塩谷賢 #哲学表現基礎論 第11回「未来に向けて作る足場としての過去を知る、そのバランスをどうとるか?」

塩谷賢 #哲学表現基礎論 第11回「未来に向けて作る足場としての過去を知る、そのバランスをどうとるか?」の簡単なまとめです。
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塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

【シラバス】#哲学表現基礎論 第7回 動態性と表現 第8回 感情・心理と表現 第9回 表現とコミュニケーション 第10回 形式的表現 第11回 表現とシステム ←今回 第12回 言語表現と解釈 第13回 批評・法・経済 第14回 意味と概念 第15回 学習した内容の点検と確認

2015-06-25 12:59:38
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

形式における、代入と構成について。形式は、形式の外にある(直接考慮されていない)controlを、常に気にしている。controlすること、どんなcontrolをするかが、[形式の?]選択に影響を与える。 #哲学表現基礎論

2015-06-25 13:10:03
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

それではcontrolそのものを対象としてみるとどうなるか。controlは、そこに何かが代入される、変換として機能する。 ところで、シュレーションをする場合、controlの“地”の部分は、形式の内でも外でも同じであると考える。しかしほんとうにそう言えるのか? #哲学表現基礎論

2015-06-25 13:13:33
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

前回と同じように、  Syntagm(連結: 顕在)…シニフィアン,シニフィエ  Paradigm(変換: 潜在) Syntagmをa、ParadigmをTとおいて、話を進める。 #哲学表現基礎論

2015-06-25 13:18:09
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

T(a)=b (aを変換するとbとなる) a(T) (aでTを対象化する ※aには例えば「書く」「文字」などが入る) control(=変換, T)を対象としてみる限りにおいて、それは物のように構成することができる。しかしcontrolはあくまでも機能。 #哲学表現基礎論

2015-06-25 13:22:19
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

それでは、control(=変換, T)をどのように表せば良いのか? いま、T|aは以下のように表せる   {c←―T}|a...............b  変換の継続 対象の構成 ※{}では構成が行われ、..... では代入が行われているとする。| は適用。 #哲学表現基礎論

2015-06-25 13:34:03
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

a|Tは以下のように表せる      b←―a|T............c テストの実行の継続  対象化 じつは、私たちはT|aもa|Tもどちらもやっている。バランスをとりながら。どういうときか。未来を予測するときだ。 #哲学表現基礎論

2015-06-25 13:38:31
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

――― | ..............  過去 現在 未来 T|aは、過去を根拠にして未来を予測すること(風が吹けば桶屋が儲かる)。a|Tは、過去にどのような前提があったかを決定論的に考えること(桶屋が儲かったのは風が吹いたからだ)。 #哲学表現基礎論

2015-06-25 13:45:30
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

――― | .............. 過去 現在 未来 という図を書いたが、「現在」は、これまでの #哲学表現基礎論 の講義をふまえると「介入」という方が妥当。物理,化学,工学から言えば「実験」、数学から言えば「適用」。

2015-06-25 13:49:53
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

c←―T|a.......B b←―a|T.......c 上下は相互に作用しながら(上のTは下のTを織り込み、下のaは上のaを織り込み)、うまくバランスをとる。しかし私たちは「うまくいく」ということより、「うまくいくときに何がおきているのか」が知りたい。 #哲学表現基礎論

2015-06-25 13:54:35
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

※上のTは下のTを織り込み、下のaは上のaを織り込み…の例としては、子供のときの記憶の回想やトラウマ、睡眠時の夢の想起などが身近な例としてあげられる。 #哲学表現基礎論

2015-06-25 13:55:56
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

「具体的に処理するとき、私たちはpartialな(部分的な,不完全な)情報を使用する」。通常のシミュレーションでは確かにそうしている。しかし、ここで考えられているのは、不定が計量できる、図としてのpartialな情報ではないだろうか。 #哲学表現基礎論

2015-06-25 14:01:23
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

不定が計量できない、地としてのpartialな情報を、私たちは使用できないのだろうか。できないことはない。しかしそれは普通の意味でのシミュレーションではない。量という枠が決まっているときには確率論が使えるが、量という枠が決まらないと使えない。 #哲学表現基礎論

2015-06-25 14:06:14
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

では、どういうときに、地としてのpartialな情報を使用するのか?生存のゲーム。生物自身は死ぬことを知らないが(死んで生きかえった生物はいない)、食うか食われるか、生きるか死ぬかの場面では、あるゲームをとりあえず設定する。 #哲学表現基礎論

2015-06-25 14:09:17
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

①ルールを設定し、②そのルールに基づいて相手を知り/評価し、③うまくいくか/うまくいかないかを知る。もし収束すれば、ゲームのルールを知ることができる。しかし、私たちが知りたいのはゲームのルールではない。相手の戦略および戦略によって得たいもの(目的)を知りたい。 #哲学表現基礎論

2015-06-25 14:12:07
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

しかし、相手の戦略および戦略によって得たいものがfixしているかというと、そんなことはない(「あいつは俺を食いに来たわけじゃなくて、光をもっと浴びたくてこっちにやってきたのか…」)。だから、生存のゲームのルールは、相手によって変わっていく。 #哲学表現基礎論

2015-06-25 14:16:52
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

いままでの図を使うと以下のように表せる。 c←―T|a.......B  自分 b←―a|T.......c  相手 戦略  ルール ※ただし、"相手"とされるものは、ゲームの"環境"であってはいけない。 #哲学表現基礎論

2015-06-25 14:20:37
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

目的(戦略において得ようとするもの)をjumpして定めるということは、戦略を実行する見込みがあるからで、たとえ“必勝戦略”があったとしても、それが目的と一致しないのであれば意味がない。 #哲学表現基礎論

2015-06-25 14:25:26
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

それでは、「介入者=伝達者としての制作者」はどのように表せるのか。これはパフォーマーとしての制作者の説明となるが C 環境 … 台本,楽譜、劇場の条件 c←―T|a....B  … 観客の心 b←―a|T....c  … 劇/曲の意味 ※ 制作者は | の位置 #哲学表現基礎論

2015-06-25 14:32:02
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

パフォーマンスがうまくいっているときは、観客の心と劇/曲の意味がそれぞれうまく織り込みずみになっているように外からは見える。どちらが先行してもよい。歌舞伎で、菊五郎は自分が泣いて観客の心を引っ張ったし、団十郎は自分は鳴かずに劇/曲の意味で観客の心を引っ張った。 #哲学表現基礎論

2015-06-25 14:34:12
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

このとき、「伝達者=介入者としての制作者」は、具体的な処理を行っているにもかかわらず、観客の心と劇/曲の意味の“地”の同一性を前提とする、通常のシミュレーションを行う者ではなく、“地”の同一性を前提としない、いわばランダムなシュミレーションを行う者となる。 #哲学表現基礎論

2015-06-25 14:39:18
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

次回は、日常言語を考える。日常言語は、さまざまなものが織り込み済みになっているにもかかわらず、私たちはそれを忘れ、なおかつそれを使ってそれ自体を論じることができる不思議なものだ。 #哲学表現基礎論

2015-06-25 14:41:46