リプで来た艦娘でSS書いてみる 陽炎篇

#リプで来た艦娘でSS書いてみる というタグにリプライを頂いた陽炎のSSです。
0
ベイスターズを愛する金剛型1番艦 @DB_Kongo

「バァアアアアニングゥッ! ラァアアアアアアアブッ!」 主砲四基八門、一斉射。 消炎に一瞬視界が遮られ、腕を振って払う。 数秒後に前方で爆発。 命中を確認。 黒煙に包まれた深海棲艦が健在かどうかは分からない。 健在という前提で、次弾を装填する。

2015-04-24 00:23:53
ベイスターズを愛する金剛型1番艦 @DB_Kongo

「……ッ! 敵艦は未だ健在ネー! 各艦、前方に火力を集中しつつ、白兵戦の準備を……」 「追撃戦に移行! 突撃するわ!」 ワタシの脇をするりと通り抜けて、戦闘に躍り出た小さな影。 赤みがかった髪が炎のように揺れ、それを止めるリボンもまた同じ。

2015-04-24 00:24:27
ベイスターズを愛する金剛型1番艦 @DB_Kongo

「かっ陽炎!? ちょっと待ちなサイ!」 「陽炎についてらっしゃい!」 陽炎型ネームシップ、陽炎。 彼女は振り向くとワタシに強気な笑みを向け、また前方へと視線を戻した。

2015-04-24 00:24:49
ベイスターズを愛する金剛型1番艦 @DB_Kongo

「あ~ッ! 駆逐艦と軽重の皆さんは全速力で陽炎に続いてくだサイ! 重巡はワタシと共に援護射撃を! 弾幕を張りながら前進!」 「「「「了解!」」」」 ワタシの指示により、陽炎と同じ護衛艦の娘達が、突貫する陽炎を追い前に出る。 隣の妙高と視線を合わせると、彼女は頷き、フッと微笑んだ。

2015-04-24 00:25:53
ベイスターズを愛する金剛型1番艦 @DB_Kongo

「懐かしいのではありませんか?」 「はて、何のことデショー?」 「前に出たがりだった時期が、自分にはないと?」 陽炎型の設計思想は、艦隊随伴用。 艦隊決戦の最終局面で雷撃を行い、トドメを刺す。

2015-04-24 00:26:48
ベイスターズを愛する金剛型1番艦 @DB_Kongo

一方、自慢の脚力を生かし水雷戦隊に随伴し、雷撃こそないものの、敵艦に肉薄し幾多もの殴り合いを繰り広げたのがワタシ。 だからワタシは、胸を張って答える。 「Yes,モチロン。ワタシは生まれついてCoolなHeartの艦娘デース」 「うふふっ。嘘が下手ですね」

2015-04-24 00:27:23
ベイスターズを愛する金剛型1番艦 @DB_Kongo

「分かりきっているなら言わない!行きますヨー!」 「はい!全主砲!」 「ファイヤァッ!」 弾丸を放ち、全速力で彼女達を追う。 次第に鮮明になるその姿に、ワタシは笑みすら浮かべていた。

2015-04-24 00:27:51
ベイスターズを愛する金剛型1番艦 @DB_Kongo

最後の戦艦級に肉薄した陽炎が姿勢を低くして砲撃を避け、全速力のまま戦艦級の腕を取る。 当然彼女の細腕では勢いは殺しきれない。 が、それでいい。 陽炎は掴んだ戦艦級の腕を軸に遠心力でその身を反転させ、手を離しながらも、その細い体躯の正面に戦艦級を捉えていた。

2015-04-24 00:28:12
ベイスターズを愛する金剛型1番艦 @DB_Kongo

「貰ったわ!酸素魚雷っ!」 左肩の魚雷発射管から放たれた魚雷は海中に潜り、そして至近距離で戦艦級に命中。 目を焼く閃光、耳をつんざく轟音、肌を舐める爆炎。 咄嗟に腕で覆ったが、五感を取り戻すまでに少し時間がかかった。 数度まばたきをし、滲んだ視界が戻っていく。

2015-04-24 00:28:36
ベイスターズを愛する金剛型1番艦 @DB_Kongo

「どうっ?金剛さん。ワタシの戦闘、少しは参考になったかな?」 海風を受け、陽炎のように揺らめくその赤い髪。 ワタシはフッと思わず息を吐き、 「生意気を言わないノ!」 ぺしっと、煤に汚れた彼女の小さな頭をはたいた。

2015-04-24 00:28:52