ミヤコ幼稚園でマザーやる③(最終章)
- tarorininja
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た「いえ」たろりんはもう泣いてはいなかった。彼は強くなっていた、それはフライングマンが、いつきが、イヴが齎した強さだったオ「無理は…してはいけませんよ」オオトリが労わる。た「大丈夫です。…勇気がある限り。僕は何度でも立ち上がれます」たろりんは涙を拭いた。
2015-06-18 01:54:05イヴがいない戦闘は厳しかった。スージーのPKサンダーγは全員に60越えのダメージを与え、ラストボーグやギガボーグはPKビームγを乱射してくる。たろりんのPPは20を切った。それでもたろりんはサイコシールドβを貼り続けた。もう何も失うものか。今度こそ、もう二度と。
2015-06-18 01:56:21そして、汗まみれ、傷だらけになりながら、園児たちは山頂にたどり着いた。そこにはXXの刻まれた石碑があった。たろりんが触ると、石碑はたろりんに語りかけた。「ようこそ たろりん…必ずここまで辿り着くことができると信じていました。その昔たろりんの曽祖母マリアは8つのメロディーそれぞれに
2015-06-18 01:59:30◆精一杯の愛を散りばめ まだ見ぬ貴方たちへの贈り物としたのです…」そして8つ目のメロディーが流れた。たろりんは、深くそのメロディーを、胸に刻みこんだ。クリスタルの輝きを浴びて、全員完全に回復した!直後ラストボーグとギガボーグが襲いかかってきたが、三人はあっさりこれを倒した
2015-06-18 02:02:30不思議な力が全身に満ちているのを感じた。たろりんはきぼうのオカリナを吹いた。ついに揃った8つのメロディーは、暖かく、優しく、どこか懐かしく、そして…。((きこえたかい?))また、誰かがたろりんたちに問いかけた。園児たちは、黙って頷いた。たろりんは、めのうのつりばりを放り投げた。
2015-06-18 02:06:27そこはマジカントだ。パーティが危機に陥るたび、何度もめのうのつりばりを投げてはここに来た。そして無料で仲間を生き返らせてもらったり、泊めてもらったりしたのだ。誰もがみな優しく、少し変な世界。ミ「…マジカント」ミヤコが呟いた。ミ「…分かりました。どこか、うちの幼稚園に似ています」
2015-06-18 02:10:49た「…そうかもしれません」たろりんは呟いた。ついに、マリアの歌が集まった。た「行きましょう。クイーンマリーが落としてしまったものを、返すために」そして旅はつづく
2015-06-18 02:12:16そしてクイーンマリーの城に来たクイーンマリーがあの歌を歌えたとききっと何かが起こる。それは分からない。クイーンマリーの前にたろりんたちは来た。「あなたたちの覚えてきた歌を、私に聴かせて。」クイーンマリーは、ずっとたろりんたちを待っていた。ずっとずっと待っていた。 #たろマザー
2015-06-20 15:06:26どれだけクイーンマリーは待っていたのだろう。どれだけ眠れない夜を過ごしたのだろう。たろりんは喘息持ちだ。少しでも排気ガスを吸い込んでしまえば、発作が出て、動けなくなってしまう。喘息持ちの子供の中には、横になって眠れない子がいる。気管支炎持ちの子も、そうだ。 #たろマザー
2015-06-20 15:09:54そういう子は、座って寝るのだ。座ると呼吸が楽になる。夜に暴れ出す喘息の発作という意味でなら、たろりんにも眠れない夜の辛さはわかる。きっとクイーンマリーの辛さとは違うのだとしても。でも、クイーンマリーの眠れない夜は、これで終わる。助けられる。 #たろマザー
2015-06-20 15:12:13たろりんは、きぼうのオカリナをふいた。クイーンマリーは、目を閉じて、メロディーをずっと黙って聴いていた。吹き終わると、クイーンマリーの目から、一筋涙がこぼれた。「そう。そう…この歌だった。ああ…ギーグ…本当の子供のように可愛がったのに…」 #たろマザー
2015-06-20 15:15:11ギーグの名を、たろりんたちは知らない。クイーンマリーは続ける。クイーンマリーは、思い出せそうだ。「しっぽを振ってた赤ちゃんだった…子守唄を…でも…」クイーンマリーが、はっとして立ち上がった。そして、叫んだ。「ああ、ジョージ!貴方の妻、マリアです」きっと地下大河まで… #たろマザー
2015-06-20 15:17:44きっと、たろりんたちの知らない、報われない物語があった。報われない愛があった。クイーンマリーは、マリアに戻った。ジョージの開発したイヴのメロディーは、今ようやく、マリアを連れ戻した。「貴方の待つ天国に、私も今から向かいます…」そして、マジカントは暗くなっていく。 #たろマザー
2015-06-20 15:19:47そこは知らない白い山の頂だった。壊れた柱が並んでいる。クイーンマリーは、たろりんに語り終えると、風の中に消えていった。そしてマジカントの国もまた、跡形もなくかき消えた。マジカントの国とは、マリーの意識が生み出した幻だったのだ。 #たろマザー
2015-06-20 15:21:50ミ「マリアさんは、ジョージさんに、逢えたでしょうか」ミヤコのポニーテールが、風に揺れる。た「観測できなければ50%です」ミヤコとオオトリの前に立つたろりんの表情はうかがい知れない。オ「…でも、信じれば100%になるのでは」賢いオオトリは、非科学的なことを言った。 #たろマザー
2015-06-20 15:24:40さらに景色が移ろいゆく。白い山並みもまたかき消え、見知った、茫漠とした山並みへ。その場所がどこか、皆が知っていた。た「そうですね。…では、マリアさんは…ジョージさんに逢えた。100%です」もう忘れられた男などいない。あのクイーンマリーの声は、きっと地下大河に届いた。 #たろマザー
2015-06-20 15:27:06これで終わりではない。たろりんたちにはまだ、やらなければならないことがある。オ「…ギーグ」オオトリが、マリーの出した名前を反芻する。オ「かみのしっぽはどこにある…あまかけるふねのわすれもの」大切な何かを忘れてしまっているのは、きっとマリーだけではない。 #たろマザー
2015-06-20 15:30:27たろりんは、ホーリーローリー山、XX印の石碑の後ろを見た。正面の洞窟の穴を塞いでいた岩がいつの間にか取り除かれ、奈落のような暗闇が、ぽっかり口を開けていた。ミ「…怖い。嫌な力を感じます」最も強いPKの力を持つミヤコが震えていた。たろりんとオオトリはその手を握った #たろマザー
2015-06-20 15:36:22た「ダイジョブ」ミヤコは力無く笑い、うなづいた。怖いのはミヤコだけではない。たろりんやオオトリも、言葉では言い表せない恐怖を感じていた。た「いきましょ…」たろりんが言いかけた時、雲霞のごとく雑魚敵が襲いかかってきた!オ「早く!」オオトリが叫んだ。たろりんたちは走る! #たろマザー
2015-06-20 15:39:36オオトリがしんがりをつとめ、かえんほうしゃきで背後の敵をけん制している!洞窟内に駆け込むと、カプセルに閉じ込められている人たちがいた!ミ「!待ってください、今…!」助けようとしたミヤコを中の人が遮って喋る「…暗くてよく見えないが、あんたたちはもしかすると…」 #たろマザー
2015-06-20 15:42:56「スノーマンまちの教会の娘さんたちだな…たしかミヤコちゃんとかいう。お母さんはずっと奥の部屋に閉じ込められてるはずだ」ミ「!」ミヤコはお母さんを助けるために仲間に加わっている。「しかし私たちを今助けるのは無理だ。あのマザーシップをなんとかできなければ」 #たろマザー
2015-06-20 15:45:03