忍殺二次創作【イン・ザ・ストーム・オブ・バレット・アンド・カラテ】♯３（原文のみ）

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「もう一度だけ言う。この件から手を引き、さっさと失せろ」ワンヒットワンダーは冷酷に言う。「そうすれば命だけは助けてやる」「断る」ガンドーは突っぱねた。「一度受けた依頼を放り出すほど、腐っちゃないんでな」「そうか」ニンジャの目が細められた。21 #4215tk

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ガンドーは改めてワンヒットワンダーを……否、彼の得物を見やる。恐ろしく無骨なピストル。銃口はどう見積もっても49マグナムより大きい。人間相手に使うべき代物ではない。敵がそれを使う様子はない。しかし、警戒して無用な回避をし、隙を見せてしまっているのが現状だ。22 #4215tk

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

(実際、そうポンポン撃つ気はねえんだろうな)ガンドーは推理する。(まともな弾が入る代物じゃあねえ。勿体振るってのはそういうことだ……一発が限度か。だからワンヒットワンダー(一発屋)ってか？シャレが効いてるぜ)ガンドーはピストルカラテを構える。23 #4215tk

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

実弾は先ほどまでのイクサで撃ち切った。それは向こうも把握しているはず。だからこそ……そこにチャンスがある。まだガンドーは奥の手を晒していない。ワンヒットワンダーの目が、嘲笑的に歪められた。ガンドーはトリガーを引こうと「まだだ……まだだッ！」24 #4215tk

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ガンドーは咄嗟に振り向いた。ビッグウィリー。振り向きもせず、バズーカをこちらに向けている！(オイオイ、またかよ！)「イヤーッ！」ワンヒットワンダーのカラテが迫る。ガンドーの視界に光の輪が灯る。バズーカの砲口をマーク！「イヤーッ！」25 #4215tk

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ガンドーはトリガーを引いた。暗いマズル光。影の弾丸が発射される。「イヤーッ！」「イヤーッ！？」反動を活かしたスピンナックルをワンヒットワンダーが跳躍回避！影の弾丸に黒い翼が生える。数度羽ばたき、軌道を調整した弾丸がバズーカの砲口へ飛び込んだ。26 #4215tk

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

KABOOOOM！「グワーッ！？」ビッグウィリーが苦悶の叫びを上げる！発射前に暴発した砲弾が、彼の手を吹き飛ばしていた。その肘から先が斬り飛ばされる！「ゼツ！」ジェノサイドのバズソーだ！「メツ！」バズソーはビッグウィリーの肩を切断しにかかる！27 #4215tk

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「アバーッ！？おの……おのれーッ！」バズソーを肩に食い込ませたまま、ビッグウィリーがジェノサイド向け突進開始！「イヤーッ！」「グワーッ！？」残された片腕でジェノサイドを拘束！「イヤーッ！」「グワーッ！？」その肩にもバズソーが食い込む！28 #4215tk

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「ワ……ワンヒットワンダー＝サン！やれッ！俺ごとやれーッ！」ビッグウィリーが絶叫！跳躍していたワンヒットワンダーが……無言でピストルカラテを構えた。彼は腕を交差させた姿勢でガンドーに狙いを定める。BLAM！「「イヤーッ！」」29 #4215tk

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ガンドーはブリッジ回避した。ワンヒットワンダーの弾丸は、その胸すれすれを過ぎ去っていった。ワンヒットワンダーは回転しながら飛翔。そして「イヤーッ！」「「グワーッ！？」」ビッグウィリーごとジェノサイドに反動飛び蹴りを見舞う！30 #4215tk

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ビッグウィリーの装甲にヒビが入る。ワンヒットワンダーは二人のニンジャをバーの外まで吹き飛ばし、近くのビルの壁へと叩きつけた。「「グワーッ！」」そして彼は……おお……まだ弾丸の残る対戦車ピストルを、ビッグウィリーの背に押し付けたのだ！31 #4215tk

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「……サラバだ、ビッグウィリー＝サン。イヤーッ！」BLAMN！「「アバーッ！」」対戦車ピストルから放たれた弾丸は装甲に包まれたビッグウィリーの体をトーフめいて貫通！そのままジェノサイドの心臓部へ到達し、風穴を開けたのだ！「サヨナラ！」32 #4215tk

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ようやく切断された肩から先だけを残し、ビッグウィリーが爆発四散！ワンヒットワンダーは反動でバーの屋根の上に飛び上がり「イヤーッ！」「ンアーッ！？」クレヴィースと銃撃戦を繰り広げていたワイルドウェストにアンブッシュ飛び蹴りを放つ！33 #4215tk

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「クレヴィース＝サン！撤退するぞ！」ワンヒットワンダーは夜空を舞う同僚に叫ぶ。クレヴィースはあらぬ方向にスナイパーライフルを向け、射撃開始。その反動でバー上空を離脱した。それを確認してから、ワンヒットワンダーはその場を離れようとする。34 #4215tk

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

不意に彼は下を見やった。蹴り飛ばされたワイルドウェストを、ディテクティヴが受け止めている。その傍らにはサヤカ・サンガ。暗い目でこちらを見上げている。「……追うなら追うがいいさ」憎々しげにワンヒットワンダーは呟いた。「そうしたら殺すまでだ」35 #4215tk

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ワンヒットワンダーは改めて跳躍し、クレヴィースの後を追って離脱する。それと入れ替わりに、通報を受けたのであろうマッポ・ビークルのサイレンが遠くから響いてきた。ワンヒットワンダーは考える。ニードルシューターと、今後の優先順位を話し合う必要が有るようだ。36 #4215tk

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

【 #4215tk 】

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

◇客電◇以上で本日の投下は終了です。二人目の犠牲者はビッグウィリー＝サンになってしまった。彼のニンジャネームは戦車由来だったので、少し皮肉な結果になってしまったと言える。続きは鋭意制作中です。なるべく今月中には終わらせたい◇客電◇ #4215tk

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ワンヒットワンダーは改めて跳躍し、クレヴィースの後を追って離脱する。それと入れ替わりに、通報を受けたのであろうマッポ・ビークルのサイレンが遠くから響いてきた。ワンヒットワンダーは考える。ニードルシューターと、今後の優先順位を話し合う必要が有るようだ。36 #4215tk

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

……「逃げられたね」遠ざかっていくワンヒットワンダーの背を眺め、サヤカが静かに言った。「すまん」受け止めたワイルドウェストを床に降ろし、ガンドーは頭を下げる。サヤカは無表情にそれを見た。「それはどっちについての謝罪だい、坊や」37 #4215tk

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ガンドーは言葉に詰まる。弟子を逃したことか、それとも手をかけざるを得なかったことか。自分でも俄かに判断し難かったからだ。「手加減できるほどヤワな連中じゃなかったってだけの話さ」サヤカがバーの中、スプリンクラーの爆発四散痕を見やる。38 #4215tk

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「むしろあンたのエスコートは最適だった。誇りな」「……わかったよ。悪い」再び頭を下げ、ガンドーは周囲を見回す。バーはもはや廃墟同然。マッポ・ビークルのサイレンも近づいてくる。「なんにせよ、一度引き上げんことには……」「あの！」39 #4215tk

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

声を上げたのはワイルドウェストだ。彼女はガンドーに向け勢いよく頭を下げた。「ありがとうございます！助かりました」「アー……いや、こちらこそ。無事で何よりだ」「ハイ。それで、早速迷惑かけちゃうんですけど……私、ジェノサイド＝サンの様子を確かめてきます」40 #4215tk

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「ジェノサイド……」ガンドーは眉をひそめる。正体不明とはいえ、彼のおかげで窮地を脱したのは間違いない。しかし。「あれは死んでるんじゃないのかい」半ば呆れた声でサヤカが言った。口にこそ出さねど、ガンドーも同意見だ。あの一撃を受けて生きているはずが。41 #4215tk

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「まだ決まったわけじゃないです！ちょっと行ってきますね！」「アッ、オイ！」返事も聞かずに駆けていくワイルドウェストを、ガンドーは呼び止めた。彼女は足を止め、振り向く。「ギョクロ・ストリートのサルーン『雨宿り』だ！俺たちはそこにいる！」42 #4215tk