
赤毛は光の帯が全て花音に収まるころにはどこかに消え去っていた 「花音」 呆然とする彼にかかる声 「こ、かげ」 少ない状況を見て、こかげ――仙台の超常遣いの纏め役である――が推察を終える @phannatics116 #リプくれた人のイメージを3行で何かする (25)
2015-04-15 00:21:02
「細かいことはどうでもいい、それに今お前に聞いても成果はない」 だから、と彼は告げる 「解るまで仙台から出ろ、全てがわかってから戻ってこい」 風歌が消え、クロウの代わりかかった体、推察した結果の命令口調 #リプくれた人のイメージを3行で何かする (26)
2015-04-15 00:23:09
「早くしろ。さささがこの状況を見れば何があろうとお前を殺しにかかる」 そうなれば止められない、彼は言うや否や花音の背中を押した 意識もまとまらないままに花音は郊外へと走りだした #リプくれた人のイメージを3行で何かする (27)
2015-04-15 00:24:33
「……やれやれ」 状況を見ながら、こかげはため息をつく ふと、目に入ったのは銀の指輪だった 風歌が大切にしていた指輪だ それを拾い終わった頃にさささが到着した 「風歌は!?あいつの気配を感じない、ここを最後にして」 #リプくれた人のイメージを3行で何かする (28)
2015-04-15 00:26:49
「お前もか。いや、お前は仕方ないのかね。ま、落ち着け」 「落ち着けるか!」 「風歌は拉致られた」 「誰に!」 (ふむ…誰であれば都合がいいかね。さささとガチりあって死なない奴か) 「わからん、が、甲殻類のような鎧を纏っていた」 #リプくれた人のイメージを3行で何かする (29)
2015-04-15 00:30:03
「クロウをぶっ倒せて、風歌拉致れる、甲殻類みたいな鎧、なんて一人しかいねえだろッ!!」 「推論を他者に伝える時に固有名は付与しない、ってのがオレの考えだよ。どう思うかはお前次第」 @_ya7 #リプくれた人のイメージを3行で何かする (30)
2015-04-15 00:33:03
さささはその場から猛然と去る。 当然である、最愛の人間が拉致られたのだ。 それも仙台のみならず、世界どこにでも正義を打ち立てる大英雄、真のヒーローであるはずの男に。 #リプくれた人のイメージを3行で何かする (31)
2015-04-15 00:34:26
「あーあ、悪い人だァねえ」 「月海さんか」 「そりゃ弥七サンなら死なないだろーけどさ?」 @lunacy96 #リプくれた人のイメージを3行で何かする (32)
2015-04-15 00:36:57
ははは、と笑うこかげ 「オレの推論なんて、オレの脳内物語にすぎんよ」 「あんたの〝直観〟で当たらない推論なんてあるのかい?」 「さて、どうかな。それよりも月海さんはオレと立ち話しててもいいのか?」 #リプくれた人のイメージを3行で何かする (33)
2015-04-15 00:38:13
「いやあ、良くないねえ。こかげさんの推論じゃあまだ犯人は見えないが、少なくとも判断材料すら残さないような奴が現れたってことだ。」 「じゃあ、どうする?」 「目となり耳となり、状況を彼の人に知らせる。それを料理するのはお上さ」 #リプくれた人のイメージを3行で何かする (34)
2015-04-15 00:40:19
声が聞こえなくなる 超常遣いの月海が持つ力は監視 海が全てを包むように、月が全てを見下ろすように、全てを見聞きする この世界の状況はすぐに破滅へと転がる、それ故に彼は全てを見届け、そして未然に防ぐことができるものへと受け渡す #リプくれた人のイメージを3行で何かする (35)
2015-04-15 00:43:02
それから少し時間は進む 花音は風歌の力を借り受けて代わるはずの魂を採集し、己の影へと退避させた 空に還すのは風歌にしかできないからだ 影が満室御礼になる前に何とかして手を打たねばと多くの力あるものを頼りにした #リプくれた人のイメージを3行で何かする (36)
2015-04-15 00:45:13
「で、俺のところに来たのか」 「そういうことニャ」 「何があったかも解らんのに手伝えと言っても、な」 「手伝ってほしいことは決まってるのニャ」 「何だよ」 #リプくれた人のイメージを3行で何かする (37)
2015-04-15 00:47:30
「何も言わずに北に進んで欲しいニャ。そうすればもしかしたら清書くんの望みも叶うかも、ニャ」 「……望みって」 「渇望、デすよ、私とアナタ、或いは他の決闘狂が求めているモノ……」 「――踊ってやるのは今回だけだ」 #リプくれた人のイメージを3行で何かする (38)
2015-04-15 00:49:15
暴風、爆風、或いは烈風が巻き起こり道を作る 狂風の主が突き進む 「風歌ァ……どこだ……どこにいる」 悲風の如き声を上げて 「ははッ」 「なるほどね」 「……こいつは楽しめそうだ」 清書は獰猛な笑みを隠そうともせずに #リプくれた人のイメージを3行で何かする (39)
2015-04-15 00:53:42
乾いた音が赤い花を咲かせた 吐き出された薬莢を空中で掴むと青年はつまらなさそうにそれを指で弾いては掌中に納める 「ずいぶんとつまらない街になった」 それは彼が度々口にすることだった @garmacyan #リプくれた人のイメージを3行で何かする (40)
2015-04-15 00:57:05
かつてこの世界は彼のような好き者の楽土であった 毎日のようにイベントが起きて、悲鳴と怒号と賞賛に満ちていた だが、それは終わってしまった 魔王と呼ばれるイベントスイッチが誰かに倒されたからだ #リプくれた人のイメージを3行で何かする (41)
2015-04-15 00:58:59
「……つまんね」 ガラクタみたいな銃を壁に向ける 引き金を引く 吐き出された弾丸は壁に埋まる――ことはなく、壁を滑り、まるで違うところで赤い花を咲かせた 彼の超常は〝作劇〟 映画のようなことをやってのける異業 #リプくれた人のイメージを3行で何かする (42)
2015-04-15 01:01:59
「どんな作劇も、舞台がなければ意味が無い……よね?」 「誰だ、なんて陳腐なセリフは好きじゃない」 コートを翻して馬賊の如き銃の構えを振り向きざまに取る 銃眼に見えるは、 赤毛の女 #リプくれた人のイメージを3行で何かする (43)
2015-04-15 01:03:54
「ねえ、ガルメくん」 赤毛の女は名乗らずに言葉を紡ぐ 「楽しい舞台に興味はない?」 小鳥遊は稚気溢れる笑みを浮かべ、音にする 作劇者はその女の言葉を信じない、どんな筋書きにしろ、気に食わないものもある だからこそ #リプくれた人のイメージを3行で何かする (44)
2015-04-15 01:08:20
「この先のバーにストレガを出す、悪くない店がある」 「奢りかしら?」 「あンたの酒量次第だな」 だからこそ その筋書きに乗ることもある 嫌うからこそ見えない話もあるからだ #リプくれた人のイメージを3行で何かする (45)
2015-04-15 01:12:34
「……といった具合だよ」 「と言った具合って、それで都市機能麻痺しましたけど」 日本に散らばる目の会合、暴風圏となったつくば近郊から撤退した月海の話を聞くのはじろーと呼ばれる男だ @JiroOto #リプくれた人のイメージを3行で何かする (46)
2015-04-15 01:18:58
「オイオイ、じろーくんよ、オレに止めろってか?自然災害みたいなのを?勘弁しろよ」 「いやいや、見てたんだったら教えてあげても」 「オレは他人の書いた話にゃ乗るが、それを書き換えるつもりはねーのよ」 んで、と話を切り替える月海 #リプくれた人のイメージを3行で何かする (47)
2015-04-15 01:21:10
「お前の報告は?」 「ああ、それです、赤毛の女って知ってます?」 「モデリィアーニ?」 「いや、あー、そうなのかな?それが元にしろですけど、各地で現れた奴の通称で」 「赤毛の女ねえ」 「なんでも、超常遣いに聞いて回ってるとか」 #リプくれた人のイメージを3行で何かする (48)
2015-04-15 01:25:00
「何を?」 「魔王再誕に興味はないか、って」 「魔王を、って…あれ封印されてふっとばされたろ」 「だからよくある詐欺かなと思ったんスけど」 じろーはクリップ止めの紙束を取り出す それに目を通した月海は変面の如き形相を露わにした #リプくれた人のイメージを3行で何かする (49)
2015-04-15 01:28:07