売りする日々。吹けば飛ぶような根拠の無いプライドを磨り減らす毎日。 15
2015-03-07 14:04:00社に戻れば容赦の無い叱責と分厚い電話帳めいた量の書類の束。片時もZBRドリンクが手放せない。いつになればこんな生活を脱出できるのだろう。 16
2015-03-07 14:09:45なんとか深夜2時に退社した彼はふらりふらりと重金属酸性雨降りしきるストリートへ出…、「アバーッ!」これもまた急ぎの配達に追われるコマネズミめいた違法速度トラックに、哀れなバイオネズミめいて撥ね飛ばされた。誰もかえりみぬネオサイタマではチャメシインシデントの出来事と日常。 17
2015-03-07 14:14:50(((チクショウ…。何てひどい人生だ…)))ふと、イケジマは自らの意識がクズユめいて鈍化し、体の自由が効くことに気づく。俺は死んだはずでは?いや?今日から俺は、…カラテ?ニンジャ?! 18
2015-03-07 14:19:34仰向けからがばりと跳ね起きたイケジマは思わず天に祈る。「ブッダ!アリガトゴザイマス!これで何もかも!人生を取り戻せる!」イケジマは口元が落ち着かなくなり、先程まで首に巻いていたマフラーを鼻先にメンポ(訳注:面頬のことであろう)めいて押し上げる。 19
2015-03-07 14:24:43「イヤーッ!最高だ!」仕事や生活の心配もどこへやら、有頂天になったイケジマは常人の3倍の脚力で『おいしい』『ハッピー前後』『学生も』などと書かれた猥雑なネオン看板を次々と飛び移り、雑居ビルの屋上で笑い声をあげた。 20
2015-03-07 14:28:03「アーッハッハッハッハ!何が会社だ!何がサラリマンだ!何がノルマだ!力こそ正義!この世は力だよ!イヤーッ!」イケジマは己の内をほとばしる衝動の赴くままに、雑居ビル屋上のアスファルト床に瓦割りめいたパンチ!ビキキッ!イケジマの拳を中心に、蜘蛛の巣状にひび割れが走る! 21
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