温室本丸つぶやきまとめ：１

こさと（だいたい三味線） @cradleofraimu

ふあ、と欠伸をすれば、山姥切国広が無言で巫女服の袖を引いた。見上げれば無垢な青緑、碧、みどりの目が何かを訴えていた。「大丈夫だよ、もうちょっとしごとしよう」断れば子犬のような瞳が曇る。あああ。だが、「主、膝枕してもいいんだよ？」加州清光がにやにや言う側でなど尚更無理だろうに。

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ふあ、と欠伸をすれば、山姥切国広が無言で巫女服の袖を引いた。見上げれば寝ておけ、と配慮を伝える青緑、碧、みどりの目。本日の執務を手伝う組を見れば、加州清光も大和守安定も物分かりのいい顔で手を払うように動かし、浦島虎徹が好奇心を強く見つめてくる。見返していると、繊手に頭が掴まれて。

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#うちの審神者さんの戦闘力について 審神者名:（塗りつぶされている） ①霊力の量及び質:★☆☆☆☆ ②審神者としての適正:★★☆☆☆ ③術式の運用等:☆☆☆☆☆ ④接近戦における技量:☆☆☆☆☆ ⑤総合評価:★☆☆☆☆ 【備考】回収時データ。

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【追記】全刀剣男士の残存を確認。当本丸霊力の減衰を確認できない。担当香宮（回収後１週経過）

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「ちいちゃい切国くんがいると仮定する」「ああ」「私は母親になりたいなあ」突発の言葉に反応に困る山姥切国広は、暫しその発言の意図を探り、「もう少し状況を教えてくれ」彼の少女に依頼する。「え、…えーと。今の切国くんが、幼児化」「なら、駄目だ」「まじか」「あんたは俺の母親じゃないだろ」

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「…ん？」爪がそういえばいつの間にか綺麗になっていた。前に包丁仕事で親指の先を削ってしまい、随分不格好になってしまっていたのに。（…そういえば、爪切り、何処に置いているっけ）何年も切った覚えがない。使わないものは忘れてしまうのは本当だと、首をかしげると、近侍が呼んで思考を断つ。

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学生の本分を眼下に投げ捨て、爪を矯めつ眇めつ眺めていた審神者の少女を呼べば、最近眠気の発作もない彼女は振り向く。「なーに、切国くんや」髪と同色の灰色の瞳が無垢に山姥切国広を見上げ、警戒心がない。「…大した用じゃないんだが。あんた、そろそろ手入れの時間じゃないか」「…えっまじすか」

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「手合わせお疲れ様っす、今剣くん」ぼろぼろと白い姿を汚れさせているはずの今剣の表情は充実につやつやと輝いて、正直刀剣男士としての身頃を整えてやればもう開放してもいいのではと思うのだが、目釘を抜いて柄まで確認し、綺麗に整えてやらなければならないだろう。彼はそれまで込で動くのだから。

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「にんずうもふえてきましたからね、てあわせもひさびさです。としににあわずはっぷんしました」柄の中まで幻想に満ちた刀身を撫でると、擽ったがる。「発奮ですか、ご老体」「いわゆるしょたじじいわくですよ！」卓上遊戯で言えばメタいメタいと言うべきか、審神者の失礼な発言にも鷹揚に返してくる。

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何年も毎日のように続けてきた、慣れた手つきで拭い布の一枚目を手に取り、古い油ごと汚れを拭った。布が赤で汚れる。放置すればと思えば恐ろしすぎる。（私の手入れはただの手入れなんだけどなあ）「何故に皆楽しみになさるやら」目を上げれば、白い少年からも返り血の赤が消えている。手品のようだ。

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打粉、上拭い、服のほつれが消えて、刀身に目を戻し錆もないことを確認する。刀身に集中する関係上どうしてもその変化の瞬間が見れなくて悔しい。「いやあ、いいきもちですよ」一端鞘に戻し直して様子を確認し、闊達とした笑みの今剣の本体に油を薄く塗って、元通り柄を拵え鞘に収めて、手入は終りだ。

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@cradleofraimu うちの審神者の服をデザインして思ったのは「胸を揉みやすそうな服だなこの娘」でした。エセ和装エセ巫女服（実際は洋装に近い） pic.twitter.com/qnLGujBvuT

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ライトノベルなどで得た偏った知識なので破廉恥だと思いつつも通販カタログ見ながら頭のなかで主が着ている図を想像するうちの切国

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「主にさーこういうの着せたいよねー」 「なんだよそれ露出高すぎだろが！可愛くないし！こっちがいい」 「何見てるの清光くん安定くん。あー水着だーいいなー海とかプールとか外出許可下りないのよなーー…切国くん、それじゃ本読めないよ？」 「…」 「？」

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「だからグーゼンなんだって、切国ー」「…ふん」ずたぼろにされた鯰尾藤四郎を手入れするのは結局胸を揉まれた審神者で、後方には山姥切国広、針の筵の心地である。（これは…切国くん、夜までに忘れるかな…新刊とかおいしいものとか、元寇出陣とかお願いすっか…）背中の視線が熱くてもぞりとした。

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isotope382、パスワードを打ち込んで秘匿回線を立ち上げる。部屋にロックがかかり通常通信がダミー回線に、壁に掛けられたタペストリに霊力が通って阻害効果を発した。モニタに映るのは平屋デザインの本丸で、右下でデジタル表記の時計がめまぐるしく動いて同期タイミングを調整している。

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@tkhime_TL その間に返信予定のメールを確認した。文面が禁則事項に引っかかっていないか再確認。中空に通信相手を示すように浮かんだ審神者は鈍さを理由の一つに選ばれた個体で、監査からの定期報告でもその傾向は変わらないが、妙な聡さが目覚めているとも限らない。日付を確認して完了。

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@tkhime_TL 「さん、にー、いち」同期。「よっとな」本当に送信しますか、という確認を経てメールを返したあと、１分間待って、同期を解除した。現実世界と同期していたデジタル表記が加速した。ふう、と溜息。秘匿回線がシャットダウンされ、真っ先に栗色の長い髪の娘の映像が消えた。

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@tkhime_TL 「…………おれもあっち行きてえなー。寝たい」眠気覚ましにハーブティーを淹れた。いつもの配合。

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@tkhime_TL うちの審神者本来の担当（および監査）になるはずだったのは編集さんの話で出てきた「審神者や刀剣男士にそういうものが必要とは思えませんので」のひと。栄転した後釜におさまったのが担当さん。顔が担当さんの過去の知り合いに似ている。

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「猫？」「うむ、監査さんが見かけたって」「あの胸の大きいねーちゃん」本丸をこの一年で最も駆けたであろう愛染国俊に問えば、首をかしげた。軒下を覗きこめど日頃の掃き清めた姿があるだけだ。「鼠も少ないから、いても可笑しくはないかなと」「あー。たしかになー。鼠は鳥じゃねえ？」「ありうる」

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「どうしたんだ、なにかいるのかい」「いないんだよ蜂須賀くん」「監査がさー」「ああ、この間の、…む」彼女を言い表そうとしたが、失敗したように蜂須賀虎徹が厳しい表情で考え込んだ。「胸の大きな姉ちゃん」「愛染、女性を形容するのにそれはあんまりじゃないか？」「…猫って見かけた？」助け舟。

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「寝所に直接来ただと？」斬っておけばよかったか、と考え込んだのもつかの間一瞬で結論をだしたかのような山姥切国広だ。「まて切国くん」「主？女の子なんだよ？」「だって政府からの緊急通信でしょうああいうの。…私が寝てなかったら普通に来たんじゃね？」「あー」乱藤四郎から納得の息が漏れた。

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@cradleofraimu @tkhime_TL 外的干渉をすべて断ち切った執務室内で、女が机に座っていた襤褸布纏いの男を「行儀悪いですよ」と払い落とし、椅子に座って実演を開始した。暫く眺めて、「…」「やはりだめですかね」「それにおれダメ出しするのすげーやだ」「ですよねー」

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障子で閉ざされた執務室から聞こえる少女たちの声は、聞いたことのないかしましさだった。「主も、あんな声で喋るんだな」主に喋っているのは監査の女だが、それに応対する審神者の声も、先程まで眠気に襲われていたと思えない程明るい。「……俺が」その先は言葉に出来ない。山姥切国広と呼ばれてだ。