ニンジャスレイヤー二次創作【クイーンビー・ダイビング・トゥ・ペイルファイア】後編 (原文のみ)

(これまでのあらすじ:メジャーアントと別れ、アカネとともにコケシマートへ向かったキサキ。そこへ謎めいたニンジャ、メドゥーサとマッドハニーが襲撃をかけてきたのだ!) こちらは原文のみです。実況付きはこちら→ http://togetter.com/li/838113
1
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「ドーモ、メドゥーサ=サン」ほとんどワン・インチ距離。動揺するメドゥーサを見上げ、はっきりとクイーンビーはアイサツした。「クイーンビーです。少し、私と話をしましょう?」「ア……」メドゥーサが掠れた声を上げる。逡巡していた彼女は……やがて、脱力して構えを解いた。43 #4215tk

2015-06-23 21:36:17
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

クイーンビーはメドゥーサの目を見つめる。マッドハニーとのイクサで、彼女はようやく己のニンジャソウルがもたらした体質を……否、ジツの一端を理解した。意識と指向性の問題。ハイスクールでのアカネを思い出せ。堂々と振舞え。弱みを見せるな。今の自分は相手を支配できる!44 #4215tk

2015-06-23 21:39:07
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「私たちとあなたたちは、同じ敵に追われている。ザイバツ。知ってるよね?」メドゥーサが惚けたように頷く。その瞳が自分から離れてることはない。「……だったら、ここでイクサをする理由なんてなにもない。協力してここを離れましょう。いつあいつらが追ってくるかわからない」45 #4215tk

2015-06-23 21:42:07
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「アッ……」メドゥーサがぼんやりと声を上げた。その頬が紅潮しているのを、クイーンビーは見逃さない。「そう思うよね?メドゥーサ=サンも」「アッハイ。そう、ね」心半ばに相手が自分の考えに同意する様を、クイーンビーは心地よく思った。「アリガト。わかってくれて嬉しい」46 #4215tk

2015-06-23 21:45:18
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

とびきりの笑み。こくこくと頷いたメドゥーサが、よろめくように離れる。クイーンビーは華麗に踵を返し、唖然とこちらを眺めるマッドハニーの横を通り、アカネの元へと戻った。「……なにしたの。キサキ=サン」「昔のアカネ=センパイの真似。どうだった?」47 #4215tk

2015-06-23 21:48:23
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

キサキは自然な笑みを浮かべて言った。アカネが息を吐く。「……すごかったよ。別人みたいだ」「そう?私は私だよ。ところで、メドゥーサ=サン?」「ハイ!」背筋を伸ばして答えるメドゥーサに、クイーンビーは冷たい眼差しを向ける。「私の友達を早く元に戻してほしいんだけど」48 #4215tk

2015-06-23 21:51:12
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「アッハイ。でも、その」メドゥーサがもじもじと自分の指を付き合わせる。「それは蛇の毒とカナシバリ・ジツの合わせ技で……」「原理はいいの。戻して」「いや、無理なのよ!少なくともすぐには戻らないわ。ニンジャなら、時間が経てば毒とジツが抜けて治っていくと思うけど」49 #4215tk

2015-06-23 21:54:08
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「そうなの?」クイーンビーは首を傾げ、沈思黙考した。「……じゃあ、安全な場所までアカネ=サンを運んでくれるかな」「エッ」「ハイヨロコンデー!」なにか不安の声を上げようとしたアカネを遮るようにしてメドゥーサが声を張り上げた。そして足取りも軽く彼女の元へ。50 #4215tk

2015-06-23 21:57:11
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

腰に手を当てそれを見守っていたキサキは、こっそりと肩の力を抜いた。自分より強力なニンジャに虚勢を張ることの、いかに大変なことか!いずれにせよ、これでひと段落「「イヤーッ!」」「イヤーッ!」突如、キサキの背後の床が間欠泉めいて吹き上がった。マッドハニー!51 #4215tk

2015-06-23 22:00:12
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「エッ」キサキは振り返る。泥の壁。それを貫き、小さな刃の先端を見せるのは……二つのスリケン?「エッ?」「チィーッ」「胡乱な野良ニンジャ風情が。味な真似をしてくれる」泥壁の向こうから聞こえるは、聞き慣れぬ二人の男の声。泥の壁が崩れ去り、襲撃者の姿を露わにした。52 #4215tk

2015-06-23 22:03:14
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

(腰に手を当てそれを見守っていたキサキは、こっそりと肩の力を抜いた。自分より強力なニンジャに虚勢を張ることの、いかに大変なことか!いずれにせよ、これでひと段落「「イヤーッ!」」「イヤーッ!」突如、キサキの背後の床が間欠泉めいて吹き上がった。マッドハニー!) #4215tk

2015-07-01 20:47:13
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

(「エッ」キサキは振り返る。泥の壁。それを貫き、小さな刃の先端を見せるのは……二つのスリケン?「エッ?」「チィーッ」「胡乱な野良ニンジャ風情が。味な真似をしてくれる」泥壁の向こうから聞こえるは、聞き慣れぬ二人の男の声。泥の壁が崩れ去り、襲撃者の姿を露わにした。) #4215tk

2015-07-01 20:49:36
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ナムサン!どちらもニンジャだ!片方が尊大なアイサツを決める!「ドーモ、はじめまして。ザイバツマスター、ガラハッドです。こちらはアデプトのサイレン=サン」「……ドーモ」紹介されたサイレンはぶっきらぼうにオジギ。対するキサキは立ち竦む。ザイバツ?こんなにも早く?53 #4215tk

2015-07-01 20:51:05
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「ドーモ!マッドハニーです!」マッドハニーがキサキの前に出てアイサツを返す!「イヤーッ!」その横に踵を返し跳躍したメドゥーサが着地!「ドーモ、メドゥーサです。仲間の敵討ちにでもきた?」「笑止」ガラハッドが肩を揺らす。その隣でゆらりとサイレンが構える。54 #4215tk

2015-07-01 20:54:05
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「我らの目的は貴様らの抹殺よ。ロードのお膝元を汚すドブネズミども」「アー、ハーハー」マッドハニーが獰猛な笑みを浮かべる。「言ってくれるねぇー?すぐにブザマを見せることになるぜ」「やってみるといい。ところで」サイレンがキサキを見た。「お前はアイサツしないのか」55 #4215tk

2015-07-01 20:57:02
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「……ドーモ、クイーンビーです」震えそうになる体を抑え、キサキがアイサツ。そのオジギ終了後コンマ5秒!「イヤーッ!」ガラハッドがスリケン投擲!「イヤーッ!」わずかに遅れメドゥーサがクナイ・ダート迎撃!衝突!相殺!「ドロ・ジツ!イヤーッ!」床が泥化し始める!56 #4215tk

2015-07-01 21:00:11
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

しかし二人のザイバツニンジャは動じなかった。「イヤーッ!」ガラハッドが跳躍する。サイレンは……自らの体が沈み込むより早く前進した。小刻みなステップめいた歩法で、泥に沈み込むことなくマッドハニーへ到達。「な」「イヤーッ!」「グワーッ!?」痛烈なカラテ・ジャブ!57 #4215tk

2015-07-01 21:03:10
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

よろめくマッドハニー向け「イヤーッ!」「グワーッ!」サイレンは素早い連続カラテ・パンチで追撃!「姉さんになにを!」メドゥーサがコブラ・カラテを構え、飛びかからんとす。そこに「イヤーッ!」ガラハッドのインターラプトだ!「イヤーッ!」メドゥーサは咄嗟にガード!58 #4215tk

2015-07-01 21:06:30
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「よいぞ、サイレン=サン!イヤーッ!」「イヤーッ!」メドゥーサとカラテ応酬を繰り広げながら、ガラハッドが叫ぶ。「そのまま其奴を抑えておれ!」「偉そうに言ってくれる」サイレンがうんざりと呟いた。「い、イヤーッ!」マッドハニーが泥めいたサイバネ腕を振るい反撃!59 #4215tk

2015-07-01 21:09:54
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

しかし「雑なカラテだ」サイレンはあっさりとこれをいなす。「せいぜいいい悲鳴を聞かせてくれ……イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」ナムアミダブツ!……クイーンビーはイクサの動向を見、目まぐるしくニューロンを回転させる。どうする。60 #4215tk

2015-07-01 21:12:17
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

最上の策は動けぬフェネクスを連れてこの場を離脱することか。マッドハニーとメドゥーサは所詮他人。ここで爆発四散しようと心は痛まない。……痛まない?それは嘘だ。クイーンビーはそこまで非情になりきれぬ。ならばどうする。ヤクザガンはとうに撃ち尽くした。61 #4215tk

2015-07-01 21:15:11
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「ヌゥーッ!カミツケ!」メドゥーサが蛇にヘンゲした髪を振り乱し、ガラハッドに襲い掛からせる!「甘いわ!イヤーッ!」ガラハッドは動ぜずカラテチョップでこれを迎撃!首をはねられた蛇が宙で解け、髪へと戻る。「ザイバツマスターをナメるな!イヤーッ!」「ンアーッ!?」62 #4215tk

2015-07-01 21:18:03
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ガラハッドのポン・パンチにメドゥーサが吹き飛ばされる!「え、ンアーッ!?」クイーンビーが気づいたときには遅かった。飛来したメドゥーサと衝突した彼女は諸共に倒れこむ!「これで終わりよ!イヤーッ!」ガラハッドが跳躍!二人まとめてのカイシャクを叩き込む算段だ!63 #4215tk

2015-07-01 21:21:03
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「イヤーッ!」そこに影が割り込む。メドゥーサの下敷きになったクイーンビーは目を見開いた。フェネクス。カトン・ウィングを生み出した少女が、無理矢理に身を割り込ませたのだ!……当然のごとく、ガラハッドのケリはフェネクスの胸に突き刺さり、貫通した。64 #4215tk

2015-07-01 21:24:37