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Giacomo @Giacomo_sif

関西域の超常遣いでも相当厄介な部類に入るガルメが赤毛の協力をしている、という内容に月海は目を剥いたのだ 「おい、こりゃ冗談だ。群れないことで有名だろ、あの狼さんはよ」 「だからこそ、真実味ありません？」 「赤毛の女に、か」 #リプくれた人のイメージを３行で何かする （50）

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「もう少し調べてみようかとは思うッスよ」 「いや、じろー。こいつはオレにやらせてくれないか？」 「月海さんが？」 「頼む」 この男が後輩にこんな頼み方をするのは尋常なことではない 「帰ってきたら珈琲の奢り、それでいいっスよ」 #リプくれた人のイメージを３行で何かする （51）

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数日後、関西空港を降り立って調べを進める月海 調べるといっても、彼の超常があればあったことを全て理解するのに時間は要らない 見ようと思えば見れぬものなどないのだ #リプくれた人のイメージを３行で何かする （52）

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「だからこそ、大物が係るクランクインがありゃ、オレにはわかっちまうよな」 月海の背後にはカメラのフォーカスが合うと、そこにはガラクタのような銃を構えた男が立っていた #リプくれた人のイメージを３行で何かする （53）

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「舞台に上がっちまったら後はもう」 「撃たれるも撃たれないも、作家の自由か？だけど、お前さんが現れたことで赤毛の女の話は俄然リアルになったよ」 「赤毛、ああ、小鳥遊のことか」 「おいおい、名前を」 #リプくれた人のイメージを３行で何かする （54）

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「アーア、ミスッチャッタ」 棒読み甚だしくもガルメが言う 「聞いたからにゃ、弾かにゃならねェな」 「……ッ」 乾いた音 #リプくれた人のイメージを３行で何かする （55）

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咲くはずの赤い花は火花に代わり、斃れるはずの男の前には 「天に太陽、地に草花、それらが巡るかの如く……潮騒響きて、悪心を濯ぐッ！」 何時の世にも、ヒーローは存在する #リプくれた人のイメージを３行で何かする （56）

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「来ると思ってたぜ、ヒーロー」 「力無きものを後ろから撃つなど言語道断、超常の力は人のために使うものだ！」 「弥七さん！助かったぜ」 「私は弥七ではない！謎の海産甲殻ヒーロー、エビ…クロームッ！！」 「お、おう…そうだったな」 #リプくれた人のイメージを３行で何かする （57）

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「ヒーローが斃る結末が書かれるのも舞台ってもんだッ」 遊底が悪魔の口のごとく開き、弾丸が空中を裂いて進む 「そのような結末もあるかも知れぬ、だがッ」 悪魔の牙はヒーローに蹴散らされ 「物語は半ば、ヒーローが斃れるにはまだ早い」 #リプくれた人のイメージを３行で何かする （58）

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「……呼んだのだろう、私を」 「ヒーローは何でもお見通しか」 「声を上げればいつでも現れたものを」 「インカミングに対しても拘るのが俺の流儀なんでね」 #リプくれた人のイメージを３行で何かする （59）

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「耳目があるなら都合がいい。ヒーローさんもよく聞いてくれよ。」 「なんだ」と言う風に構えた手を下ろすエビ・クローム 「俺たちは赤毛の女、小鳥遊を筆頭として魔王災害を人為的に引き起こす術を得た」 ニイ、と作劇者は哂う #リプくれた人のイメージを３行で何かする （60）

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「かつての如く、より広く俺達はこの日本を舞台にイベントを巻き起こす。……止めてみろよヒーロー。俺の作劇はお前が体験してきたドラマよりも少しばっかりダークだぜ」 #リプくれた人のイメージを３行で何かする （61）

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月海が何をと問いただそうとした時に砂埃が巻き起こり、風がそれらを多く吹き上げて両陣の間に暗幕のごとく区切ってしまう 絵に書いた悪役、いや作劇上の必然性があると言わんばかりにガルメは笑ってそこから消えた #リプくれた人のイメージを３行で何かする （62）

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「…ッ」 エビ・クロームは後を追うようにその場を跳躍して消えた 「ああ、っと…まあ、ヒーローはしゃあないよな」 参ったなと呟く 「俺の目も耳も2つしかねーぞ、47都道府県に全然足りてねぇ」 彼は自身の発言に苦笑し、煙草に火を #リプくれた人のイメージを３行で何かする （62）

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街を一望できるビルの屋上まで追ったが、撒かれてしまった 街の淀んだ空気も高みに来れば少しはマシだと言わんばかりにエビ・クロームはそのマスクを外す 厳しい表情でガルメが消えた方向を睨み…彼はぶるり、と少し震え #リプくれた人のイメージを３行で何かする （63）

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誰が見ていようか、ヒーローの武者震いを 誰が思おうか、ヒーローの表情を 魔王無き今、平和な世であった筈に現れた世界の危機にヒーローは苦笑、渇望、憎悪、そして歓喜 彼は全てが綯い交ぜになった笑みを浮かべているではないか #リプくれた人のイメージを３行で何かする （64）

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「――それで、手痛くやられた訳か」 「やられたワケじゃない、相手も同じくらいの損害だ」 怪我の手当が終わった清書の報告を聞くのはつくばの鎮護をしている超常遣いのレダ、清書との付き合いは浅くはない、が故の直言だ @LedahDZ #リプくれた人のイメージを３行で何かする （65）

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「それにしても、さささが暴走とはなあ」 レダは固形栄養剤を頬張りながら感慨なく言う 「解らいでもないが、あいつの暴走を止めるのがこかげの仕事だろ」 清書は液体栄養剤を飲みながら感情をむき出しに言う #リプくれた人のイメージを３行で何かする （66）

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「こかげはさささのおかーさんじゃないからな」 「誰もお母さんの話はしてないだろ、どっちかってとお母さんって言えば」 「まあ、その話は置いといて、だ」 じろりと清書を見る #リプくれた人のイメージを３行で何かする （67）

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「このままつくばにいつづけるのは俺達の評価的に芳しくない」 超常遣いは政府にそれなり以上に遇されている、評価が下がれば餌の質が下がるという訳である 「清書、花音たちと合流してくれ」 「お前は？」 「やること済ませたら向かうさ」 #リプくれた人のイメージを３行で何かする （68）

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清書が退室したあと、暫く誰もいないはずの自室にモニタの方を向くわけでも、携帯を触るわけでもなく、レダは空間を見ていた 「隠れんぼがそんなにお好きか？」 「鋭いんだね」 空間が歪み、そこに赤毛の女……小鳥遊が現出する #リプくれた人のイメージを３行で何かする （69）

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「鋭いんじゃなくて、こういう時にゃ後々誰かが現れるってのがお約束だろ。ヤマ張ったにすぎんよ」 作劇者が赤毛に寝返った情報を得ていた彼なりの予測に過ぎなかったが、世の中それなりに上手くいくものだ #リプくれた人のイメージを３行で何かする （70）

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「なら、話は早いね」 「魔王災害側になれって？」 「あら、もっと話が早い」 「そりゃあ、予測するんだからこれくらいも範疇だろ？」 「じゃ、答えも当然考えていて？」 「そりゃ勿論」 #リプくれた人のイメージを３行で何かする （71）

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レダは机に敷かれたマットを乱暴に小鳥遊へと投げつけた 「答えは――NO、だ！！」 マットから、そこに描かれていた名状しがたい〝何か〟が襲いかかる 小鳥遊はいつのまにか手に持っていた杖状の鈍器でそれを打ち払う #リプくれた人のイメージを３行で何かする （72）

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窓が、壁が、天井が自動的に開いていく そこには大量の敷物が備わっている 「誰彼、甘言に乗ると思ってたら大間違いでな！オレみたいな臍曲がりも居るんだよッ！」 指を鳴らすとマットに描かれた獣が、龍が、美少女が現出し一斉に躍りかかる #リプくれた人のイメージを３行で何かする （73）