
彼は屍山血河の盤上で佇んでいた 力あるものしか持ち得ない感情を抱いて 即ち――敗北したい――と @seisyo_D0 #リプくれた人のイメージを3行で何かする (01)
2015-04-14 23:29:32
「相変わらずの感傷か、清書」 「また来たのか。君の〝白〟じゃ僕を満足させ切れない」 「今日はどうかな」 @kanonDOD #リプくれた人のイメージを3行で何かする (02)
2015-04-14 23:31:05
指をスナップすると彼――花音という名の決闘狂いだ――の影から幾つもの獣が現れる 〝彼〟の影は日に差され尚「白」かった #リプくれた人のイメージを3行で何かする (03)
2015-04-14 23:32:47
影から現れたのは獣だけではない 「アンタもそこに居たのか」 「久し振りだネ、清書クン」 @sitokaworu #リプくれた人のイメージを3行で何かする (04)
2015-04-14 23:34:03
獣群の中にあって人影の、しかしてその影は誰よりも獣じみた気配を持っていた かつて仙台にて死と痛みと伴う快楽を振りまいた商人がそこに立っているではないか ある男に殺されたはずの、轢殺者、或いは快楽主義者が #リプくれた人のイメージを3行で何かする (05)
2015-04-14 23:35:55
かつて、この力は一人の乙女が持ちえていた異才であった 触れ得ざる魂に触れ、消え行く魂を輪廻に還す しかし、その乙女は今はいない @fuka_d0 #リプくれた人のイメージを3行で何かする (06)
2015-04-14 23:37:39
「花音、その力は風歌の」 「そうだとも、お前に殺された、我らが支柱」 「違う、オレは殺しちゃいないッ」 「殺しタじゃないか、私の様にネ」 #リプくれた人のイメージを3行で何かする (07)
2015-04-14 23:39:34
糾弾する、煽動する、反論する三人 「みあお」 「みゃあお」 「にあぁお」 愛くるしい声がそれらの感情と言葉を止めた @nekoneko1101 #リプくれた人のイメージを3行で何かする (08)
2015-04-14 23:41:18
「すぐに戦いたがるのは悪い癖だよ」 獣の中から現れたのは猫……いや、だがまるで人のように表情を、柔和に微笑むようにして声を発する 影の獣たちの中で唯一、それは戦いを否定する 「今日はじゃれつきに来たんじゃないでしょ?」 #リプくれた人のイメージを3行で何かする (09)
2015-04-14 23:44:05
「……っち」 花音は舌打ちをする、その一方で清書はその…かつては人名を持っていた、今はまーると呼ばれる猫を見やる 「どういうことだ?」 「魔王災害の件…って言えば解る?」 @blue_moriel #リプくれた人のイメージを3行で何かする (10)
2015-04-14 23:45:55
荒唐無稽な話だろう、魔王などと だが、それは確実に現世のものである 魔王だからこそ常にそこにいたのだ、歌にもある通り #リプくれた人のイメージを3行で何かする (11)
2015-04-14 23:48:20
「ちゃんと話さないとダメだよ」 「わかったよ……」と不承不承に花音が話し始める それは数ヶ月前の仙台で起こったある事件の顛末だ 轢殺者の死から全ては始まった、ある事件の #リプくれた人のイメージを3行で何かする (12)
2015-04-14 23:50:04
現在の日本の中枢を担う都市の一つ、仙台。今の日本に巻き起こる未曾有の超常現象災害に対して政府は鎮護を備えることにしていた 例えばそれは、仙台で最も力ある「超常遣い」である〝さささ〟を筆頭に @yuzu_stb #リプくれた人のイメージを3行で何かする (13)
2015-04-14 23:52:45
魔王は一度、〝さささ〟に討滅されている 風歌の得意な力によってその魂は輪廻を廻らされることとなり、この地に魔王が現れることはなくなった『はずであった』 #リプくれた人のイメージを3行で何かする (14)
2015-04-14 23:54:52
「もっと意外性を大事にしないと」 その声、魔王の祝詞を最初に聞いたのは轢殺者、或いは死売り…クロウと呼ばれる男だ 彼は仙台の誰よりも「魔王」との再戦を望んでいた #リプくれた人のイメージを3行で何かする (15)
2015-04-14 23:58:39
可能性があれば存在する、可能性を望むが故に偏在する 歌にもあるように、魔王はどこにでもいるし、いないのだ #リプくれた人のイメージを3行で何かする (16)
2015-04-14 23:59:24
轢殺者が斃れたことを知ったのは風歌であった 魂の行方を知ることができるからこそ 友人の死に立ち止まれるほど無感動でいられなかった彼女は死者の元へと急ぐ そこに立っていたのは #リプくれた人のイメージを3行で何かする (17)
2015-04-15 00:01:29
「こんにちは、お嬢さん」 赤毛の女だった 「あなた……は……?」 それは人間と言えたであろうか?少なくとも風歌はその女ほど透明な魂の持ち主は見たことがなかった @suzu_takanashi #リプくれた人のイメージを3行で何かする (18)
2015-04-15 00:03:02
「名前、名前ね……」 赤毛の周囲には轢殺者の名を表すように烏が現れ、それが飛び立とうとしている 魂の形が〝代〟わるのは魂の焼失を意味し、即ち輪廻に送れず惑うことに直結する #リプくれた人のイメージを3行で何かする (19)
2015-04-15 00:06:13
そうなれば彼のことを覚えているものが消える、記憶の死が起こる 超常現象に侵された日本は全てを忘れようとしているのだ、まるでゲームをリセットするように それを否定するのが風歌であり、或いは「超常遣い」たちである #リプくれた人のイメージを3行で何かする (20)
2015-04-15 00:07:13
それ故に風歌は焦る 赤毛は楽しげに鳥に代わるそれを見る 「鳥、鳥かあ…うん、それでいいか」 なんとか魂を還そうと、歌を風に乗せ始める まるでコーラスのように赤毛の名乗りが聞こえた 「たかなし…小鳥遊…って呼んでもらおうかな」 #リプくれた人のイメージを3行で何かする (21)
2015-04-15 00:09:38
知らせを聞いて次に駆けつけたのは花音であった そして、そこには力なく倒れている風歌と、それを抱きかかえている赤毛の女 「意外と早かった、かな?」 「アンタ、何者だ?」 「小鳥遊、って名乗ることにしたよ」 「何を言って……」 #リプくれた人のイメージを3行で何かする (22)
2015-04-15 00:11:54
「せっかく、この子の魂を使って魔王さんの魂を代えようとしたけど、……ちょっとばっかりまだ足りない」 ゆっくりと風歌が消えていく いや、〝代〟わっていく 「選ぶといいよ、この娘が消えるか、君が楔になって復活の可能性を望むか」 #リプくれた人のイメージを3行で何かする (23)
2015-04-15 00:14:37
彼は選んだ、風歌が何をされたかは分からないが少なくとも友人が代わると言われて黙ってはいられなかったのだ 了承したのを見ると赤毛は光の帯に解けていく先を花音へと向けた 「秋の風が吹く頃に、また逢おうね」小鳥遊の微笑んだ #リプくれた人のイメージを3行で何かする (24)
2015-04-15 00:18:07