坂井豊貴「多数決を疑う」(岩波新書)を読む。

最近読んだ本の中でベストです。坂井先生のブログはこちら。 http://toyotaka-sakai.hatenablog.com/
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伝左衛門 @yumiharizuki12

坂井豊貴「多数決を疑う」を読み始める。ポチったら3日後ぐらいには手元にあるってのはすごいことだ。これでは街の店はかなわない。いずれモノを売る店は街から消えるでしょう。

2015-05-26 15:55:00
伝左衛門 @yumiharizuki12

「一瞬にして捉えられた」とはこのこと。冒頭のネタは米大統領選で、ネーダーがゴアの足を引っ張りブッシュが勝利した話。同じように、ブッシュ父とペローの票の合計はクリントンより多かったはず。

2015-05-26 16:01:11
伝左衛門 @yumiharizuki12

日本でも、共産党は年中、野党第一党の足を引っ張ってるし、民主党がなかなか復活しないのも維新のおかげだが、悪いのは共産党や維新ではなく、多数決(=小選挙区制)という制度だ、という視点が新鮮。小選挙区制マンセーは経済学者から政治学者まで蔓延してるからね。

2015-05-26 16:04:01
伝左衛門 @yumiharizuki12

自民党なんか、この13ページに出てくる「ペア敗者」かもよw

2015-05-26 16:12:08
伝左衛門 @yumiharizuki12

スコアリング・ルールの比較。昔からやってるレコード芸術の「名曲名盤300選」で、持ち点10点方式の時代、評価がバラけがちな曲で、宇野功芳さんが「8点、1点、1点」みたいな振り方をしてクナッパーツブッシュとかが1位になってしまうのはおかしいので、ボルダルールに変更されたよね。

2015-05-26 16:18:01
伝左衛門 @yumiharizuki12

「社会的選択・厚生学会」の理事選出方式は参考になる。執行部が選んだ候補に「是認投票」をする方式。これは、執行部が選んだ候補のうち一人に投票する日経学会の方式より優れているようだ。

2015-05-26 16:34:45
伝左衛門 @yumiharizuki12

もう選挙制度改革は坂井先生に提案していただきましょうよ、ホントにw

2015-05-26 16:45:24
伝左衛門 @yumiharizuki12

とりあえず「小選挙区制や自治体首長選挙ではボルダルールを導入するのがよい」というところ(60頁)まで来た。

2015-05-26 16:56:54
伝左衛門 @yumiharizuki12

「多数決は正しい結果を導く」という陪審定理が成り立つためには、二つの条件が満たされることが必要である。(1)一人一人が正しい判断をする確率が0.5以上であること。(2)各人の判断が独立で、勝ち組に乗るなど戦略的投票をしない。(68頁)。

2015-05-26 17:15:55
伝左衛門 @yumiharizuki12

少数意見の尊重のためには、多数決ルールではなく、3分の2以上ルールや満場一致が望ましい。(83頁)

2015-05-26 17:17:48
伝左衛門 @yumiharizuki12

代表制が直接民主制の代替物でないことを示す例を作ることは簡単である。論点ごとに直接国民投票したら、代表制に基づく政権と全然違う政策を選択することは大いにあり得る。92頁。

2015-05-26 17:23:58
伝左衛門 @yumiharizuki12

選好の単峰性の下では必ず中位選択肢がペア勝者になる。(中位投票者定理)107頁。

2015-05-26 17:45:25
伝左衛門 @yumiharizuki12

<アローの不可能性定理>二項独立性と満場一致制を満たす集約ルールは、独裁性のみである。117頁。

2015-05-26 17:56:09
伝左衛門 @yumiharizuki12

村上泰亮は「アローの不可能性定理において満場一致性が果たす役割は、逆独裁制を排除することだけ」と明らかにした。逆独裁制とは、ある特定の人物の選好と真逆の順序付けが集団の順序付けとして採用されることである。120頁。

2015-05-26 18:01:27
伝左衛門 @yumiharizuki12

「アローの不可能性定理」は、「少数の自然な性質だけで民主制の不可能性が示された」と誤解されている。二項独立性をあきらめれば、十分納得できる集約ルールは存在する。

2015-05-26 18:04:28
伝左衛門 @yumiharizuki12

中位投票者定理は、二大政党制での多数決は性能がよいと結論付けるのは禁物である。ペア勝者を選びたいなら、政党への間接選挙ではなく、中位ルールを用いた直接選挙で選択肢に投票するほうがはるかに確実である。126頁。

2015-05-26 18:10:20
伝左衛門 @yumiharizuki12

最近の有力研究で、熟議には論点を明確化して選択肢への人々の順序付けを単峰的にする作用があることがわかった。127頁。

2015-05-26 18:17:19
伝左衛門 @yumiharizuki12

(Caplin-Nalebuff, 1988)「選択肢の次元数がmの時、順序付けにサイクルが発生しないために最低限必要な多数決の多数とは、mがどんなに大きくても、64%である」132頁。

2015-05-26 18:21:34
伝左衛門 @yumiharizuki12

憲法改正に国会の3分の2による発議が必要、というのはむしろ緩い条件である。なぜなら小選挙区制の下で衆参両院で3分の2を有する政権党は、政党支持率で見れば40%程度の支持しか得ていないから。「64%多数決ルール」の含意は、憲法改正に必要な国民投票の多数を64%に設定することである。

2015-05-26 18:28:57
伝左衛門 @yumiharizuki12

こんないいことを言う経済学者がいたとはw 「国民投票における改憲可決ラインを、現行の過半数ではなく、64%程度まで高めるのがよい」(135頁)。 これは、Econometricaに載ってる論文の意味するところなのだ。

2015-05-26 18:32:23
伝左衛門 @yumiharizuki12

論点が一次元である時には中位投票者定理が成り立つ。しかし、論点が多次元になると、成り立たない。憲法など上位の法律になるほど、論点は多次元に及ぶ。そのような場合に、集約ルールにサイクルが発生しないためには、64%多数決ルールを設定すれば安心、ということです。

2015-05-26 18:37:23
伝左衛門 @yumiharizuki12

周波数オークションを導入してないのは、先進国で日本だけ(163頁)。

2015-05-26 18:51:55
伝左衛門 @yumiharizuki12

読みました。結論を言うと、坂井豊貴「多数決を疑う」(岩波新書)は、最近の経済学者が書いた本の中で、私にとってベストです。

2015-05-26 18:54:13
伝左衛門 @yumiharizuki12

坂井豊貴(2014)「政府や自治体によるオークション理論の活用へ」 mof.go.jp/pri/research/c… mof.go.jp/pri/research/c…

2015-05-26 19:07:32
伝左衛門 @yumiharizuki12

私のような門外漢が坂井さんの専門論文や専門書を読んでもしょうがないので、こういうわかりやすい解説をネットで探します。最近は、積読だけの本はなるべく買わない。

2015-05-26 19:12:00