『チームの力』試し読みの感想および理論と実際のズレについて
序章とあとがき試し読みの感想。主につっこみ。
「チームの力」試し読みの感想とその他。哲学だというなら、つっこみ所を見つけて片っ端からつっこんで構わないと思う。ということで引っかかったところを挙げていきます。ちなみに実際に支援の現場でどういうことが起きていたのかについては間接的にしかわからないので、あまり触れません。
2015-06-27 13:41:00チームの力 ー 構造構成主義による“新”組織論 西條剛央 著 筑摩書房 chikumashobo.co.jp/special/team_p…
2015-06-27 13:41:06p.11 「— それは、自分のほうがまだよいと思いたい、という欲求だ。」決めつけているが他の可能性もいろいろ考えられる。巨人になって、食いたい、とかね。「一つには、」などの但し書きがあるべき。それとも他の可能性は一切考えられないということだろうか。
2015-06-27 13:41:26p.18「’’クジラではなく、小魚の群れになろう’’をキャッチフレーズとした〜」なのに巨人だと評する。小魚のままじゃだめ?良い巨人と悪い巨人がいます、ということかな。組織が悪で、チームが善ということ?いや組織だろうがチームだろうが力をどう使うかで善し悪しが決まるんじゃないですか。
2015-06-27 13:41:52p.18あたりから活動実績が載っているが、すべてが成功事例のように書かれている。本編で失敗例と対策などに触れられているといいのだが…。
2015-06-27 13:42:08p.19「「ふんばろう東日本支援プロジェクト」とは、中核はあっても、内外の境界のないチームであった。」境界がないのがひとつの大きな問題。例えばクレーム処理はどうなる。それは各自で、ということだろうか。でもチームとしての功績は中核に集められる。各所で皆のおかげとは書かれているが。
2015-06-27 13:42:22あとがきについてはとりあえず二箇所だけ挙げる。 p.210「誰がどう考えてもおかしい理不尽がまかり通ることになるのだ。」誰がどう考えてもと言うがそれは視野が狭いから、ということもありうる。
2015-06-27 13:42:35同じくp.210「我々の社会における理不尽の9割は組織によるもので、〜いわば〝組織災〞と言うべきものであることがわかってきた。」 9割という数字はどうやって導き出されたのか。あと組織災があるならチーム災もあるんじゃないですかね。ていうか実際あったんじゃないですかね。
2015-06-27 13:42:44理論を実践した際に起きたことを振り返って。
(詳細は他のまとめをご参照いただいて)
リアルタイムで目にしたTwitter上でのやりとりや色々なまとめなどを読んで感じたのは、構造構成主義というものが個人が好きずきに動いていいということの根拠として使われているのではないかということ。当たり前だがこの理論を作ったから、知っているからといって何をやっても良い訳ではない。
2015-06-27 13:47:51自分がやりたいことを好き勝手やっても許されるための理論だとすると、そりゃそれを許してくれない行政だとかを目の上のたんこぶのように感じるかなぁ(笑)と。でも自分に協力してくれる組織の人間はウェルカムなんだよな。巨人のような力が欲しいのだから当たり前か。
2015-06-27 13:48:08また、組織による統制、秩序というものを良く思わないように書かれている箇所もあるが、個人がある程度自由にできるのは、組織による秩序維持があってこそという面もあるだろう。
2015-06-27 13:48:18確かに秩序も行き過ぎると個人の自由を損ないはする。でも秩序がないというのは自由すぎて戦争状態になりかねない。どちらであっても、個人にとって危険な状態となる。
2015-06-27 13:48:27秩序が無い混乱した状態で、お互いを思いやって尊重しましょうなんて必死に言っても、そんな言葉は何の力も持たないだろう。そんな状況では結局、力の強い者、声の大きい者が優位に立つことになる。それは支援者にとっても本意ではないはずだ。
2015-06-27 13:48:42組織がうまく機能しなかったり、形骸化していることもあるかもしれない。時代に合わなくて変えていけるものは変えていかないといけないと思う。
2015-06-27 13:48:49ただし一見まわりくどかったり融通が利かないように見えるやり方にも経験が積み重なり残ってきただけの理由があるものもあって、そこを理解せずにいきなり壊しにかかれば多くの不都合が生じる。場合によっては迷惑どころでは済まない。
2015-06-27 13:48:59著書から読み取られる論理の飛躍について。
今回の本の本編は読んでないけど、前回のすんごい仕組みの本は以前に読ませていただいた。常識に捕らわれない、というか常識がしっぽ巻いて逃げるような面白い視点もあるのだけど、決めつけが多いために結論が偏っていると感じる箇所が多々あった。
2015-06-27 13:55:47論理がおかしくなるのはだいたい思い込みで結論づけているときだ。良い結果があらかじめ決まっていてそれに合わせるように話が展開される。結果にとって不都合な可能性や事実には触れない。恐らく無意識的に。
2015-06-27 13:55:54事実よりも思い込みや感情を優先すると、読者を揺さぶって興味を引くことはできるかもしれないが、それと引き換えに普遍的な理論は得られない。自分に都合の良い見方ばかり採用して不都合な物には目をつぶれば、一見かたちになっているようで貧弱なものが出来上がる。それは科学実験の捏造と同じ。
2015-06-27 13:56:03また、事実や実際の感情に比べて話を盛って書いていると(盛ってる意識はないのかもしれないけど)、どんどん文章が大げさになって、強い言葉を使い続けないといけなくなる。強い言葉や派手な言葉、重厚なはずの言葉でさえ薄くなる。言葉がインフレを起こしている。
2015-06-27 13:56:10