ちょっと国外でのんびりしている間に議論に乗り遅れた感がある「文系学部の廃止・統合」問題。今日の日程を考えて2度寝しないために、暇つぶしに少しここに吐き出してみるか。
2015-05-29 11:53:38@sobukawa 20年以上前に「文系」の括りに入れられている教員養成学部の教員になった。まあもともと教育には興味があったし、自分も高校教員だったわけだからそれほど違和感はなかったけれど、それでも自分がやってきたこととその場で求められていることが違うことはすぐにわかった。
2015-05-29 11:56:35@sobukawa そこで自分の仕事に求められているのは何かを考え、その枠組みの中で可能なことをずっと追求してきた。小中高の教員として必要なことは何か?と考えたとき、本当にこの難しい微積分学が必要なのか?という自問に対して答えることが、教員養成学部における自分のすべてだった。
2015-05-29 12:00:31@sobukawa 単に数学の研究をして理学部数学科と同じ講義をするだけでは、自分のポジションで給料をもらうことはできないと考えたからである。そしてそのことは、たとえばカリキュラムを改編するときなどに、新しいアイディアをたくさんもたらした。残念ながら誰もついてきてくれなかったが。
2015-05-29 12:03:07@sobukawa 余計なことだが、理学部数学科というのは何のためにあるのかも考えるべきだと思う。もちろん研究者養成は必要。だがそのためにあれだけたくさんの学生を取る必要はないだろう。研究者にならない学生が、数学科で何を学び、それがどう役立つのか。そこは考えてもいいと思う。
2015-05-29 12:05:58@sobukawa 幸いにして数学という学問は古代ギリシャ時代から長い時間をかけて洗練されてきたもので、多くの人にひどく嫌われているにもかかわらず、長い間その必要性はあまり揺らいでこなかった。このことは運がいいことだとは思う。
2015-05-29 12:08:54@sobukawa 大学学部に勤務する数学者の全員が考えろとまでは言わないが、ある程度の割合の人がこのことをまじめに考えてほしいと思う。「よきに計らえ」といってくれるパトロンは今の時代にはいない。敢えて言うなら日本などでは政府がそれにあたるのだろうが、今の状態はそこからは程遠い。
2015-05-29 12:11:37@sobukawa 大変残念なことだが、いわゆる「文系」学部ではこういうことを考えずに来た教員が多い。もちろん象牙の塔にこもってがっちり研究をすることは必要だ。しかしそれと同時に、教育についてもしっかり考えなくてはならなかった。これまでそれを長く怠ってきたツケが今回ってきたのだ。
2015-05-29 12:14:55@sobukawa ネット上でバカだのクズだの認定されたことはともかくとして、自分の研究などは高い頂から見て裾野の端に落ちている小石程度だ。だが次の世代に伝えることはやってきたと思う。次の世代、その次の世代が大きく花を開かせるためには貢献出来てきたと思っている。
2015-05-29 12:22:33@sobukawa 今、縮小だの廃止だの言われている学部がこれをやってきたのか? 私自身は一生懸命やってきてそれなりに成果を上げてきたつもりだが、それが評価されにくい状況にあったので異動してきたつもりだ。もちろん大変に運が良かったわけだが。
2015-05-29 12:25:17@sobukawa 昔のブログ takuya-sobukawa.blog.so-net.ne.jp ではよく「蟷螂の斧」という表現を用いていた。「文系」といわれる学問にも非常に親近感(あこがれ)があって手助けができればいいのだが、蟷螂の斧は他人様にお節介するほど大きくも強くもない。
2015-05-29 12:34:12国立大学改革亡国論「文系学部廃止」は天下の愚策 president.jp/articles/-/154… @Pre_Onlineから
2015-05-31 11:23:54