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【柚木かほQ&A⑪】ここに主にクリエイターが錯覚してしまうSNSの落とし穴があります。フォロワー数も投稿につく「イイね!」も見ている側からすると、「(無料にしては)イイね!」が大多数の本音です。しかし、そういうもんなのです。なぜならSNSは基本使用無料だからです。
2015-03-13 22:50:54【柚木かほQ&A⑫】例えばこの教室ももうフォロワー数1万人以上ですが、有料(例えば月500円)にすると、おそらく3~500人くらいに落ち着くでしょう。そう「有料っぽい内容なのにタダだから得なので見てる」、それがSNSの本音の一部分です。
2015-03-13 22:58:24【柚木かほQ&A⑬】ただ僕の場合、これは仕事だ(これで食べて行こう)とは思っておりませんので、これからもこの教育の場は、まだお小遣いの少ない、けれど絵を勉強したい、という子供たちのために続けていくつもりですが、プロを目指している方がここだけを発表の場と捉えるのは非常に危険です。
2015-03-13 23:04:08【柚木かほQ&A⑭】先ほども申しました通り、特にTwitterは無料に見合う投稿が、お気に入りやRTされやすい特性があります。クリエイター志望の方、「めちゃくちゃ時間かけて一生懸命描いた絵より、思いつきで撮った料理の写真がたくさんRTされた…なんで!?」という経験ありませんか?
2015-03-13 23:10:32【柚木かほQ&A⑮】逆に、「告知した時のお気に入りやRTは少なかったけど、その絵を使ったグッズ、思ったよりたくさん売れた!!」という経験がある方もたくさんいらっしゃると思います。
2015-03-13 23:14:04【柚木かほQ&A⑯】つまりSNSでの知名度(フォロワー数/お気に入り・RT数)は、「これからそれで食べて行こう!」という時の自己評価としては、あまりあてにする必要はありません。プロにとって一番必要なことは、「お金を出して下さった人にとって、役に立ったかどうか」だからです。
2015-03-13 23:16:49【柚木かほQ&A⑰】「お金を出してくれた(る)人」、それはクライアントであり、その商品の購入者です。その人たちに、きちんと誠実に対応(表現/仕事)し、心を掴めば、自身の知名度はなくとも、きちんと仕事となり、プロにはなれます。
2015-03-13 23:21:49【柚木かほQ&A⑱】ただ、「誠実に対応する」というのは、どの仕事でも共通ですが、「消費者の心を掴む」、これが難しい。前置きが長くなりましたが、では次は実際に作品を見ながら、そこらへんを考えてゆきましょう。(10分休憩)
2015-03-13 23:25:03【柚木かほQ&A⑲】作品で「心を掴む」。一番確実な方法は「役に立つ」という方法です。これは"作品"というアンニュイな例でなく、実際に消費者の立場になって、いつもの買い物について思い出してみると、解りやすいです。
2015-03-13 23:42:13【柚木かほQ&A⑳】例:自分の家から同じ距離に、同じ品揃えのコンビニが2軒あったとします。1店は店員さんの挨拶が元気よく、値段も聞きとりやすく、レジも早い。もう1店はその逆で、挨拶も値段も何を言っているかわからず、レジも非常に遅い。次回、足がどちらの店へ自然と向かうかは明白です。
2015-03-13 23:46:13【柚木かほQ&A21】しかしこれは全ての商売においてあてはまるセオリーでは決してありません。あくまでコンビニは、遠くまで行く時間も予算もない夜なんかに、利用する事が多いので、「早い」「元気」は、我々にとって「役に立つ」「また行こう」に直結します。
2015-03-13 23:48:52【柚木かほQ&A22】例えば割高なレストランやブティックなどは、「ゆったり」と「静か」な方を選ぶ価値観も同時に僕らは持ち合せているので、その時々、TPOと言えるでしょう。では絵の場合なら一体何が「役に立つ」のか。
2015-03-13 23:52:06【柚木かほQ&A23】それもまたTPOを見極めなければなりません。イラストにおいて決して「知名度」でも「個性」でもなく、あくまで「役に立つ」ことが重要視された逸話があの偉人にもあります。ロートレック。絵は観た事がありますよね。 pic.twitter.com/YCkrSkuDJc
2015-03-14 00:01:47【柚木かほQ&A24】ロートレックは、娼婦や踊り子など、ありのままの夜の世界に金色のスポットを当てたような独自の画風・作風が有名な、19世紀フランスの画家です。ポスターが有名なので、今だとイラストレーターやデザイナーにあたりますね。 pic.twitter.com/UhixKLfDxJ
2015-03-14 00:08:33【柚木かほQ&A25】ロートレックはある日、シャンソン歌手のイヴェット・ギルベールの似顔絵を描きました。しかし、出来あがった絵を見てギルベールは「醜い!」と激怒。その独特の作風で名をはせていた彼に、そして彼らしい作品に、です。 pic.twitter.com/yRQr554qsa
2015-03-14 00:16:16【柚木かほQ&A26】(のちのちギルベール自身も気に入ったものの)、このように同じ絵でも、絵画やポスターのデザインではなく、似顔絵においては、「知名度」や「個性」よりも、「似ている事」が役に立ち、「美しい事」こそ重視されるという興味深い逸話です。
2015-03-14 00:19:53【柚木かほQ&A27】同じ絵でも、「その絵がどこに、どのように使われ、役立つのか」が重要という事ですね。それを踏まえると、「柚木さんの作品がLINEスタンプでは好評」という話も頷けます。 pic.twitter.com/epYHbhkPOx
2015-03-14 00:24:37【柚木かほQ&A28】一言セリフからも、モチーフからも、タッチからも消費者が使用する際の目的が明確で、コミュニケーションにおいて「役立つ」からです。そこにおいて消費者は作家性や知名度などはさほど重視していません。
2015-03-14 00:27:07【柚木かほQ&A29】では、それ以外のグッズや作品において、消費者の「役に立つ」というは、特にファッションにおいては、"可愛い"や"話題になっている"など曖昧で、しかも皆が大前提としてやっている事なので、非常に掴みづらいです。そこで絵においての重要なポイント2、「心を掴む」です。
2015-03-14 00:31:14【柚木かほQ&A30】ここで今一度、柚木さんのグッズをUP。絵は十分お上手だし、可愛いですよね。「なのになんで売れないの…?」と柚木さん。実はもう答えは言いました。「絵は上手」「可愛い」。それって商品においては当たり前の事なんです。 pic.twitter.com/zeaCVkU6S5
2015-03-14 00:38:02【柚木かほQ&A31】女性は洋服を買う時のことを思い出して見て下さい。絵においての「上手」「可愛い」は、洋服にとって「破れてない」「可愛い」です。それって購入する決め手にはなりませんよね。決め手は「綺麗で可愛い上に、他と違う何か」や「話題性」です。
2015-03-14 00:43:23【柚木かほQ&A32】男性ならかつて好きになった女優さんやアイドルを思い出してみて下さい。そしてその方より、「万人が認める美貌やスタイル」で「演技(or 歌やダンス)が上手」な他の芸能人の方も思い浮かべて下さい。何人かいますよね。
2015-03-14 00:47:46【柚木かほQ&A33】つまり「お!」っと惹かれる時には、大前提として「可愛い」「上手」は必要ですが、こと「心を掴む」(購入する)においては、その奥にもっと別の理由もある訳です。友情や結婚においても、そんな感じですよね。「この人と何でいま一緒なんだろ?笑」みたいな。
2015-03-14 00:51:00【柚木かほQ&A34】その様に、柚木さんの絵(グッズ)を見ると、上手で、可愛いのですが、それ以上の決め手になるフックがまだ足りない気がします。釣りでいうと「餌は美味しいのたくさん巻いてるんだけど、肝心の針をつけてなかった!」みたいな。 pic.twitter.com/d9f8p0HYQW
2015-03-14 01:02:25【柚木かほQ&A35】その針こそ、「心を掴む」ものであり、「他と違うその人らしさ」なんだと思います。それは時にタッチであったり、モチーフであったり、色遣いであったり、発送であったり、構図であったり、意識的であったり、無意識的であったり、多種多様の人それぞれです。
2015-03-14 01:06:00