《「自衛隊員が自治体役場に来て『100キロ以上避難しろ』と原発事故発生直後に言った話」を神戸新聞が取材、記事にしていた》
- karitoshi2011
- 8901
- 26
- 8
- 93
引用族) 「電源立地については、新市においても引き継ぐ」とあった。発案したのは南隣の「小高町」。約30年前から「雇用を生み出せるのは原発しかない」として、東北電力の原発誘致計画を進めていた。
2015-06-24 22:42:25引用続) (※写真=誘致に賛成か反対か-。合併に伴い、原発への姿勢が相反するまま発足した福島県南相馬市議会。今、原発事故後の対応に追われている=2011年12月13日、南相馬市役所)
2015-06-24 22:42:42引用続) 同月14日、原町市議会は紛糾した。小武海が「反対の意思を明確に表明すべきだ」と口火を切る。2年前には東京電力による原発の検査記録改ざんが発覚。市議から「誘致するなら合併は認められない」との意見が続いた。
2015-06-24 22:43:16引用続) 現・南相馬市議会議長の平田武(63)は原発誘致には慎重ながらも、危機感を覚えていた。「合併の前提条件として原発誘致が駄目ということになれば、合併否決ということにもなりかねない」。冷静な議論を呼び掛けた。
2015-06-24 22:43:35引用続) 結論を出す期限は迫っていた。国から有利な財政措置が受けられる合併は、現実的な選択だった。原発誘致問題は、結局「条件付き」で収まる。「現行のとおり引き継ぐが、電力需要および社会環境の変化を踏まえ(中略)関係機関と検討していく」。玉虫色の決着だった。
2015-06-24 22:44:00引用続) 昨年(2011年)2月、南相馬市役所を東北電力の社員が訪れる。集まった市議たちに、小高町が誘致に努めていた「浪江・小高原子力発電所」のパンフレットが配られた。 原発誘致が再び動き出した直後、大震災が起きた。
2015-06-24 22:44:23引用続) 兵庫県は01年3月、原発の10キロ圏外の自治体では初の「原子力等防災計画」をつくる。備えが至らなかった阪神・淡路大震災を教訓に、JCOの臨界事故を受けて動いた。
2015-06-24 22:45:18引用続) だが、主な想定は「放射性物質運搬中の事故」。最も近い福井県の関西電力高浜原発から県境まで約40キロ離れているため、原発事故対策は国の指針を踏まえて「情報収集」にとどめられた。(敬称略) (年齢は記事掲載当時)
2015-06-24 22:46:18『神戸新聞』 想定を問う 不作為の連鎖 災害列島に生きる (11)原子力災害対策(下) 備えに直結せぬ危機感 2012/1/25 kobe-np.co.jp/rentoku/sinsai… 以下引用)
2015-06-24 23:03:44引用) 福井・若狭湾の関西電力高浜原発から約40キロに一部が入る豊岡市。昨年6月の定例市議会で市長の中貝宗治(57)が「想定外」への持論を語った。
2015-06-24 23:04:01引用続) 「(災害が)起こりうることが想像できても、私たち関係者は制度や仕組みを組み立てるときの前提として採用してこなかった。効率性を重視し、100年確率、200年確率に備えることのばかばかしさが公然と語られてきた。その不明さを、恥ずべきだ」
2015-06-24 23:04:15引用続) 防災への新たな決意表明にも聞こえる。だが市議の一人が原発事故の避難対策を問うと、防災監の森合基(もりあい もとい)(56)の答弁は型通りのものだった。
2015-06-24 23:04:29引用続) 「福井県に確認したところ、(原発の半径8~10キロを避難計画策定区域とする)国の指針以上の被害想定はない。兵庫県の防災計画でも記載がない。本市においても、国が今後見直せば検討したい」
2015-06-24 23:04:44引用続) 「危機感がないわけではないが…」と森合が漏らす。それは、財源も権限も持たない地方自治体の歯がゆさ。避難計画を独自に模索していた福島県南相馬市とも共通する。
2015-06-24 23:05:00引用続)(※写真=東京電力福島第1原発の北方20キロ地点で「警戒区域」への立ち入りを禁止する警察官。震災前に想定された避難区域は最大で半径10キロだった=2011年12月14日、福島県南相馬市原町区大甕)
2015-06-24 23:05:13引用続) 原発の地震対策は、1995年の阪神・淡路大震災を受けて揺れ動いてきた。専門家らが「絶対に壊れない」と胸を張ってきた高速道路や新幹線の高架が崩れ、国は2006年、原発の「耐震設計審査指針」を改定する。
2015-06-24 23:05:26引用続) だが翌年に柏崎刈羽原発事故が発生。旧指針による耐震設計だったとはいえ、「阪神・淡路級でも壊れない」「神戸のような活断層の上に原発は建てない」としてきた国への信頼性は大きく揺らいだ。
2015-06-24 23:05:40引用続) 昨年(2011年)12月26日に出された政府の「事故調査・検証委員会」の中間報告からは、東京電力が想定を上回る大津波の危険性を認識しながら、数百億円規模の対策費に気後れしていた様子がうかがえる。
2015-06-24 23:06:12引用続) 地震調査研究推進本部は、869年の貞観地震の最新研究成果を公表しようとしていたが、震災8日前、東電は所管する文部科学省に対し「震源はまだ特定できていないと読めるようにしてほしい」と働き掛けていたという。
2015-06-24 23:06:25引用続) 活断層が多く走る若狭湾の沿岸部一帯。複数の断層が連動して動いた二つの大震災と同様、予期せぬ巨大地震が起こる恐れも指摘されている。 昨(2011)年10月27日。神戸市の兵庫県災害対策センター。県防災計画課副課長の坂本哲也(48)は、市町の防災担当者を前に切り出した。
2015-06-24 23:06:50引用続) 「原子力安全委員会の協議内容を説明します」。11月1日発表予定の新防災指針だった。原発事故の避難計画策定区域を半径8~10キロから30キロに拡大するとともに、半径50キロを目安に屋内退避や安定ヨウ素剤の服用を考慮する区域を新設する-との内容だ。
2015-06-24 23:07:08引用続) 説明を終えた途端、質問が相次いだ。「安定ヨウ素剤の備蓄は市町の財源でやるのか」「唐突に備えろと言われても困る」…。坂本は正式決定ではないことを伝えた上で、「まだよく分からない部分も多い。まずは国の動向を見ていこう」とその場をまとめるしかなかった。
2015-06-24 23:07:38引用続) 「想定」の先にあるリスクが、繰り返し見過ごされてきた。尊い命と引き換えに。備えに絶対はない。私たち一人一人の覚悟も問われている。(敬称略) (年齢は記事掲載当時) (取材、記事執筆 安藤文暁、上田勇紀、小川晶) =おわり=
2015-06-24 23:08:38